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今さら聞けない「1on1ミーティング」

知っておきたい1on1ミーティング導入と運用のコツ、3つの落とし穴

安易な導入は効果なし。組織全体のパフォーマンスを向上させる成功メソッドとは?

写真:1on1ミーティングのイメージ「仕事のやりがいを感じられない」「成長の実感を得られない」「評価に納得できない」…このような従業員の課題を解決するために、マネジメントはどうあるべきなのでしょうか。

1on1ミーティング(以下、1on1)とは、メンター(多くの場合マネジャー)とメンバーが、1対1で対話をする場のことです。マネジメントの課題を解決する効果的な手法として、昨今、多くの企業が導入に踏み切っています。しかし、ただ1on1を制度化するだけでマネジメントが改善するわけではありません。今回は、1on1導入と運用のコツ、そして陥りがちな3つの落とし穴について解説します。【執筆:RELATIONS・加留部有哉】

「1on1」とは何か?

1on1はあなたの組織にとって「特効薬」となりうるのでしょうか。

昨今の働き方改革、労働人口の減少、人材の流動性の高まりといった波の中で、多くの企業が「これからの経営は何を大切にすべきか」という漠然とした不安の中にいるように思います。この問いに対して「経営にとっては人がもっとも大切だ」と言い切れるのであれば、1on1は絶対に持っておくべきツールです。

1on1は、ただ「マネジャーと部下が1対1で話すだけの場」ではありません。正しく運用すれば、組織と従業員の絆を育み、個人と会社の成長を後押しする価値を生み出してくれます。

しかし、1on1を導入したものの、運用を断念してしまった…といった声もよく聞きます。特に経営層の「鶴の一声」でなんとなくスタートした1on1はすぐに形骸化し、課題解決に役立つどころか、現場に混乱をもたらします。

1on1は、あくまでも手段。導入する前には「なぜ1on1を導入するのか」「どう運用していくのか」といったことを、組織の原点に立ち戻って考えることを強くお勧めします。そうすれば1on1は、必ずや会社の成長や従業員の幸せに貢献できるはずです。

図:RELATIONS加留部有哉氏の1on1ミーティング解説1。メンバーとマネジャーの不満

エンゲージメントとパフォーマンスの高い自律的な組織へ

今や企業の競争力の源である優秀な人材は、自分自身が組織へのエンゲージメントを感じられ、パフォーマンスを発揮できる「従業員体験の優れた会社」に集まりつつあります。

最近では、リモートワークを導入したり、マネジャーを廃止したり、多くの上場企業・成長企業が組織変革に取り組もうとしていますよね。こういった施策も、従業員体験を高めることを考えた結果に他なりません。

従業員が気持ちよく働けるような制度とマネジメントが整っている会社とそうではない会社では、今後ますます競争力に差がついていきます。

「仕事のやりがいを感じられない」「戦略や目標に納得感がない」「成長の実感を得られない」「ビックリ評価が起こる」「適切なサポートを受けられない」…。現場で起きている、こうした負の現象を放置せずに、経営課題として捉えることが必要です。

エンゲージメントの高い組織では、前述のような課題とは真逆の事象が起こっています。従業員一人ひとりが適切なサポートを受けながら、自らやりがいを引き出し、自分の目標に情熱を傾けています。全員が自発的なチャレンジを繰り返し、会社にとって重要な存在になります。それはまた、結果的に本人のキャリアへ大きく寄与することになるのです。

つまり、エンゲージメントが上がると、パフォーマンスが上がります。そしてパフォーマンスが上がると、またエンゲージメントが上がる。それによって、さらにパフォーマンスが高まる......。一人でも多くの従業員がこのようなサイクルにハマることができれば、組織全体としてのパフォーマンスも上がっていきます。

図:RELATIONS加留部有哉氏の1on1ミーティング解説2。1on1を中心した目標設定と管理、フィードバックまでのフロー

1on1をピープルマネジメントの中心に据える効果

このサイクルが回ることは、すなわち、企業のピープルマネジメントが正しく機能していることだと言えます。その実現のため、中心的な施策となるのが1on1です。

1on1は主にメンバーとマネジャーが1対1で話すことで、メンバーの内省やパフォーマンスの向上をサポートするものです。主役は、あくまでもメンバー。マネジャーは、メンバーの目標達成や成長、会社への理解度の向上といった「メンバーの成功」をサポートする黒子のような存在です。

