第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社

バリュー浸透に成功する企業としない企業の違いとは? 浸透に必要な5つの要素

仕事柄、年間50名以上の経営幹部や人事教育担当の方と、理念浸透、風土形成、評価制度、社員育成についてお話しする生活が10年以上続いています。その10年という歳月の中で、理念やバリュー(価値観)の浸透に成功する企業とそうでない企業の違いが見えてきました。

今回は、その分かれ道となるものを『バリュー(価値観)の浸透に必要な5つの要素』としてまとめました。

それぞれについてご説明していきます。

1.経営層がバリューについてコミットし、発信している

大変シンプルな事ですが、実践できていない企業は少なくありません。バリュー(価値観)は経営陣や人事のトップが中心になって作ることが多いものの、時間の経過により作成した本人たちの温度感が下がり、「何だっけ?」といった状態になるのが典型例です。

会社が発展するために、働く仲間が幸せになるために、「こういう価値観で仕事をしよう」というのがバリュー(価値観)です。経営層が誰よりも本気で共感し、体現し、皆に伝えようとしない限り、社員の共感度、体現度が上がらないのは、想像に難くないと思います。

そもそも、「社長が本気度100%で伝えると、管理職へ70%で伝わり、一般社員には30%で伝わる」と言われているように、同じ熱量で伝えることさえ難しいのです。経営層が「何だっけ?」状態では浸透するはずがありません。

2.管理職がバリューに基づいてマネジメントをしている

OFF-JT、OJTどちらの場面でも、バリューを部下育成の軸として据えましょう。すると、「Why」と「相手(会社や上司、先輩)の求めていること」が明確かつシンプルに捉えられるようになるのです。
上司が忙しく、対面コミュニケーションが減ってしまう中でも、自分でバリュー(価値観)と照らし合わせた行動がとれるようになり、自走による成長の量を増やすことが可能です。

例えば、上司が日頃から「私たちのチームはこのバリューを大切にしている」と伝え続け、それがチームに浸透していれば、部下は「テレワークで自宅勤務だから他人の目がないので、ゆっくり時間をかけてやってもいいや…」となることがあっても、「違う。この組織は“明日の100点より本日の30点”というバリュー(価値観)があるのだから、スピード感を持ってやらないと!」と、自分で自分を律することができます。

3.社員がバリューと実務の繋がりを理解している

こちらは2つ目と連動します。バリューに基づいたマネジメントにより成長した社員が、自らもバリューによるマネジメントができるようになれば、その繰り返しによって組織全体に同じ考え方が浸透していきます。社員全員が会社の進むべき方向を理解していると、企業は強くなります。そうなるためには、バリューによるマネジメントができる管理職の育成は避けては通れない重要事項です。

なお、トップからいきなり「バリューに即した行動をとるように」と通達するだけでは、教える側も正解が分からず戸惑ってしまうことでしょう。
まずは管理職向けにバリューと実務の繋がりを自分達で考えるワークショップを行う等、OFF-JTを用意するのをおすすめします。

4.社員が“やらされ感”ではなく、バリューに共感している

これは、1~3の成果をより強化していくものです。

社員がバリューに共感し、行動実践に努めることができるようになるには、whyの反復、つまり、
「なぜこのバリューがあるのか?」
「このバリューができないとどんなマイナスがあるのか?」
「このバリューを決めた経営陣にはどんな想いがあるのか?」
といった質問に対する回答を、各人が自分なりの言葉で語れるようになることです。やらされ感を減らし、自発的なやりたい気持ちを増やすには、なぜ?を自分で理解することが最も効果的だからです。

例えば、次のような仕組みを導入すると、日頃から継続して「whyの反復」を実施できるとともに、バリューのさらなる周知徹底にも繋がります。

  • 朝礼の時間にバリューに関する話(〇〇さんが□□というバリューに則した行動をしており、こんないい仕事に繋がっていた等)をシェアする。
  • バリューを体現していた方へ投票する制度を作り、多くの票を得た社員を表彰する。

また、社内イベントも、やらされ感なくバリューを浸透できる良い機会です。
こちらについては以前まとめていますのでぜひ合わせてご覧ください。
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組織のレベルアップとバリュー浸透が一度に叶う「社内イベント」のつくりかた
https://at-jinji.jp/expertcolumn/211
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5.評価項目にバリューが反映されている

繰り返しになりますが、会社が発展するために、働く仲間が幸せになるために、「こういう価値観で仕事をしよう」というのがバリュー(価値観)です。となれば、そのバリューを体現している社員をしっかりと評価するのは、当然のことですね。求められて頑張ったのに、「それは評価項目に入っていないから(笑)」などと言われてしまうようだと、浸透するものもしません。

今回、バリューを評価制度に反映させる方法については詳しく触れませんが、”定量と定性を駆使して評価制度に反映させること”が欠かせないポイントです。


ohamed HassanによるPixabayからの画像)

VUCA時代の人材定着・戦力化に有効なのは「企業バリューの体現者を育成」

今回は、理念やバリュー(価値観)の浸透に成功する企業とそうでない企業の分かれ道について、5つの要素にまとめてご紹介しました。

時代の流れが圧倒的に早くなり、予測不能なこの世の中。何をするか(=企業ビジョンに共感)より、誰とするか(=バリューに共感)を判断軸に働く環境を選ぶ方が増えています。すなわち、人材の定着化と戦力化には、企業バリューを体現する人材の育成が必要な時代です。
本コラムがその一助になれば幸いです。

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