語学コーチングスクールPRESENCEが解説

求職者が知っておくべきビジネスレベルの英語とは?

ある外資系転職サイトを覗いてみました。そして聞いたことのある企業をクリックします。すると応募必要条件に、こんな表記がありました。
【英語】ビジネスレベル
このビジネスレベルとは何でしょうか? 日常会話とどう違うのでしょうか? 多くの人が疑問に感じる求職中に求められる「英語のビジネスレベル」について解説します。【執筆:プレゼンス・吉田幸広】

日常会話とビジネス会話。あなたの英語力は?

先日とある外資系転職サイトを覗く機会がありました。転職サイトに登録する際、自分の英語レベルをプルダウンメニューから選ぶ項目があります。「基礎会話、日常会話、ビジネスレベル、ネイティブ」などの選択肢が出てきます。きっと多くの方がこんな疑問をもったことがあるのではないでしょうか?
ビジネスレベルとは何だろう?私はどれに該当するのだろう?

TOEICやTOEFLなどの定量的な試験であれば、その点数の高低からなんとなく英語力があるかどうかは判断がつきそうです。ただ、ビジネスの現場でどのくらいの点数が求められ、どの程度の英語力ならば通用するのかはなかなか分からないもの。多くの方が迷うのは、具体的にどのような仕事では、どのくらいのビジネスレベルの英語力が必要なのかだと思います。

この悩みは奥深く、当スクールの受講生さんでもこんな悩みを打ち明ける方が時々いらっしゃいます。「ビジネスで英語を使う分にはなんとかなるのですが、日常会話になると……」。一体どちらのレベルが高いのかわからなくなるようなセリフですよね。今回は、、ニューヨークでMBAを学び、1年間英語のみの環境で仕事をしていた経験から見た「ビジネスレベルの英語」について考えてみたいと思います。

「ビジネスレベル」は広義に渡る

ビジネスという言葉を聞くとどのような場面を思い浮かべますか?私は、セールスの場面における交渉やプレゼンはもちろん、事務的な仕事や接客、そしてマネジメントまで幅広い場面を想像します。

ある転職サイトの求人票で、実際に「英語で【ビジネスレベル】が必要」と書かれている「事務」「セールス」「マネジメント」の3つの業務を例にして、それぞれのケースで求められる「ビジネスレベル」について考察してみました。学習の進め方のTIPSもあわせて紹介します。

求人票で実際に「英語:ビジネスレベル」と表記されている3つのケース

CASE1 事務業務

プレゼンス第2回コラム(@人事プライムコラム)【募集】インバウンド事業の海外クライアントサポート業務
【業務内容】世界各国のメールでの問い合わせ対応、各機関の情報管理・データ分析、各種書類作成、その他事務・部内総務
【英語】ビジネスレベル

業務内容を見る限り、TOEICの学習のみで十分に足りるレベルと想定されます。ビジネス単語の学習を増やすこと、文法の体系的な整理(文法書を一冊網羅)を進めていくと良いでしょう。目安としてTOEIC750点程度をまずは目標とし、単語力、文法の処理能力を高めていけば、あとは実際に使いながら英語での業務を覚えていけると考えられます。

CASE2 セールス業務

プレゼンス第2回コラム(@人事プライムコラム)【募集】外資系計測機器メーカーのセールス
【業務内容】受発注活動(図面確認、見積書作成、受注対応)顧客対応(価格対応、納期調整、品質問題対応、契約条件交渉)商業的・技術的改善提案
【英語】ビジネスレベル

臨機応変な英語運用能力が求められることも想定されます。スピーキングやライティングの「アウトプット能力」も重要になってくるので、目安としてTOEIC860点以上を目指し、加えて、語彙や文法をいかにアクティブに運用できるか、シチュエーション別に対応するトレーニングも同時に積んでいくとより効果的に求められる英語力に近づいていきます。

CASE3 マネジメント

プレゼンス第2回コラム(@人事プライムコラム)【募集】ITコンサル企業のマネージャー
【業務内容】業績責任、戦略策定、四半期予想や目標設計、チーム育成、チーム活性化
【英語】ビジネスレベル

点数目安というよりは、「英語を使って仕事をした実績」「マネジメント経験」の2つが求められます。少なくともTOEIC800点以上、暗記した英文を使うのではなく「なぜそう思うか?」を自分の英語で語れること、またチームをモチベートしたり巻き込んでいくための力強い英語を発信したりする力があることも仕事を進めていく上で重要だと考えられます。

英語のみの環境で恩恵を受けるには、基礎力が不可欠

グローバル化の時代であり、事業にはスピードが求められます。企業規模に関係なく、急きょ上司が外国人になった、グローバルプロジェクトにアサインされた、など否応無しに英語で仕事をする環境に様変わりする場面も出てくるかと思います。

しかし、こうした環境は、英会話レッスンや試験学習、企業研修では絶対に手に入らない「英語の実務経験」という貴重な機会が手に入ります。「これを乗り越えた先の自分を誇りにするんだ」という思いで、さらなるステップアップにつなげてください。

この話をすると「ではいきなり英語のみの環境に身を置いた方が早いのでは?」という声も聞こえてきそうです。しかしながら、私の留学経験及び多くの受講生の英語力の成長を近くで見てきた経験を踏まえると、英語のみの環境で恩恵を受けるには、単語や文法などの基礎力が不可欠です。

今後英語で仕事をしてきたいと考えている方は、まずはTOEICをフックに基礎力徹底(少なくとも800点以上)の準備を進めていくのはいかがでしょうか。準備が整っていれば、英語環境に身を置いた際の恩恵も大きくなります。すでに基礎力がある方は、臆せずどんどん使う機会を増やし、チャンスがあれば飛び込んでいきましょう。今は自信がなくても、英語を使った「実績」が自信に変わっていきます。

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