「学ぶ。みがく。変わる。」かんき出版の“誌面”研修

第11回「仕事での面倒な“やりとり”をシンプルにする」の心得

毎朝、満員電車に揺られて運ばれるように駅に着き、オフィスへのエレベーターを待つ長蛇の列に並び、ようやくオフィスに到着したかと思うといつもの朝礼がはじまって、朝礼が終わったその足で会議室に流れ込む……。

無駄の多い毎日だと感じている人も多いのでは。これでは、いくら自分の“仕事をさばく力”を高めても限界があると考えてしまいがちです。しかし、仕事にまつわる多くの時間は、日常の小さな交渉、つまり「やりとり」の仕方しだいで、劇的に短縮することができるのです。
今回は、リクルートグループ時代に何度も全国トップ表彰を受賞した経験を持つ伊庭正康氏から、自身が確立した「面倒なやりとりをシンプルにするコツ」を教えてもらいます。

著者プロフィール

伊庭正康氏
リクルートグループにてプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受賞するなど活躍し、若くして重要ポストを歴任。2011年、株式会社らしさラボを設立。年間200回を超える企業研修( 営業研修・営業リーダー研修・コーチング・メンタルタフネス強化など)をさまざまな業種の企業に提供している。

無駄な業務をなくして半分の時間で成果を出す

仕事の〝さばき力〟を高めて2倍のスピードで仕事をするのではなく、無駄な業務をなくして半分の時間で成果を出すことを提案するのが、伊庭氏の教えです。

激務に忙殺されていた20代半ばのあるとき、伊庭氏は「もう残業はやめよう」と決意。そのために、上司や同僚、取引先などとの日常的な「やりとり」を簡略化する工夫をし、仕事の「量」を劇的に減らすことに成功しました。
しかも、業務時間は短くなったにも関わらず、成績はうなぎ上り。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受賞するなど、累計40回以上の社内表彰を受け、若くして重要ポストを歴任しました。

そんな伊庭氏が確立した、さまざまな工夫をまとめた『面倒な〝やりとり〟がシンプルになる仕事のコツ48』(かんき出版)から、今回は〝人の力を借りる上手な方法〟を紹介します。

SOSは粘らず30%の確率で出す

「人に頼むより、自分でやったほうが早い」「人に頼むのは気が引ける」と、人に仕事を頼むのが苦手だったり、それを「甘え」だと感じたりする人は少なくないかもしれません。

ですが、「SOS」を出すことはルールとして考えるべきです。 
特に次のシーンでは、躊躇せずにSOSを出してください。

① 人を待たせてしまいそうなとき(「ギリギリ大丈夫」というのも ダメ)
② 残業になりそうなとき(残業すれば大丈夫でも、残業禁止の方針ならダメ)
③ 自分でやるより、得意な人の手を借りたほうがよさそうなとき
④ 営業目標など、自分の力だけでは達成が難しそうなとき

つまり、少しでも人に迷惑をかける可能性があるなら、粘らずSOS の予告をすること。むしろ、きちんとタイミングを逃さずSOSを出せる人は、「責任感がある」と評価されます。とはいえ、急なSOSは、さすがに嫌がられます。相手にも段取りがあるからです。SOSを出すタイミングは、「困ってから」ではすでに遅いのです。

「待たせてしまうかも」「残業してしまうかも」など、「30%の確率でそうなるかもしれない」と思ったときに、先手を打って相談を持ちかけるようにしましょう。

言いにくいお願いは状況説明から入る

人にお願いするときに役立つのが「DESC法」です。これを使えば、遠慮せずにお願いできるようになります。

D《Describe:描写》:状況だけを説明(まだ意見は言わず、事実を述べるだけ)
E《Explain:説明》:自分自身の思いを説明(ここで、自分の意見を伝える)
S《Specify:提言》:提案する(具体的な提案をする)
C《Choose:選択》:選択してもらう(最後は選んでもらう)

1つ例を挙げましょう。

【シーン】あなたが、隣の席のTさんに、ファックスを送ってもらえるよう、お願いする

D(描写)▼「Tさん、ご相談よろしいでしょうか? 実は、今すぐ対応しないといけない案件を3つ抱えているうえ、至急、取引先のA社にファックスを送らないといけない状況なのです」

