第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社

組織能力向上エンジンとしての人財部門へ

自律型組織=「主体的に考える社員群」+「迅速に動ける仕組み」+「対話・協働を促す文化」

前回の「『開発』と『発達』をどのように織り交ぜ、コンピテンシー※を高めていくのか?」では、

組織能力を高めるため、『個々のコンピテンシー向上』には、現場や本人の意向を重視し、『組織のコンピテンシー向上』には、人財部門・経営陣が、A)体系的知識・技術の習得、B)環境・仕組みづくり、C)コンピテンシー獲得能力の向上に取り組むのが大切ではないか?

という考え方を紹介しました。

A)については既に自社なりに着手されていることが多く、C)については『コンピテンシーの4側面』や「『開発』と『発達』」について触れました。そこで今回は、B)の『環境・仕組みづくり』を中心に考えていきます。

※コンピテンシー(Competency)とは、「特定の仕事において、安定的に高い業績をあげている人財に共通して見られる行動特性」あるいは「成果創出能力」として用いられる言葉・概念です。

目次
  1. 自律型組織を目指すには
  2. ライン部門の『発達』を促すためには

自律型組織を目指すには

前回はわかりやすさを優先し、「個々のコンピテンシー向上」は現場や本人で、「組織のコンピテンシー向上」は人財部門・経営陣という区別をしていました。

しかし実は、人財部門・経営陣が環境・仕組みづくりに取り組むというのは、「『人財部門・経営陣の立場』から『現場や本人の、個々のコンピテンシー向上』を促し、『自律型組織』となるように働きかける」ということ。

すなわち、「主体的に考える社員が多数を占め、迅速に動ける仕組みがあり、対話・協働を促す文化が根付いた組織づくり」なのではないかと考えています。

現場を観察したり、お客様と話したりして、自分なりにいろいろ考えて動こうとしても、自律型以外の組織では、「機械的にルールを適用する」形で過去を引きずる、「地域や文化の特殊性や人間理解を無視」する、「画一的で、柔軟なアプローチの変更を検討しない」などといった言動や態度が常態化し、社員は意欲も情熱も失ってしまいがちとなります。

反対に、「指示や命令がなくても、社員が主体的に考えて動く自律型組織を実現する」には、「現場に『権限』のみならず『能力』を与えること」、すなわち、「エンパワーメント」(Empowerment)が大切となります。

ハード面では、「集中管理から自律分散へ」という形で「現場への権限移譲」を増やす制度・仕組みに移行し、ソフト面では、「企業の理念や哲学、価値観などといった『判断基準を浸透』させて、『意思決定で迷わない』社員を増やす」こと、そして、「自ら適切な課題を設定して、イノベーション(創新普及)を興す社員を育成する」ことが重要となります。

「これまでのやり方との整合性や、標準化された方法」にこだわり過ぎることなく、「現状にどう適応するのが望ましいのか?」「異分野・異業種を巻き込み、アイディアを迅速に実現できる仕組みとはどういったものか?」について考え、「継続するもの・捨てるもの・新たに採用するものを選ぶ」という形で、「自己刷新」を続ける組織でなければ、「さまざまな境界(業界、国境、時間帯など)を超えるビジネス」が増加している市場での、持続的繁栄を望むのは困難なのではないでしょうか。

ライン部門の『発達』を促すためには

各部門・部署では、業績目標を達成するために、「専門化と分業化」を推進し、与えられた課題を効率的に解決しようと努めます。しかし、各部門・部署任せでは、社員は自分の専門・担当領域以外への関心が薄れてしまいがちとなり、「視野が狭くて、新たな視点に基づく課題を設定できない人財」や「確実な成果が事前にわからない、分野・部門横断的な協働を避けたがる人財」ばかりの組織になりやすいことも確かです。

個別事業にとどまらず、組織自体に市場優位性を持たせる役割を担う人財部門・経営陣は、新事業開発や事業内容転換、M&A(企業の合併や買収)などの可能性も視野に入れ、「ライン部門の『発達』」を促すために、「対話や協働を促す文化を根付かせる」という形で「環境・仕組みづくりの『開発』」に取り組むことが求められるのではないでしょうか?

あなたの所属する組織の人財部門は、「ライン部門と協働して、現場に『適切な課題』と『さまざまな支援』を提供しつつ、自らの力で成長する人財で溢れた『自律型組織』を築こう!」と尽力されているでしょうか?

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