第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社

元ライブドア幹部が語る

採用課題の解決は「育成」にあり! 1on1が離職率を下げるワケとは?

新卒採用を担当されている人事の方は、就活ルールが廃止になる21年卒を視野に入れて「例年より選考活動を早めよう」「少しでも良い人材を確保するために、多めの内定を出そう」と考えていらっしゃるかも知れません。確かに採用は大事な仕事ですが、内定辞退や入社後3年以内の離職について、対策は考えていらっしゃるでしょうか?【執筆:CCO・石山喜章】

なぜ、離職率が下がらないのか?

いい人を沢山採用できたとしても、1年で半数が辞めてしまったら、あなたの上司は評価してくれるでしょうか?
IT業界の平均離職率は20-30%と言われています。売り手市場の今、年収500万円の人材が1,000万円で引き抜かれていく時代です。終身雇用の時代と違って、今は誰もが転職を前提に就職活動をしているので、御社のことも「キャリアパス」としか考えていません。ちょっとでも良い条件があれば別の会社に移りますし、ちょっと嫌なことがあっただけで辞める若者もいます。

元々「組織」という単語は生物学から来ている概念なので、子供の新陳代謝が高いように、成長中のベンチャーの新陳代謝(入社と退社の人数)が多くなるのは自然な現象です。しかし、もうスタートアップでもないのに離職率が高い職場は「脱水症状」に近い危ない状態と見ることができます。

先日ご相談をいただいたA社は、有名な大企業の子会社で従業員数は200人ほど、離職率は業界平均の20%弱でした。新卒と中途を合わせて毎年約30人を採用し、30人ほどが辞めていきます。「この会社に2年いると長い方」になるのだとか。私が居たライブドアの急成長期にも同じ景色がありましたが、戦力となる中堅やマネジャークラスに辞められるのは痛手です。

ご依頼を受けて従業員50名ほどにヒアリングをさせていただいた結果、離職原因は『離職ループ』とも呼ぶべき負の連鎖でした。Aさんが退職すると、次の人が採用できるまで、Aさんの仕事もBさんがこなさなければなりません。そうやって業務負荷が2倍に増えたBさんは3カ月間ほど頑張ったのですが、体力の限界がきて倒れ、しばらく休むことになりました。その2週間後、Bさんから辞職願が届きます。

「人が辞める」→「すぐに採用できない」→「辞めた人の仕事もくる」→「負担2倍が3ヶ月間続き、体力の限界で倒れる」→「人が辞める」という悪循環が続くと、人事も焦って採用するので「新しく入った中途社員が使い物にならない」ケースが出てきます。また、現場の社員も「どうせ辞めるから」と、まともに仕事を教えなくなります。そして、この「入社後に仕事を教えない」という扱いが離職率を上げる遠因にもなっています。

離職率を下げるためには採用・育成を「狩猟型」から「農耕型」へ

図:CCOコラムの「狩猟型と農耕型の採用・育成モデル」@人事プライムコラムこういう循環に陥っている会社は「狩猟型」【図A】と言うことができるでしょう。いい人材を採ってくることに意識が集中し、育成することにはあまり考えていません。

狩猟型の組織は短期的な業績拡大には向いていますが、営業部門が疲弊するので人材が定着しません。人材の入れ替わりが激しい場所では、職場の人間関係が深まりづらく、会社に対する忠誠心やエンゲージメントも弱くなります。

一方、従業員を大切に扱っている「農耕型」【図B】の組織は「人を育てる」→「定着率がUP」→「業績が向上」→「従業員に還元」という循環で経営が回ります。新人研修に1週間を掛け、メンター制度を設けて入社後に「なんでも相談できる人」を配置するなど、最初にコストと時間は掛かるけれど、後から実りを収穫できています。

農耕型の組織は中長期的に安定し、利益が拡大していきます。従業員を大切にしている伊那食品工業などが良い例で、48期増収増益を実現しています。サイボウズは2005年に28%もあった離職率が、2015年には4%にまで低下。人事制度を大きく変えて働きやすくしたことで、「社内の雰囲気が明るくなった」と代表の青野慶久氏は言います。