多くの企業で、上司と部下のコミュニケーションは「目標達成を目的とするもの」に偏りがちです。しかしより重要なのは、メンバーのエンゲージメントを高め、パフォーマンスを高めるための本質的な深い対話です。

そのため、マネジャーはコーチングを中心に、メンバーと向き合って対話を行います。時には、会社の事業戦略や、ミッション・ビジョン・バリューなどを正しく明確に伝える責任も求められます。

一方でメンバー側は、日頃の業務を内省し、自分自身やチームのパフォーマンスをどう高めていけるかを考えます。その結果として、事業戦略をより理解する必要があると感じればマネジャーにそれを伝えるべきですし、目標達成に悩んでいるのであれば、壁打ち相手になってもらっても良いでしょう。

このように1on1を運用すると、社内コミュニケーションの量と質、そしてマネジャーとメンバーの関係性が劇的に向上します。その結果、エンゲージメントの向上につながっていくのです。

1on1を導入する際の「落とし穴」

私は、Webメディア「SELECK」における取材や、1on1の導入コンサルティングを通して、さまざまな企業の1on1を見てきました。一見、簡単そうに見える1on1ですが、組織全体に定着させ、効果を出すまでには大きな「落とし穴」が3つあります。

1つ目は、1on1の目的が不明確で、現場にはっきりと伝わっていないケースです。この場合、結果的に効果がわからずやめてしまったり、形だけ時間を使うようになったり、ただマネジャーが話すだけの場になってしまうなど、取り組みが形骸化してしまいます。

なぜ自分たちは1on1をやるのか。その目的を明確に定め、マネジャーやメンバーに繰り返し伝えて理解を促しましょう。

次に、1on1を行うための仕組みやルールといったサポートがないケースです。最低でも、事前に次のようなことを定め、1on1を実施しやすい環境を整えることが重要です。

●実施の頻度、時間(隔週で30分、など)
●誰と行うのか(マネジャーと、など)
●どんな会話をするべきなのか
●事前準備は何をするべきか
●コーチング能力を上げるためにはどうすればいいのか

「1on1を義務化したの、やってください」と伝えるだけでは、当然誰も良い1on1をすることはできません。特に大切なのは、1on1の事前準備を推奨することです。メンバーが事前に良かったことや悪かったことを振り返り、話したいテーマを伝えておくことで、マネジャーも準備をすることができ、質の高い1on1を行うことができます。

最後に、経営陣のコミットがないケースです。「君たち、1on1やっておいてね」というスタンスでは浸透しません。トップを含めて、経営陣も1on1を行うことで(経営陣同士でペアを組んでも良いでしょう)、組織全体への浸透スピードが高まります。

1on1は「全体最適」で考えることが重要

1on1は、「従業員体験の優れた会社」社」への第一歩として、最適な施策だと言えるでしょう。しかし、人事制度は従業員が会社でパフォーマンスを上げるための機能の集合体であり、1on1はそのひとつにすぎません。

組織がどのような状態を目指し、従業員にはどうなってほしいのか。それを常に考え、全体設計をしていくことが求められます。

1on1を始めたら、特に目標設定とフィードバック、そして評価制度に目を向けると良いでしょう。納得感の高い目標設定のプロセスや評価基準が作られているか――。改善を繰り返すことで、会社としてのパフォーマンスをさらに高めていくことができます。

組織のパフォーマンスを高めるマネジメントツール「Wistant (ウィスタント)」

写真:組織のパフォーマンスを高めるマネジメントツール「Wistant (ウィスタント)」

1on1や目標管理、フィードバックなど、これまで属人的だったマネジメントを仕組み化し、組織全体のパフォーマンスを高めるマネジメンツール。従業員のエンゲージメントが向上し、パフォーマンスが改善する、という良いサイクルを回すことが可能になり、より強い組織をつくることができる。

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