五月病だけじゃない、誰も気づけないメンタル不調「サイレントうつ」の原因と予防策

テレワークは時間や場所を問わない柔軟な働き方ができるようになるなどメリットもありますが、プライベートと仕事の時間を切り分けないとメンタル面に影響を及ぼします。

今回は、「五月病」とは異なる、自分や周囲が気づきにくい「サイレントうつ」について、原因と予防策をご紹介します。

目次

  1. テレワークによって「体調や精神面での悪い変化」を感じた人が7割以上
  2. 孤独感や長時間労働の疲労感が生み出す「サイレントうつ」という病気
  3. コミュニケーションの機会を増やす、「サイレントうつ」の施策
  4. 新入社員は特にメンタル面のケアが必要
  5. 「サイレントうつ」を防ぐマネジメント方法3選
  6. 「一生懸命休むこと」も仕事の1つ

テレワークによって「体調や精神面での悪い変化」を感じた人が7割以上

毎年ゴールデンウイークが始まるのは楽しみだが、終わりに近づくにつれて気分が憂鬱という方はいませんか。
「学校や会社に行きたくない」「なんとなく体調が悪い感じがする」授業や仕事に集中できない」などの状態が5月の連休後に起こることを「五月病」と呼びます。こちらは聞き馴染みがある方も多いのではないでしょうか。
参考)「なんだか気分が優れない? それ、五月病かもしれません!」

新型コロナウィルスの終息が見えない中、テレワークを推進している企業も多く、オフィスに出勤していた時と比べると体調やメンタルの変化が周囲に伝わりにくくなってきていると思います。連休明けはメンタル面の不調を特に注意しなければいけないと感じています。
2021年4月に一般社団法人日本ユニファイド通信事業者協会が、会社員5,000名を対象に、テレワークの導入実態と課題に関するアンケート調査を行い、その結果をまとめました【下図参照】。

テレワークによって「体調や精神面での悪い変化」を感じた人が7割以上に及ぶことが判明しました。
「体重の増減」「体力低下」「肩こり」といった体調の変化が上位となっていますが、「ストレス」「集中力の低下」「頭の切り替えが難しくなった」などの精神面における変化がそれらに次いで多くなっています。

出典:テレワークによって『体調や精神面での悪い変化』を感じた人が7割以上に及ぶことが判明[PR TIMES](一般社団法人日本ユニファイド通信事業者協会)より

孤独感や長時間労働の疲労感が生み出す「サイレントうつ」という病気

「サイレントうつ」は、オフィスとは異なり、自宅という周囲に人が少ない状態で行うテレワークで起こる、周囲の人も自分自身も気付きにくい病気と言われています。私の周りでも下記のようなストレスの相談が来ており、結果として「サイレントうつ」を引き起こしてしまう例も見られます。

◆在宅で仕事をすることで、長時間勤務になった
◆誰ともコミュニケーションをとらず、孤独感を感じている
◆仕事による極度のストレスが掛かっている人
◆新型コロナウィルスを過敏に意識することによるストレス
◆突然のニューノーマルへの移行によって心がついてこない

厚生労働省 平成29年の労働安全衛生調査によると、下記の図の通りメンタルヘルス不調により休職する割合は全体で0.4%、業種別では情報通信業や金融業が1.2%で、情報通信業や金融業のうつ発症リスクは全社平均の3倍と非常に高くなっています。一概には言えませんが、IT系はパソコンに向かう時間が長かったり、金融系などは他業種以上に、ストレスフルな環境にある証拠かもしれません。

参照「平成29年 労働安全衛生調査(実態調査)の事業所調査概要」(厚生労働省)のデータをもとに作成

企業の対策としては、「テレワークが向かない人もいる」ということを考慮しながら、会社としての働き方の指針や組織としてのコミュニケーションの方法を決定していくと良いと思います。

コミュニケーションの機会を増やす、「サイレントうつ」の施策

今回は企業としてできる施策をお伝えします。どの施策にも共通することは「孤独感を感じさせない組織づくり」「様々な施策の中で、社員が自分に合った方法で、心理的な安全性を確保する」ということです。
当社で行っている3つの例をご紹介します。

コミュニケーションを機会を増やすための施策例1「オンラインコミュニティを創る」

当社では、業務に関するもの、業務外に関するもの(趣味、雑談など)の40個のコミュニティがあります。自分の好きなコミュニティで業務以外の人間関係を構築することで、心理的安全性を確保することができます。

また、趣味などに興味を持つことで、仕事の息抜きに、リフレッシュにもなります。
当社ではコミュニティを通じて、仕事で一緒になった際にスムーズにコミュニケーションがとれるようになったり、コミュニティから新たな仕事が生まれたり、組織の活性化に繋がっています。


コミュニケーションを機会を増やすための施策例2「オンラインイベントの定期的な開催」

当社は世界33か国400名のメンバーがおり、過去に入社式・お花見・忘年会・バーチャル世界一周旅行などをオンラインで行ってきました。メンバー同士がコミュニケーションをとることを重視し、イベントを企画しています。

