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VUCA時代の組織にどんな手を打つべきか ~実際に@人事でサンクスツールを導入してみたお話~

VUCAの時代(取り巻く社会環境の複雑性が増し、次々と想定外の出来事が起こり、将来予測が困難な状況)において組織の在り方にも変化が求められる。しかしながら、コロナ禍による働き方の大きな変化もあり、今までの「正解」が通用せず、変化へ対応するための手段の選択がより困難になった。

一方で、「貢献の見える化」というワードとともに、サンクスツールが市場を賑わせている。サービスも数多く存在し、仕組みもわかりやすいものの、実際に導入した場合に組織にどのような変化が起こるのかイメージがつかない人事担当者も多いのではないか。

今回は@人事の営業部が課題解決の一歩として試験的にサンクスツールを導入し、どのような変化があったのか、実体験を基にお伝えしたい。皆さまの手段選択のヒントとなれば嬉しい。

目次

  1. 導入した背景。VUCAの時代で組織を良くするために
  2. 導入にあたっての事前準備
  3. 「Agelu」がもたらした効果
  4. まとめ:正解が見えない世の中だからこそアクションを

導入した背景。VUCAの時代で組織を良くするため

withコロナに伴う働き方の変化。数多くの企業が大きな影響を受けている。弊メディア@人事では、「人事評価」をテーマにした資料(@人事e-book)がこの半年の間に数多くダウンロードされている。これは「組織を良くしたい」という普遍的な課題に加え、「withコロナ・在宅勤務への対応」も重なったことが想定される。

組織を良くするためには何かしらの手を打つ必要がある。祈るだけでは良くならない。しかしその打ち手は人事評価、働き方、コミュニケーション、企業ビジョンなど切り口が数多く存在し、支援するサービスも挙げればキリがない。選択するにも、情報が多すぎる。

組織を良くするための手段選定について、大きく2パターンあると考えている。1つは組織の現状を分析し、改善すべきポイントを明確にしてピンポイントに手段を選ぶ”ピンポイント型”。もう一つは大まかなあたりをつけて、とりあえず試してみる”とりあえず型”の2つだ。
ピンポイント型は分析から手段選定までに時間を要する。とりあえず型は選定の時間は少ないが、手段と結果にズレが発生する可能性がある。どちらが正しいということはないが、我々は予測困難なVUCAの時代、ピンポイント型での手段選定は、もはや不可能と考えており、とりあえず型でやってみて、たとえ間違っていたとしても「今回、この選択は間違っていた」ことが明確になることを成果とするのが今は良いのではないかと考えている。

コロナ禍でテレワーク中心の働き方になったこともあり、新たな組織課題も感じていたため、「組織を良い状態にする」ことを目的に今回はサンクスツールを”とりあえず型”で導入することを決めた。

導入にあたっての事前準備


今回、我々が導入したのは、株式会社インターリンクが提供する次世代人財管理システム「Agelu」だ。”とりあえず型”での導入のため、事前の整備は最低限とし、結果的にスモールスタートとなった。

※「Agelu」とは
社員同士の日々の「ありがとう」を感謝メッセージと共にチップとしてクラウド上で贈答できるサービス。メッセージを全社に公開することで、社員の貢献度や成果を可視化し、従業員のエンゲージメント向上や離職率改善、人材育成などに効果を発揮する。クライアントなど社外ユーザーからも感謝を受け取れるため、評価制度と連動させることも可能。
(@人事サービスガイド掲載情報より)

▼スモールスタートの内容

①@人事営業部内のみでの実施
→事業部長(私)の決済のみで導入できたため
②感謝を伝え合うことを主目的とし、取得ポイントの金銭的紐付けは行わない
→評価や給与への紐付けには制度改定や経営層の話し合いも必要になるため

一方で、導入しても使われなければ意味がなく、また強制的にもしたくなかったため、メンバーがAgeluを当たり前に(積極的に)使えるように次の工夫を行った。

▼Ageluを浸透させるための工夫

①タグの設定
→事業運営のための重要な視点として、メンバーに期待する「称賛すべき行動軸」をタグとして設定した【下写真】
※タグとは...感謝をおくる際にその感謝がどの要素での感謝なのかを表すことができるAgeluの機能。@人事では「ENJOY」「CHALLENGE」「TEAM WORK」「SPEED」の4つのタグを用意し【下写真】、これらの行動の活性化をねらいとした。