E(説明)▼「すぐに対応しないと、お客様の不満を買いそうなので、早めに対応したいと思っています」

S(提言)▼「できるところまではやってみますが、もしかしたら20分ほどあとに、この資料をA社宛にファックスしてもらうようお願いするかもしれません」

C(選択)▼「可能でしょうか?」

ポイントは、いきなり結論から入らず、先に状況を共有すること。そして、最終的な判断は相手に委ねましょう。なお、断られた場合は、「仕方ない」「それぞれ事情がある」と割り切ってください。「断られる」ことへの免疫力を高めることも〝お願い上手に“になるためのコツです。

あいまいさをなくすお願いの仕方とは

お願いする際に行き違いを防ぐためには、次の2つのコツを心がけるといいでしょう。

①「5W1H」で具体的に指示する
② 「やらされ感」が出ないよう、相手の意思を確認する

では、例を挙げてみましょう。

【シーン】Kさんにチームメンバーの「有給休暇の取得見通し」を確認してもらう

あなた▼「じつは、有給休暇をとれていない人がいるんですよね。そこで全員の、取得予定を確認しておいたほうがいいと思うんです(WHY)。つきまして、お願いがあります。チームメンバー全員分の(WHO)、これからの有給休暇取得予定の確認をお願いできればと思っているのですが(WHAT)、可能でしょうか?」

▼「いいですよ」

あなた▼「ありがとうございます。では、金曜日の17時までに(WHEN)、このエクセルのフォーマットに埋めていただきたいのですが(HOW)、ここまでをお願いすることは可能でしょうか?」

▼「了解です!」

なお、この例では「WHERE」に触れていませんが、必要に応じて各要素を追加・削除してもかまいません。また、最後に「このように思っているのですが、どうですか?」と、必ず相手の意思を確認するようにしてください。双方向で合意をとりながら進めるのが賢いやり方です。

相手に感謝を伝える「タイミング」と「伝え方」

当然ですが、人にお願いごとをしたときは、〝感謝の気持ち〟を伝える必要があります。相手にきちんと感謝の意を伝えるためのポイントは「タイミング」と「伝え方」です。
まず、「お願いを受けてもらったとき」「やってもらったあと」、この2回は必須です。さらに、「いつも以上に負荷をかけているな」と思ったら、途中で声をかけたほうがいいでしょう。
このとき、「〇〇してくれて、ありがとう」と、具体的な〝行動〟に対して、感謝の意を示してください。

「急ぎで対応してくれて、ありがとう」
「慣れない業務だったのに、ありがとう」

さらに、感謝を伝え忘れてはいけないタイミングが、その後のうまくいったときです。たとえば、プロジェクトが成功したとき、コンペに勝ったとき、目標を達成したときなどは、行動への感謝だけでは足りません。

「おかげさまで、コンペに勝てました。田中さんの資料作成スキルに助けられました。本当にありがとうございます!」

「おかげさまで、目標を達成できました。お忙しいなか、こちらのお願いを優先してくださり感謝しています。本当にありがとうございます!」

この「褒め方」は、「NLP(神経言語プログラミング)」と呼ばれる心理学の、「ニューロ・ロジカル・レベル」という考え方にも裏付けられています。簡単にいうと、「能力」や「スタンス」など、より相手の内面(「自己認識」)を褒めると、相手は「自分の存在自体が認められた」という感覚になるのです(上図 の「効果的な感謝の伝え方」参照)。

メンタルブロックを徹底的に洗い出す研修

以上、伊庭氏の書籍から一部を紹介しましたがいかがでしょうか。
伊庭氏の提供する企業研修は、短時間で圧倒的な成果を上げます。そのため、成果が上がらない原因になっている仕事の無駄や、思い込み、メンタルブロックを徹底的に洗い出し、それらを捨てることの大切さを説く、実用的でどんな人にも効果の高い内容です。

また、ストレスコーピングコーチとしてビジネスパーソンのメンタルタフネス強化の支援も行っており、どれも好評を得ています。
研修内容は、企業様ごとに抱える課題に合わせてカスタマイズできますので、ぜひご相談ください。

「かんき出版の社員研修」

出版社の強みをいかした豊富なネットワークにより、有名作家が講師として登壇するのが特徴。あらゆるテーマのプログラムを取り揃え、企業の問題点の解決につながるようカスタマイズして提供している。講師陣の著書からカリキュラムを具体的にイメージしやすい。
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