新卒社員が主体性を持つ鍵は〇〇だった~キャリアアップする新入社員が共通で持つ主体的思考~

仕事柄、年間50名以上の経営幹部、人事教育担当の方と研修の打ち合わせを10年以上行う中で、経営幹部として成長しキャリアアップする新入社員の方と、そうでない方の違いが見えてくるようになりました。

では、その違いとは具体的に何なのか?「将来幹部になる/なれない新入社員の6つの思考習慣の違い」のうち、今日は3つ目の違いをご紹介します。

(1・2つ目の違いは、以下のリンクからご覧いただけます)
過剰なwhy思考が新卒をつぶす~キャリアアップする新入社員が共通で持つhow can思考~
「自己責任」の勘違いを正せ~キャリアアップする新入社員が共通で持つ自己責任思考~

幹部になる新入社員の特徴「受身的思考<主体的思考」

将来幹部になる社員が持っている思考の特徴、3つ目は「受身的思考<主体的思考」です。ここでは、以下を定義とします。

主体的思考とは、相手の期待を満たす(超える)べく、言われたこと以外も(報連相しながら)自分から行動する思考です。

新卒が幹部へとキャリアアップしていくためには、上司やお客様が言うことだけではなく、自分でそれ以上のことを考えて実行することが必要です。

「そんなことは改めて言うまでもない」と考える人は少なくないと思います。しかし、新卒社員が主体的に仕事するには落とし穴があり、解決方法が解明されていないということを知っている人は多くないと思います。今回のコラムでは、その部分を解明していきたいと思います。

主体性は「新卒社員に求めるものベスト3」に15年以上ランクインしているという事実をご存知でしょうか?

日本経済団体連合会(経団連)が毎年行っている「新卒採用に関するアンケート調査」で、「選考時に重視する要素」で必ず上位に入るのが「主体性」です。

「主体性」は2001年~2017年の全調査でベスト3に入っています。裏を返せば、15年間以上、新卒社員の主体性の欠如に、企業の先輩社員や上司は悩み続けているということです。

つまり15年以上ずっと「主体性が必要だ」と言いながら、全く解決の糸口が見えていないということです。

その原因は、当たり前すぎて多くの人が意識もしないであろう、仕事の基本的構図にあるのです。新卒社員はほぼ100%受身から仕事がスタートします。上司からの簡単な業務の依頼、先輩の仕事の手伝い、といったことからスタートするのがほとんどです。つまり上司の"指示ありき"でスタートするのです。唯一主体的になれる部分が「何かお手伝いできることはありますか?」くらいです。それも、やはり上司や先輩の“指示ありき”という構図には変わりありません。

“指示ありき”ではなく、配属初日から上司の指示なしに、自分で主体的に考えて動いてOKという状態はないと思います。そんなことされたら困る、というところがほとんどなのが現実だと思います。上司や先輩は主体性を求めますが、最初だけは受身でOKということになります。この“指示ありき”の受身からスタートするので、その延長で受身のまま仕事をし続けてしまう新卒が多いのです。受身からスタートして、その後、経験や知識等を増やしていって、受身を減らして、主体的へのシフトチェンジしていく必要がある、ということを、新卒社員は理解する必要があります。

「受身的思考」と「主体的思考」の違い

例えば、上司から「パンフレットをA社の○○さんに送って!」と指示された場合、受身のままの社員は、言われたこと以外は自分から考えずに、“1部郵送する”といった行動を取ります。

逆に、主体的思考へとシフトチェンジができている社員は、言われたこと以外も自分から報連相しながら行動し、「郵送か、メール添付か、期限は、部数は、目的は」といったことを確認し、“50部をクリアファイルに入れて、○月○日指定着で郵送する”という行動をとり、上司の期待を満たすのです。

相手が上司でなく、お客さんであった際についても、同じようなことが言えます。

「B商品の見積もりをメールしてほしい」と依頼された場合、受身のままの社員は、言われたこと以外は自分から考えず、“手が空いた時にメール添付で、フォーマット通りに送る”といった行動を取ります。

