「最優秀エージェント」受賞企業が伝える採用の秘策【第1回】

「デキる人事」はマーケ視点を備えている

少子高齢化による労働人口の減少に伴い、20代、30代の若手世代の採用は厳しさを増すばかり。次世代人材の確保は事業の存続を左右する大きな課題となっています。これからも続く大採用難時代、企業の規模やネームバリューに依存せず、必要な人材を確保するにはどうすればいいのでしょうか?

転職市場の最前線を見続けてきているからこそわかる採用ノウハウや、常に採用目標を達成している採用担当者の手法を4回に分けて解説します。第1回では、近年の採用トレンドを振り返りながら、若手の確保がうまくいかない採用担当者が今すぐ着手すべきことは何かを考えます。【執筆:MAP・飯田健太郎】

採用トレンドは、めまぐるしく変化する

新卒でいったん就職するものの、1~3年ほど勤務した後に転職を試みる若者のことを「第二新卒」と呼びます。私が人材紹介事業を開始したのは、この第二新卒という呼称が定着し始めた2007年のこと。その翌年に起こったリーマンショックの影響を受け、転職市場は一時冷え込みましたが、景気回復に伴い、中途採用が徐々に再開されました。

しかし、当時は未経験人材を積極採用する動きはまだなく、中途採用を検討している企業から弊社へのリクエストの多くが「30~40代の即戦力人材」を求める声でした。

厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況」によれば、2018年の有効求人倍率は1.61倍と1973年以来実に45年ぶりの高水準となり、完全なる「売り手市場」に転じています。2019年現在、人材不足、中でも若手人材の採用難はいよいよ深刻化しており、これまでと同条件で「大卒・業界経験3年以上・30代以上の即戦力」といった理想的な人材を確保するのは難しいのが現実です。

この状況から、近年では採用規準を緩和し、非大卒や業界未経験者に間口を広げた、いわゆる「ポテンシャル採用」に踏み切る企業が増加しています。デジタルネイティブ世代でパソコン、ITスキルのある若手人材の争奪戦は業界問わず熾烈を極めており、経験豊かでマネジメント経験のあるミドル人材よりも、採用のハードルは高くなっています。 

基準を緩和してでも、若手を採用すべき理由

2018年に発表されたパーソル総合研究所と中央大学の共同研究「労働市場の未来推計2030」では、2030年頃にはサービス、医療・福祉分野を筆頭に644万人の人手不足となり、その影響は企業が集中する都心部で顕著になると指摘されています。


図:2030年の労働需要に対する労働供給の予測(パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」より)

労働人口の減少は避けられず、女性やシニア、外国人労働者の活用と並行して、再び注目を集めている第二新卒やフリーター層に特化した転職サイトやエージェントも登場するなど、企業採用者の視線は高卒キャリア人材にまで広がりをみせています。

このような状況の中、中小企業は条件を緩和してまで若手を採用せずとも、現体制を維持すれば経営には影響がないケースがほとんどでしょう。しかしその選択は、次世代人材の採用育成を先送りしているに過ぎず、根本的な解決にはなりません。近い将来、早急に欠員補充せざるを得ないタイミングがきてからようやく対策に乗り出したのでは完全に手遅れです。

前述した通り、採用を取り巻く環境はめまぐるしく変化します。自社の人事・採用に動きがない、例えば、募集要項や採用手法が3年以上アップデートされていないような企業は、速やかに「採用改革」に取り組むべきでしょう

人事・採用担当者の役割も変化した

ここ数年「採用広報」という概念が急速に浸透しており、採用活動も企業ブランディングのひとつとして考える時代になりました。この流れに伴い、企業内での人事の立ち位置も変化しており、若く、見た目が爽やかで、営業力・広報力のある若手社員を採用担当に据える会社が増えています。

また、採用手法自体も多様化してきています。従来型の求人広告の他、採用・スカウトに特化したSNS、これまでの総合デパート型ではない、ITや医療、アパレルなど特定の業界に特化したブティック型人材紹介会社、企業担当者が直接人材データベースにアクセスできるダイレクトリクルーティングプラットフォームなど、新たなサービスが続々と誕生しています。

しかし、便利なツールや情報が増える一方で、それらをうまく使いこなせない、工数がかかるばかりで実際の採用に繋げられていないというジレンマを抱える企業も多いのではないでしょうか。採用業務に限ったことではありませんが、自社の課題にマッチする手法にいち早くリーチできる情報リテラシーは、人事・採用担当者にとっても必須のスキルといえるでしょう。

採用難でも若手が集まる企業の特徴

完全なる売り手市場となった今、有名企業や人気業種、また、業界トップ企業に応募が集中する構図は今後さらに加速すると考えられます。そんな中、ネームバリューがなく、若い世代が注目するようなキャッチーな事業内容でなくても、順調に人材を確保できている企業も確かに存在しているのです。その特徴は主に以下の5つです。

・商材に強みがある
・社内制度や環境に強みがある
・自社の立ち位置を理解している
・未経験の若手を採用している
・採用後に育てる仕組みが整っている
 

採用のために取り扱い商材や事業内容、ロケーションを変えるのは現実的ではなく、女性活用を見越した社内制度の整備なども、今日明日すぐに実行できることではありません。しかし、業界内での立ち位置の明確化と把握、採用基準の緩和、採用後の教育体制の改善に向けた第一歩ならば、今すぐ踏み出せるのではないでしょうか。

今求められるのは「マーケ型人事」

結論として、今後の人事に必要なのはマーケティング視点です。社内で情報を収集し、自社の魅力は何かを明確し言語化する。自社の立ち位置、強みを徹底的に洗い出し、獲得したい人材に正しい手法でアピールすることが重要になります。
 
マーケティング視点を持ち、ブランディングを意識するとは「活用実績はなくても見栄えする制度を打ち出すなどして、対外的に取り繕う」ことではありません。注力すべきは「応募者個々にアジャストした採用フローの構築と実施」なのです。

マーケ視点を持ち、なおかつ社内他部署を巻き込んだブランディングにまで着手する「デキる人事」がいる会社は、能動的に必要な人材を採りに行き、採用に成功しています。企業規模やネームバリューを問わず、応募者側の生の声や本音を人事がどこまで把握できるかが、今後の若手採用成功を左右する大きなポイントになるのです。

では、具体的にどのような手順で「採用改革」に取り組めばよいのでしょうか?
次回は採用担当者に必要なマーケティング視点の詳細と、若手採用のカギを握るポテンシャル採用について、未来予測を交えながら解説します。

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