新卒・中途社員の離職率を下げるための方法

「最近の若者はすぐに辞める」という声は、どこの会社でも聞かれますが、新入社員の約3割が3年以内に辞めるのは、実は30年前から変わっていません。厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」を見ると1989年頃の「新卒3年目までの離職率」は25%~35%の間で推移しています。

その新卒や中途採用の離職率を下げるには、1)魅力的な文化や風土を創る、2)入社後の育成を体系化する、3)部下と向き合う時間をもつことが大切です。一番時間と手間が掛かるものの、本質的な解決策は1)で、ティール組織を志向しているベンチャー企業に多く見られます。

例えば、森林の生態系のようなホラクラシー経営を目指すダイヤモンドメディアは、財務・給与や意思決定プロセスをはじめとする企業情報のすべてを社内に公開しています。誰かが無理をしたり、どこかに過剰な負荷をかけたりするのではなく、メンバーひとり一人が自然な形で組織にコミットし、個人のバリューを最大限発揮することによって組織を発展させていくことを文化としています。

「バリフラット」で有名なISAOでは、役職・部署も撤廃し、全てがプロジェクトとして、同列に並んだ組織運営を行っています。ネットプロテクションズは「Natura」という名称の人事制度を構築し、評価の目的を「報酬の適正分配」から「相互の成長支援」に変えています。社員間の競争意識を排除し、心理的安全性を醸成することで、これまで以上に成長と価値発揮に力を傾けることができる環境を構築しています。

これらの会社のホームページには「組織風土」や「制度・文化」といったコーナーがあり、自社のカルチャーを積極的に発信しているのが特徴です。自社の価値観に会う人材を募集することで、エンゲージメントは上がり、離職率は下がります。

ただし、企業文化や制度を創るには時間もかかるので、すぐにできる対策は、2)3)でしょう。

2)入社後の育成を体系化する、はマニュアルを整備したり、eラーニングを導入したりすることで、先輩社員が「毎回、同じことを教えなければならない」苦痛から解放されます。基本的なことはマニュアルか動画を見て学習してもらい、不明な点だけ社員に確認してもらうようにすれば、組織全体の新人教育に掛かる工数と負荷は減ることでしょう。

次いで3)の「部下と向き合う時間をもつ」ために最近では、米国シリコンバレーで実施されてきた人材育成の手法「1on1(ワンオンワン)」を取り入れる企業が増えています。

「1on1」を1~2週間に1回、30~90分の時間を設けて行うのが一般的と言われますが、実際に時間を取るのが難しいという管理職も少なくありません。部下5名と毎週60分の面談をしていたら、毎月20時間も必要になります。専任の管理職ならともかく、プレイングマネジャーの方々からは「自分の仕事をする時間がない」という声をよく伺います。

成長するための時間をアウトソーシングで生み出す

「本来なら上司が1on1すべきなのはわかっているが、今はそんな時間の余裕もなければ、コーチング能力も追いついていない」という企業には、手前味噌ですが弊社の1on1代行サービスがあります。

2)で述べた「マニュアルを整備する」という分野では、CMでお馴染みのグレイステクノロジーやマニュアル作成・共有プラットフォームの『Teachme Biz』など、外部に委託できる会社がいくつかあります。しかし、1on1の分野では、それを『プロのコーチに代行してもらう』という概念がありません。

急に人を増やせないけれど、上司も部下育成をしている時間的な余裕がない。しかし「部下と向き合う時間」を持たないと離職率を下げられない――そう感じていらっしゃる企業がプロに1on1を依頼することで、「部下の本音、現場の実情」を把握し、必要な施策を打てるようになっています。

野球部のマネジャーが試合に参加しないように、我々もプレイングマネジャーの「プレイング」代行はできませんが、「マネジメント」の側面は支援できます。いま直面する危機を回避するため、農耕型の組織に移行する時間をつくるためにも、そういったサービスの活用も考えてみてはいかがでしょうか?

株式会社CCO
https://www.c-c-o.jp/

【企画・制作:@人事編集部広告制作部】

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