テレワークの組織創りを基礎からお伝え!実践的なナレッジを公開します。【人事編】
皆様、こんにちは。株式会社ニットの小澤美佳(こざわ みか)です。
多くの方が、テレワークが始まって半年ほど経過し、「テレワークの環境整備はできてきたけど、そろそろテレワークでの組織体制をしっかりと整えたいな」という頃ではないでしょうか?そこで、【人事の立場】【現場リーダーの立場】のそれぞれの方向けのオンライン組織創りにおけるナレッジを2回にわたり お伝えしようと思います。是非とも会社らしさを持った強い組織創りの一助を担うことができたら嬉しく思います。では、1本目【人事の方向け】の記事、スタートです!
※こちらの記事は下記のnoteの記事「テレワーク組織作りのナレッジ(人事の方向け)」を@人事の読者様向けに一部編集させていただいております。
https://note.com/micakozawa/n/nf45debb04f39
目次
オンラインでの「文化醸成」は非常に難易度が高い
とある人事の方の声
「人事の仕事として、オンライン面接や入社の手続きは何とか整った。しかし、会社の風土や組織文化に慣れてもらう方法がまだ見えていない。会社HPを見てもらう、資料を見てもらう、Web会議システムで口頭では機械的に伝えられる。でも、これで本当に自社のカルチャーを深く理解してもらえるのだろうか」
人事としては、『会社の【文化醸成】をどう創り続けるか』が、会社運営の大きなテーマの一つですよね。オンラインで文化を形成してくのは、非常に難易度が高いのが現実です。それらを解決していくには、【採用】【体制】【評価】【文化形成策】の4つを整えていくことが大事です。
人事的オンライン組織の創り方①-採用時に会社の方向性への理解・共感を確認-
では、テレワークのマネジメントはどのように行えば良いのでしょうか。
組織創りの肝となるのはもちろん会社にいる「人」です。そのため、一人ひとりが会社に入る前に「会社の方向性への理解・共感をしているか確認すること」が大切です。
採用の見極めポイント ・会社のミッション・ビジョンに共感しているかどうか? |
基本的なことにはなりますが、経験やスキル以上に、会社の目指すべき方向性(ミッション・ビジョン)に共感しているか、ということの方が遥かに重要です。なぜかというと、ミッション・ビジョンは会社の核となる部分で、オフィスよりもオンラインの方がそのミッション・ビジョンを感じられる機会が少なくなるからです。
【文化は口癖から創られる】というリクルートの有名な言葉があるのですが、文化にしたければ、何度も何度も言葉にしなくてはならないのです。しかし、リモートだと話す機会が少ないので難しくなります。また会社が変わっていく中で、事業を変化させたり、やりたい仕事から変化することも発生したりします。だからこそ、採用時に、本当にそのミッション・ビジョンに共感しているか?更には、本人の将来的なWILLと合致しているか?ということをお互いに解像度を上げたうえで、、採用を決めるということがとても大事だと思っています。
ニットでは、採用時に、「ミッション・ビジョンへの共感度の高さ」をとにかく大事にしています。社員を採用する際は、ある意味、メンバーシップ型(非同期)での採用で、「ビジョン:未来を自分で選択できる社会をつくる」に共感してもらえているかどうか?を最重要視しています。
人事的オンライン組織の創り方②-あらゆる人との接点を増やす体制創りー
体制創りのポイントは表題の通り、「あらゆる人との接点を増やすこと」です。
1.人事・他部署面談の設定
これを読んでくださっている方の多くは、「第二営業部5G」のような業務上のチームはあると思います。しかし、自分が所属する部署内だけだと、心理的安全性がなかったり、上司との相性が合わないメンバーは苦しくなって誰にも相談できないという状態になってしまいます。特に新入社員こそ配慮が必要です。そのため、まず人事が、人事面談&他部署面談の1on1設定することが重要です。
ニットの面談の例 ・人事面談:入社後1カ月、3カ月、半年、1年に実施 ※当社の場合は、社長面談を実施していますが、役員や部長面談など、会社の経営という視座で考えられるような方との面談がオススメです。 |
面談をすることで、自分の上司・チームメンバー以外の仕事の様子を聞く機会ができたり、社長から直々に文化やミッション・ビジョンへの想いを聞ける機会ができて、文化を体感することができます。その結果、文化醸成への定着が早くなっていきます。
2.業務内・業務外のコミュニティを創出
ニットでは、23個のオンラインコミュニティを立ち上げています。いわゆる、社内サークルのようなもので、業務に関するもの(例:パワポスキルアップ、業務相談部屋…等)、業務外に関するもの(例:キャンプの会、ペットわんにゃんの会、母の会、国際結婚組…等)を運営しています。
人事的オンライン組織の創り方③-具体的な数値を入れた評価目標にする-
評価創りのポイントは、「定性評価を入れず、具体的な数値を入れた評価目標にする」ことです。
前提として「人は人を、正しく適性に評価することが出来ない」と思っています。
オフラインで働いている時は、「あの人は仕事が出来る」「普通」「いつもサボっていそう」などの評判のようなものがありませんか。それが結果に紐づいていることもありますが、オンラインだと、上司・部下との関係性や上司へのアピールの上手さによって、その評判と結果に乖離が生まれやすくなります。定性評価の場合は上司のコメントが作文のようになってしまって、適正な評価や判断が難しくなります。そのため、ニットでも職種によって多少違いはあるものの「定量的に測れるものでしか評価項目としない」というように変えました。
