よろこびあう職場つくりの秘訣
【第1回】なぜ今、風土改革なのか?~職場開発の3要素~
今、どこの会社でも職場の風土改革が求められています。なぜ今、風土改革が求められているのでしょうか?
それは、時代の変化・多様性社会の到来により、企業よりも「個」が強くなってきている中で、従来のように「会社としての一体感やエンゲージメントを保つこと」が難しくなってきているからです。
私は経営理念研究所のコンサルタントとして、夢を叶える職場、よろこびあう職場づくりを目指し、日々精進しております。
今回から3回にわたって、「なぜ今、風土改革が求められているのか?」という背景から、風土の捉え方、風土改革の手法についてお話してゆきます。日々、職場を見守り、人を育てている人事のみなさまにとって、価値ある情報をお届けしてゆきたいと思っております。
第1回目となる今回は、「風土改革」を行うべき理由と、職場開発に必要な3要素について解説します。
社内のネガティブな雰囲気は「戦略」をつぶす
ところで、かの有名なピーター・ドラッカ―の以下の言葉をご存知ですか?
Culture eats strategy for breakfast
―文化は戦略を朝ごはんのように食べてしまうー
これはどんなことを表しているのでしょう?
会社の天才がものすごい戦略をひらめいたとします。「この戦略を実施すれば、売上が5倍になるに間違いない!」
しかし、もし、その会社の雰囲気がネガティブで、「どうせやったって、うまくいかないよ」という意識が蔓延していたらどうでしょう? 結果が出るはずの戦略も功を奏さなくなってしまいます。
人材教育は、どこの会社も専門的スキル中心になりがちです。会社として、商品やサービスの質に直接影響するスキルを高めることに時間とお金をかけるのは当然だと思います。
しかし、その専門スキルも、気持ちよく発揮できる場がなければ、死んでしまうのです。
職場開発の3要素 「能力」「仕組み」「風土」
ここで、職場開発の3要素をお伝えしましょう。
それは「能力」「仕組み」「風土」の関係から職場が生まれる、ということです。
以下に簡単に説明を入れます。
1能力
- テクニカルスキル
- 職務遂行上必要とされる知識、技術、技能
- ヒューマンスキル
- 仕事を進める上でのコミュニケーションや人を動かす能力
- 問題を発見して、解決していく能力
2仕組み
- 目標や計画の立て方
- 指示、命令、報告関係
- 仕事の分担関係
- 機能分担
- 統制の仕方、データ
- 援助関係
- 仕事の結果の評価方式
- 就業関係のルール
- 生産販売、技術方式
- その他諸制度や仕事をする上での仕組み
3風土
- 職場の価値規範
- 職場の暗黙の行動規範
- 上下左右の信頼関係
- 上下左右のコミュニケーション
- 上下左右の援助関係
- 職場のメンバーのリーダーシップのとり方
- 意思決定の仕方や行われる段階
- 影響力関係
- 相互の動機づけの在り方
- チームワークの在り方や一体感
職場開発とは、会社の理念・ビジョンを中心に、「能力」「仕組み」「風土」を計画的に開発してゆくことです。職場開発の取り組みによって、リーダーが育ちます。
目標だけで管理されていると、社員はまるでロボットのようになってゆきます。理念を共有している会社は、リーダーが育ち、権限委譲や事業承継がうまくいくため、主体的で、自立相互支援の組織ができあがってきます。
職場の行動変容を起こすには「能力開発」「環境開発」の2つが必要
ところで、「グループダイナミクス」のクルト・レヴィン教授が提唱した
B=f(P×E)
という方程式はご存知でしょうか? これは、
行動変容=f(能力開発×環境開発)
を表します。
つまり、職場に行動変容を起こすには、能力開発と環境開発の2つの側面が必要となるのです。能力開発を頑張ったとしても、それを受け入れる仕組みや風土がなければ、行動変容は起こりません。
「能力を発揮しやすい仕組み」「能力を発揮しやすい風土」をどう作ってゆくのか? ここがとても重要なポイントとなってきます。
そして、職場が理念に向かって「能力」「仕組み」「風土」が整って、ひとつになったとき、社員一人ひとりの幸福度が高まり、売上や業績の高い職場が完成するのです。
働いている人が活き活きしていて、組織全体としても活き活きしている会社になったら素晴らしいと思いませんか?
人も組織も幸せな会社。
社員が夢でつながっている会社。
全員がリーダーシップを発揮できる会社。
ここに至るまでの道を、このシリーズの中でお伝えしてゆきます。
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