▼オンライン花見の様子

コミュニケーションを機会を増やすための施策例3「社員の健康状態の定期的なチェック」

社員のメンタルについてアンケートを行ったり、必要に応じて産業医に相談できる環境を整えるなど、「サイレントうつ」に社員が陥ってしまった場合の環境整備も重要です。

新入社員は特にメンタル面のケアが必要

「何が分からないか分からない」「誰に聞いたら良いか分からない」が入社時の状況です。当社では入社時に必ず人材育成担当者がつき、入社時に1on1、その後3か月は毎月1回実施します。主な目的は「新しく入った人が働きやすいようにサポートする」ことです。

1on1で心理的安全性を確保しつつ、メンバーの不安を軽減しています。特に新入社員はコミュニケーションの頻度を多めにし、メンタル面のケアが必要です。

配属時からテレワークが導入されている今年度の新入社員は、例年と異なり「いつ上司に連絡をしたら良いか」「質問をチャットでしたら良いのか、電話でしたら良いのか」などテレワークならではの悩みが増えていると聞きます。

新人育成のポイントは下記の記事で詳細をご参照ください。

リアルと組み合わせて、テレワークも視野にいれたオンライン新人育成を!
https://at-jinji.jp/expertcolumn/288

「サイレントうつ」を防ぐマネジメント方法3選

「サイレントうつ」の予防として日々のマネジメントにもポイントがあります。監視型のマネジメントになるとメンバーが脅迫感・不信感・不安感を抱くようになり、仕事がスムーズに進まないだけでなく、ストレスを抱え心身に影響を及ぼすことになります。誰にも相談できないことにより、「サイレントうつ」も引き起こしやすいと私は考えています。それを防ぐためにテレワークを行う上で必要なマネージャーの心構えは3つあります。

コミュニケーションを機会を増やすための施策例1「オンラインコミュニティを創る」

当社では、業務に関するもの、業務外に関するもの(趣味、雑談など)の40個のコミュニティがあります。自分の好きなコミュニティで業務以外の人間関係を構築することで、心理的安全性を確保することができます。

また、趣味などに興味を持つことで、仕事の息抜きに、リフレッシュにもなります。
当社ではコミュニティを通じて、仕事で一緒になった際にスムーズにコミュニケーションがとれるようになったり、コミュニティから新たな仕事が生まれたり、組織の活性化に繋がっています。

◆前提として大切なマネージャー3つの心構え
①「オンラインでなんでも出来る」と思い込む
②「仕事をしている」という性善説をもつ
③メンバーを褒めて、信頼関係の構築を図る努力をする

「オンラインでなんでも出来る」と思い込む

「対面であったことないけど、オンラインだけで信頼関係作ることできるのか」という質問はよく耳にしますが、これは「リアルでマネジメントしていた時と比べているから」です。当社では、面接・入社後の育成・事業運営も全てオンラインで行っています。
そもそも、「テレワークで上手く仕事が出来るのか」と不安になっているのはマネージャー(管理職)だけということが多いです。

「仕事をしている」という性善説をもつ

テレワークになり、「本人任せだと、仕事をしているのか不安になる」という声もよく聞きます。しかし、仕事をサボりがちな人は、オフィスでも家でも同じことだと私は思っています。そのため、まずは「仕事をしている」と信じましょう。

そして、テレワークの場合は長時間労働の危険があるということを念頭に置きましょう。例えば、移動時間というオンとオフの切り替えの時間がなくなったり、夜中まで物理的に働けるため、真面目なメンバーが働き過ぎで、体調だけでなく、「サイレントうつ」などのメンタルを壊しやすいというケースも多いのです。マネージャーは働く時間のマネジメントにも着目し、メンバーのケアをしましょう。

メンバーを褒めて、信頼関係の構築を図る努力をする

オフィスに出社して顔を合わせていたら、上司の表情や必死さも伝わるし、飲みにケーションによって想いを伝えたりメンバーの悩みに寄り添ったりしやすいです。しかし、オンラインではその機会がなく難しいですよね。

そのため、大切なことは上司からメンバーへ歩み寄ることです。メンバーを観察し、チャットなどで「昨日の商談、よくできていたな」「連絡してくれた情報、すごく勉強になった」など、「1日、1褒め」を心掛けて、オフィス以上に認める姿勢を持ちましょう。

自宅で自律的な仕事を促すためには、「信頼関係を構築して、メンバーのやる気を生み出す」ことが重要なポイントです。

マネジメント方法のさらに詳しい内容が知りたい方はこちらをご参照ください。

現場での具体的なマネジメント方法を公開します。【現場リーダー編】
https://at-jinji.jp/expertcolumn/247

 

管理職必見! テレワークにおける理想のマネジメントとは?
https://at-jinji.jp/expertcolumn/244

 

「一生懸命休むこと」も仕事の1つ

従業員の体調管理に配慮する人事・総務担当者、そして現場の管理職の方にも「サイレントうつ」は起こりうるものです。皆さんにお伝えしたいことは、「サイレントうつ」の予防は自分自身を守ることに繋がります。仕事に真摯に取り組むのも大切ですが、「一生懸命、休む」ことも大切です。まずは、心身ともに健康であること、つまり身体が資本です。そのうえで、仕事のやりがいを追求したり、余暇や学習を楽しんでいけたら良いなと考えています。

また、自分自身の健康を守れるのも自分だけです。体調の変化を感じたり、「最近調子が良くないな」と思うことが増えてきたらぜひ一度働き方を見直してみてください。
読んでいただき、ありがとうございました!【おわり】

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