例えば、売上の●%、目標金額○○円など結果を重視した評価体制にしています。今後より社会で求められるのは「効率的に結果を出せる人」「生産性高く働ける人」なので、この評価の付け方が重要になってくると思います。
このテレワークをきっかけに、「長時間働いてる人が頑張っている人」という文化を変革させ、本質的な評価体制に変えていけるチャンスですよね。
人事的オンライン組織の創り④-文化形成を進めるための6つの方法-
文化形成のポイントは「文化は一日にして為らず」ということです。オンラインで文化を創っていくことは、オフラインの何十倍も本当に難しいのです。では、どのようにしたらよいのか見ていきましょう。
①社長による会社のブランディング
何といっても、会社の顔は社長。社長からの発信の機会を意図的に創っていくことも、人事の役割としては重要ですよね。
例)
・オンラインで定期的(月1回とか、四半期に1回など)に、オンラインで皆に対しての想いを言葉にして伝える。
・全体チャット・メールで、想いを伝える。
特に、発信が苦手な社長には、人事が働きかけて動かす、ということも是非していきたいですね!メンバーは、社長が思っている以上に、社長からのメッセージを待っています。社長の言葉一つで、会社の方向性の確認や仕事へのやる気アップに繋がります。
②オンライン社内イベントを実施する
オフラインだったら、飲み会やキックオフのための会食なと、みんなと対面で文化を再認識する機会がたくさんありました。テレワークだと中々難しいと思いますが、オンラインで色んな社内イベントを企画するのも、人事として重要ですね。
例)ニットのオンライン社内イベントの事例
・オンラインお花見会
・忘年会
・バーチャル世界一周旅行
・社長による絵本読み聞かせ
・リモートワーク職場体験
参考:即実践できる! オンラインイベントの運営ノウハウを公開します!!
③オンラインサークルを創る
前章で記載したような「業務内・業務外のコミュニティを創出する」というサークル創りは効果的です。しかし、「人事が作りました!」だと少し敬遠されてしまい、活発なものになりにくいです。そのため、メンバーが自発的にサークルを作り、自分たちで運営していくというスタイルが理想的です。ニットの23個のコミュニティも、400人のフリーランスのメンバーが、「こんなコミュニティ作りたい!」と手を挙げて、立ち上げています。人事としては、最初は芽になりそうなメンバーにはっぱを掛けつつ、あとはグルグルと波紋のように広がっていけるように、支援をする、ということが重要です!
④社内報で社員に会社の方向性を指し示す
社内報というのは、非常に会社の方向性を指し示す良いツールだと思います。内容は会社によって様々で、表彰者、各部署の取り組み、結婚・出産報告など、会社に関わる人・モノ全てがテーマになります。社内報は会社の文化を醸成することを目的とされることが多く、これを読むことで会社としての方向性や部署としての取り組みや頑張っている社員についてなど、より深く理解することができます。
ニットはフルリモート組織のため、紙面での社内報の代わりに、「喜びの部屋SPECIAL」という全メンバーが入っているオンラインコミュニティのグループがあります。この部屋ではお客様からの嬉しい声やオンラインイベントの通知、会社としての新しいチャレンジの告知などの情報共有をして、メンバー全員で士気を高め合っています。
⑤表彰制度を活かし、会社の方向性を示し、社員の士気を高める
表彰は人事施策の中でも、とても重要です。表彰には、こんな効果があります。
<表彰の効果>
・経営の方向性を伝えることができる
・褒めることによるモチベーションアップ
・事業戦略上の「こうあってほしい行動」を表出することでマネジメントに有効活用できる
・表彰会議では各マネージャーのプレゼン力が磨かれる
(自分のメンバーが表出されるために、メンバーの事をよく見て、ポイントを表出し、選ばれるように工夫する)
このように達成率を必須条件にしながら、表彰内容のポイントを明確にしつつ、選出方法も工夫することが大事です。
<表彰内容の選出ポイント例>
・行動指針を浸透させたい→それを選出ポイントにする
・顧客志向を浸透させたい→お客様満足度を選出ポイントにする
・チームの相互理解を深めたい→自薦・他薦を現場から募る 等
<表彰の表出方法例>
1.表彰状にはマネージャーからのメッセージ(褒めポイント)が記載
2.必ず表彰状は手渡し
3.月間、四半期、半期、通期の表彰
4.MVPは全社員の前で仕事内容の共有 等
⑥ミッション・ビジョンを見直す
ミッション・ビジョンというものは、簡単に変えるものではないと思いますし、大きく変えるのは混乱が起きる可能性もあります。しかし、世の中は常に変化しています。特に、今年は新型コロナウィルスの感染被害という大きな変化が起こりました。そのため、会社としての目指すべきゴールを変えないためにも、ミッション・ビジョンを柔軟に見直すことも時として必要だと思います。
【人事の立場】編は以上です。次回は【現場リーダーの立場】編です!
この記事を読んでいただいた皆様にとって少しでも何かヒントになれば幸いです。
どうぞよろしくお願いします。【おわり】
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