 

②月1の表彰式の実施
→感謝をどれだけ受け取ったかだけでなく、感謝をどれだけ「おくった」かも重要視し、それぞれポイント化して合計を出し、各タグおよび総合でポイントが多かったメンバーを月単位で表彰する機会を設けた。

【補足情報】
営業部のメンバーは管理職にあたる私のほかに、企業の人事総務担当を訪問して課題解決を支援するチームと、人事向けサービス提供企業へ提案を行うチーム、クライアントや読者との窓口になる営業事務、当時は研修期間中の20卒メンバーの合計12人で構成され、全員が期間中Ageluを使用した。

従来、サンクスツールを導入する際は、既存の人事評価制度への紐付けや変更、全従業員への説明や浸透させるための施策の実施などにハードルを感じる方も少なくだろう。
我々はこの点について、導入前にやりたいこと、やらないことを明確にしたことで、導入と運用のコストを大きく削減できた。実際、導入の検討開始から約半月で導入している。

やらないことを決め、スモールスタートをしたことで最初からサービスのメリットをどこまで引き出せるのかという懸念は多少あったが、それでも組織における変化はあった。その変化を今からお伝えしたい。

「Agelu」がもたらした効果

組織内の人間関係の改善の点においては、役不足だったと言えるだろう。それは、褒め合うことが主目的であり、特定の個人とのコミュニケーション量を増やすものではないためだ。コミュニケーションの総量を増やすという視点においても、一定の増加は見られたものの、在宅勤務になって減ったコミュニケーションを埋めることはできなかった。
組織内の人間関係改善や、在宅勤務によって減ったコミュニケーション量の穴埋めが主目的の場合、サンクスツールのみを用いて解決を目指すことはオススメしない。

一方で、組織内に感謝を伝え合う文化を作れたこと、タグを用いて感謝を伝えることで、自身に求められる役割を具体的にイメージしやすくなり、アクションが増えたことは成果といっていい。感謝の気持ちを持っていても、今までは埋もれていたと考えると、素直にもったいないと感じる。
また、営業事務の社員が「SPEED」、入社2年目の社員が「CHALLENGE」など、ポジション上期待したい行動の感謝がメンバーから送られているのを見るのは、管理職として喜びもあった。

そして何より私が導入してよかったと感じているのは、感謝をもらうだけでなく、感謝を送っている人を大切にしたい、という組織の価値観を明確にできたことだ。

「貢献の見える化」という言葉の印象が導くように、サンクスツールは感謝をもらった人が良いと思われがちだ。しかしながら、感謝をもらうには、感謝を送る人の存在なしには成り立たない。そしてサンクスツールを用いて感謝を送る人は「組織を良くする」目的意識を持ち、実際にアクションを起こしている。そんなメンバーを大切にしたい、これが明確になっただけでも、大きな成果だと考えている。

まとめ:正解が見えない世の中だからこそアクションを

サンクスツールの導入は、我々に一定の成果をもたらした。しかし、解決したかった組織課題の全てを解決できたわけでもない。現段階ではサンクスツールが我々の組織に合っているかを決めるのは、時期尚早だろう。

それでも、「組織を良くする目的意識を持ち、アクションを起こしている人を大切にする」という組織価値観が明確にできただけでなく、メンバーの行動や価値観に変化があったことで、導入前より組織の課題の輪郭が少しハッキリと見えるようになったと感じている。
これはとてもありがたいことで、次の課題解決のために必要なアクションを考えるための時間を短縮してくれたし、ヒントとしても十分すぎるものをもらった。

「組織を良くしたい」
この課題はいつの時代もあり続ける。
だからこそ、完璧な一手など存在しない。しかし、何もしなければ、組織が良くなることもない。小さくても一歩を踏み出すことが何より重要だ。
この記事が、皆さまの小さな一歩を踏み出すきっかけとなれば、これ以上の喜びはない。

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