調剤薬局が教える社員の健康管理に役立つコラム

『健康経営』のツボ ~肩こり・腰痛の真相~

「肩こり」「腰痛」は日本において10年以上、男女別の気になる体の不調の1位と2位を占めています。

●性別にみた気になる体の不調の上位3症状

 

1位

2位

3位

 男性

 腰痛

 肩こり

せきやたんが出る

 女性

 肩こり

 腰痛

手足の関節が痛む

(厚生労働省:平成28年「国民生活基礎調査」より)

肩こり・腰痛は、首から肩や腰部の痛みや張り、不快感などの総称で、人によってその症状や原因は千差万別です。その一方で、多くの人に共通するのが「この症状がなくなったらどんなにいいか…」という切なる思いではないでしょうか。

肩こりの真相

多くの人が経験する肩こり。でも肩こりの正体っていったいなに…?

肩こりってどういう状態?

一般的に首から肩、背中にかけての不快感や重さ、軽い痛みなどを指します。

多くの肩こりは筋肉の緊張が深く関わっていますが、筋肉が緊張しているだけでは肩こりは感じません。

筋肉が緊張している状態に、長時間同じ姿勢でいること(不動化)やストレスが加わることで、小さな不快感や痛みを、脳が大きな不快感・痛みとして受け取ってしまい、肩こりと感じるのです。

肩こりが起こるメカニズムは?

①筋肉の緊張
不動化により筋肉の緊張が強くなり、硬くなる

②血行不良
筋肉の中にある血管が圧迫されて血行が悪くなる

③老廃物の蓄積
筋肉内の酸素や栄養分が不足し、筋肉が疲労したときに生まれる老廃物の蓄積が起こる

④神経を刺激
老廃物が筋肉やその周辺の神経を刺激して、痛みや張りなどの不快な症状を引き起こす

⑤さらなる筋緊張
さらに筋肉が緊張するという悪循環に…

肩こりが続くと…

慢性の肩こりから別の不調が現れることも。
首を通る神経が筋肉の緊張により締め付けられ、後頭部や目の痛みを招きます。

また、自律神経を乱し、めまいや手足の冷え、不眠などの原因となることもあります。

ポイントは肩甲骨!

肩がこったと感じたとき、首を回す方も多いと思います。肩こりの原因となる主な筋肉は僧帽筋といい、頭を支える役割があります。
実はこの僧帽筋は首だけでなく、首の付け根の後ろ側から背中まで広がる大きな筋肉なのです。

つまり、首を回してもそこで動くのは大きな筋肉のごく一部。肩こりを改善するには、肩や肩甲骨から大きく動かすほうが、効果が期待できるのです。

マッサージは逆効果!?

マッサージには血行をよくするはたらきや、リラックス効果があります。

しかし、その強さには要注意!! 強く揉む・叩くことにより筋肉は刺激から身を守ろうと、さらに緊張が強くなります。

また、程度によっては筋肉が傷つくことも。傷ついた筋肉は修復されますが、傷つく前よりも硬くなってしまい、肩こりが悪化する原因に…。

腰痛の真相

腰痛は、その発生のしくみを知るだけで不安が減り、痛みがやわらくこともあるそう。

腰痛ってどういう状態?

ひとくちに腰痛といっても範囲が広く、人により不快感や痛みが現れる部位は異なりますが、痛みの根源は筋肉・椎間関節・椎間板の大きく3つに分けることができます。

肩こりと同様に姿勢やストレスが大きく影響しており、やはり腰痛でも長時間の同じ姿勢(不動化)はよくありません。

日常生活でかかる腰への負担

腰痛に悩む人に多い生活の特徴として

①座っている時間が長い
②前かがみの姿勢をとることが多い

などが挙げられます。これらが腰痛につながりやすい理由は、椎間板への負担にあります。

実は、背骨と背骨の間でクッションの役目を果たす椎間板には、座った状態や前かがみの状態だと大きな負担がかかってしまうのです。さらに椎間板が負担に耐えきれずにつぶれてくると、背骨同士をつなぐ椎間関節への負担が強くなります。

このように、いろいろな要因が重なることで腰痛が発生します。

ポイントは骨盤!

前かがみの姿勢や座った状態で不動化を続けると、お尻やももの裏の筋肉の緊張(収縮)が強くなります。それにより骨盤がうしろに傾き、腰痛が起こりやすくなるそう。
腰のストレッチだけではなく、骨盤から腰を動かすことを意識すると腰痛予防の効果がグッと上がります。

コルセットの上手な活用を!

腰に痛みを感じたとき、コルセットをつける方も多いと思います。もちろん、安静が必要な際にはコルセットを使用して腰の動きを制限する必要があります。ところが、長期間の使用は、腰の不動化につながります。

不動化により腰痛が慢性化すると、実際は小さな痛みでも脳が大きな痛みと感じてしまい、悪化することも…。コルセットを上手に取り入れつつ、痛みの根本の解決を目指しましょう。

社員の健康意識の向上も人事部の大きな役割に

より詳しい内容は、弊社が発行しているヘルス・グラフィックマガジン「肩こり・腰痛」号に記載しておりますので、そちらをご覧ください。冊子のほか、下記URLよりPDFでもご覧頂けます。
https://www.aisei.co.jp/magazine/

近年では、社員の健康管理だけでなく、健康意識の向上も人事部の大きな役割になってきています。

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