VRが、企業研修のあり方を変えていく
VRと聞いて最初にイメージが湧くのは何でしょうか?おそらく、多くの方がゲームや動画などエンタメ向けのコンテンツを想像するかと思います。
そんなイメージに反して、近年VRは研修や教育分野において大きな注目を集めています。
2018年9月には、アメリカ最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートが、繁忙期のブラックフライデーに備えて17,000台ものVRデバイスを導入して研修を行うことを決めたというニュースが大きく取り上げられました。
本コラムでは、「そもそもVRとは何か」から解説し、今後VR研修がどのような効果を発揮していくのかを考察していきます。
そもそもVRとは
VRの本来の意味は、簡単に言うと
『みかけや名前など表層的にはちょっと違うけど、それぞれの目的に合わせて効果や機能などの本質的な部分が合致するように作られた現実』
といったものです。VRは「仮想現実」と訳されることもありますが、本来の意味から連想される印象とは少し違うかもしれません。
もう少し詳しく、VRに必要な3大条件をまとめてみていきましょう。
条件1:人間にとって自然な3次元空間
作られたCGの3次元モデルでも、360度写真のような空間全体の写真でも、一般的に「空間」と呼ばれるものが必要です。
条件2:リアルタイムの相互作用
作られた環境と自分との間のリアルタイムな相互作用というのは、敵を撃ち落としたりする一般的なテレビゲームをイメージしたら分かりやすいと思います。ただ、テレビの場合は条件1を満たさないのでVRとは言えません。
条件3:目の前に広がる作られた環境と「繋がっている」と感じる状態
作られた環境と自分がスムーズに「繋がっている」と感じるには、例えば、目の前に作られた環境だけが見えるようヘッドマウントディスプレイを装着することが必要です。自分の意思で顔を振って視点を動かしたら、その方向の景色が見える仕組みになっているので、目の前の作られた環境と「繋がっている」と自然に感じることができます!
そして、これらが組み合わさることで、自分があたかも違う場所で「実体験」をしているように感じる「没入感」が生まれます。これはVRの質を評価する上で重要な要素になります。
VRを使った研修とは?
これまでの研修では、紙のマニュアルを読んだり、動画を視聴したりといった受動的な形式が主でした。しかしVRの登場により、リアルな「体験」を手軽に能動的に行えるようになりました。
一言にVR研修といっても、以下のように2つのカテゴリーに分類して理解すると分かりやすいかと思います。
1.接客トレーニング
先述のウォルマートでは接客トレーニングをVRで行っています。VR研修では再現の難しい状況も没入感を持って体験できるので、セール時の大量の顧客への対処法などをVRで研修させているようです。
既に従業員の研修用に45以上のプログラムが制作されており、デリミートのスライスや人参などの商品在庫の補充など、店舗運営に関わる業務を網羅しています。
ウォルマートのように大規模の導入とまでいかなくても、多くの事業者が参考にできるような事例です。
2.医療現場での手術シュミレーション
他方で、ハイエンドな事例で、高度な技術が必要とされる医療現場でもVRが活用され始めています。
医療現場は患者の命を預かる仕事ですので、絶対に失敗できません。しかしこれまでは、手術本番でしか練習できないという問題がありました。
そこで高品質なVRコンテンツを使って事前練習することで、医師の技術レベルアップや患者のリスク軽減など、これまででは考えられなかった効果が期待されています。
VRにより触覚なども模擬するなどして、限られた分野でのハイエンド利用が広がることが予想されるカテゴリーです。
VR研修の効果
これまでのものとは全く違うVR研修。さまざまな効果が期待されています。
1.人件費・教材費の節約になる
外部講師に依頼するにしても、自社OJTで実施するにしても、研修のための人件費は決して安くなく、特に大企業では数百〜数千万円単位でかかります。また、実地での見学や訓練を伴う場合は、受講者側の移動費や材料費などの費用も発生します。
しかし、VRでの研修は一度撮影さえしてしまえば、基本的に機材以外のコストはかかりません。また移動や訓練も実際に行う必要がなく、すべて仮想空間上で完結するので、教材費面でのコストも大幅に削減できます。
2.言語にとらわれない高い学習効果
コストが削減できるだけでなく、受講者の満足度向上、そして学習効果アップも見込めます。能動的に、かつリアルな体験を提供できるVRだからこそのポイントです。
また、言語以外の情報伝達の割合が多いので、外国人労働者向けにも効果的です。さまざまな業界で外国人労働者が増えている今。日本ならではのマナーやとっさの判断基準などをどのように教えるのか苦戦している企業も出ていると思います。
文章にして翻訳するのか、動画を見てもらうのかなど選択肢はいくつかありますが、VR研修を使えば、言語への依存度が低いサービスの研修などは、すべて仮想空間で体験することができます。「ケンタッキーフライドチキン」で有名なKFCコーポレーションでは、ゲーム感覚で体験できるVR研修を導入しています。
3.危険な状況でもリアルに体験できる
企業によっては、危険な作業や事故のリスクを想定した研修が必要となる場合があります。しかし、当然ながら危険な状況を研修として実際に体験することはできません。
そこでVR研修を導入すれば、仮想空間上で実際に事故現場を想定した研修・訓練などが可能になります。仮想空間ではありますが、見た目は実際の現場と変わらないので、強いリアリティーを感じながら研修に参加することができるのです。
4.離職率の低下
現場慣れをあらかじめできる、という観点で利用することができるので、長期的に見れば離職率の低下にも貢献できると考えられています。現場に出ると緊張してしまったり、クレーム対応のような初めての人がショックを受けてしまったりするような場面を、あらかじめVRで経験するなどの使い方が効果的と考えられます。
VRの導入によって、企業研修の可能性が広がる
VRの登場により、企業研修はこれまで出来なかったさまざまなコンテンツを用意できるようになりました。
人材育成は各社で最重要課題として認識されている今。
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