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【第18回】研修マスターの6つ星“指南術”

「上司からの手紙」で部下のモチベーションがアップ?職場の生産性を高めるコツ

間もなく施行となる働き方改革関連法案。4月からは年次有給休暇の確実な取得と、時間外労働の上限規制(中小企業は、2020年4月~)が導入されます。それにより、すでに多くの組織で業務の枠組み、プロセス、役割分担などの見直しが進んでいます。

人事としては、注意喚起と管理の強化を進めつつ、実際に職場のマネジメントにあたる管理職に役立つ方策を提供したいところでしょう。

そこで今回は、「上司からの手紙」という、研修で活用する手法をもとに、管理職自身の目標設定スキルのレベルアップを図ることで、職場の生産性向上にもつながるアイデアを紹介します。

目次
  1. 管理職から部下に宛てた「上司からの手紙」
  2. 手紙の内容で変わる部下のモチベーション
  3. 成果を上げている管理職の頭の中は?
  4. 手紙を書くことで部下とのコミュニケーションが円滑に

管理職から部下に宛てた「上司からの手紙」

人材育成の現場では、指示を出す側である管理職層、指示を受けるリーダーから新入社員(時にはアルバイトスタッフも)まで幅広い層と接します。双方に接することで気づいたことがありました。それは、時間内に成果を上げる職場とそうでない職場、その違いは、ごくわずかであるということです。

では一体、何が違うのでしょうか。

研修のアプローチ方法の1つに、参加者への動機づけを図る目的で、直属の上司に「上司からの手紙」を書いてもらうことがあります。それは次のような要素で構成されています。

  • 組織全体が目指す方向性(その背景※理念、方針、戦略をもとに)
  • 理想とする職場像(管理職として大事にしたいこと)
  • 今期の職場目標とその背景、達成水準
  • 参加者○○さんに期待したいこと(とその理由)
  • 参加者○○さんの強み(そう感じた出来事)
  • 参加者○○さんの今後の課題
  • 上司として、支援したいと考えていること(できること)

手紙の内容で変わる部下のモチベーション

手紙を書く男性のイラスト

あるときから、「上司からの手紙」の内容をもとに、その組織では成果が上がっているかどうかを意識的に確認するようになりました。なぜそのようなことを始めたかというと、記載内容が外部の人間が見ても何をすればよいかわかるほど明瞭な組織と、具体性に欠け、いかにも「書けといわれたから書いた」といわんばかりの内容であったり、複数のメンバーが参加する場合に、全てのメンバーに同じ文面である組織の2つが同じ成果とは思えなかったからです。

なお、1点補足すると、「明瞭」とは、文字量や表現力ではありません。相手に対する配慮や期待など「何かを伝えよう」という意思が感じられるかどうかを指しています。

では、実際どうだったか。多少の例外はありますが多くの場合、記載内容が明瞭な組織では、部下のモチベーションや職場生産性が高く、勤怠も良好でした。特に研修では、提出物の期限が守られる傾向がありました。

反対に具体性に欠ける組織では、部下のモチベーションのバラつきが多く、残業などが多い傾向に。また、研修では提出物が遅れたり、提出がなかったりするケースもありました。

さらに面白かったのは、記載内容が明瞭な組織では、普段は上司とほとんどコミュニケーションをとることができない勤務形態(外出が多い場合や、勤務地が異なる)のケースでも、「上司からの手紙」を見て、メンバーは「自分のことをよくわかってくれている」「考えていることが同じだった」という反応がありました。

成果を上げている管理職の頭の中は?

以上のような経験をもとに、成果が上がっている組織と、そうでない組織の管理職の違いを分析し、私なりに仮説を立ててみました。すると、成果が出ている組織の管理職は、以下のような情報が脳内に描かれているようでした。

管理職の頭の中、部下の頭の中

通常、頭の中で考えていることは「ブラックボックス」で、外からは見えません。しかし、成果を上げている組織の管理職は、「上司からの手紙」の要素が脳内に描かれているようです。そして図の右側、指示を受ける側の関心ごとも把握しており、相手の状況やレベルに応じて必要な情報を提供したり、確認することができているのです。

また、常にこれらの情報をもとにこまめにコミュニケーションをとっているかというと、決してそうではないようです。仮説を検証するために、複数の方にお話を伺ってみたところ、期初に組織の戦略や方針が発表されたタイミングで、自分なりに言語化(または具体的にイメージ)し、それを、メンバーと話し合い、その後は相手の力量に応じてコミュニケーションをとっているそうです。

それを繰り返していると、それほど言葉に出さなくても、メンバー側が期待値をくみ取って対応してくれるようになるそうです。自らは全体の状況把握をし、必要に応じてサポートしたり、応援をもらっているということでした。これらのスタンスは、共通していました。

手紙を書くことで部下とのコミュニケーションが円滑に

以上のことから、管理職にお勧めするのは「上司からの手紙」を定期的に書くこと。そして、できれば、部下からフィードバックをもらうこと。そうすると、おのずと意思疎通が図れるようになり、またコミュニケーションもとりやすくなります。

書くことは最初のうちは難しくても、訓練により上達します。私も最初はまったく書けずに悔しい思いをしましたが、定期的に書くようになってから、内容が明瞭になり、深みも増してきたように感じています。深みが増すほどに、理解者が増えている実感があります。

ベクトル合わせ、レベルに応じたコミュニケーションを図り、職場の生産性を高めるために、「上司からの手紙」を職場運営に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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