しかし、主体的思考へシフトチェンジできている社員は、言われたこと以外も自分から報連相しながら行動し「期限はいつか、誰がどのようなタイミングで見るのか」といったことを確認し、“見積もりが必要になる会議の前に、会議で比較しやすいように3パターンの見積もりを作って送る”という行動をとり、お客さんの期待を満たします。

主体的思考へシフトチェンジするための2つのポイント

上記のような主体的思考ができるようになるためには、2つのポイントがあります。

ポイント1.「主体的に仕事をする」ことの意味を"正確に"理解する

1つ目が、新卒が「主体的に仕事するとは?」を"正確に"理解することです。相手の期待を満たす(超える)ために、言われたこと以外も(報連相しながら)自分から行動する、ことが主体的に仕事をすることです。

落とし穴になりやすいのが、「相手ありき」と「報連相」です。これも当たり前ですが、自分ありきと報連相なし、になってしまう新卒が少なくありません。

「自分としては、言われたこと以外も主体的に動こうと考えて、会議終了後ホワイトボードを相談なしに消した。が、しかし先輩の期待としては、記録のために写真を撮ってから消してほしかった」といったことです。「相手の期待を満たす(超える)」と「報連相」の2つの前提をしっかりと押さえることが、主体的に仕事をするには、絶対に欠かせません。

ポイント2.新卒社員に生じた疑問に対して、しっかりと答えを出す

2つ目が、主体的に動いた時に生じる疑問に対して、放置をせずにしっかりと答えを出すことです。疑問の代表的なものが以下です。

A「言われたこと以外も自分で考えて動きなさい!」「そんなことやっていないで、言われたことだけやりなさい!」などと矛盾することを先輩に言われるけど、どっちなのだろうか?

B 言われたこと以外も自分で考えて、相談したら、「そんなの全然ダメ」と一蹴されてしまった。自分で考えない方がいいのか?

この疑問を上司、先輩目線で考えてみましょう。

Aは、この疑問は「先輩はいったい何がやりたいの?」と突っ込みたくなりますが、多くの企業で見る光景です。これは多くの場合、先輩上司が求めるmust(ないとダメ)を新卒がやっておらず、want(あったらいいな)をやっている時に起きます。ですので、「言われたことだけやりなさい」という矛盾するメッセージではなく、「must(ないとダメ)を満たしてから、want(あったらいいな)をやってほしい」というメッセージを伝えることが必要です。「言われたことだけやりなさい」だと、真意が伝わらず「『言われたこと以外も自分で考えて動きなさい!』って言ったじゃんかー!」と新卒が混乱し、信頼も失ってしまうことが多いです。

Bは、まだ知識と経験が少ない新入社員が「言われたこと以外も自分で考える」ことを実践したが、考えた内容が先輩上司からすると「全然ダメだな…」という時によく起こります。この際に先輩上司が「その考えは全然ダメだよ」というメッセージだけを伝えると、「言われたこと以外も自分で考える」という自体もダメだと認識してしまうことが多いです。ですので、しっかりと分けて「言われたこと以外も自分で考えたのは、素晴らしいので今後も継続しよう。ただ、今回の考えた内容は×です。この繰り返しで成長し、考える内容も○になっていくので、引き続き自分で考えて、報連相することを継続して!」とフィードバックするべきです。

このように新入社員がしっかりと成長し幹部へとキャリアアップしていくためには、主体的の意味を正しく理解することと、生じた疑問を放置せずに、先輩の力を借りながら答えを出すことが必要です。先輩上司もしっかりと社員を教育できるようにならなければいけません。今回は「将来幹部になる/なれない新入社員の6つの思考習慣の違い」の3つ目、「受身的思考<主体的思考」を紹介しました。次回の連載では4つ目の「違い」についてご紹介します。

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