サービスピックアップ「シェア会議室®」
不動産のソリューションを使って遊休資産に新たな価値を生み出す
オフィス内で大きなスペースを占める会議室。実は想像以上に稼働率が低いことをご存知だろうか。あまり使われない会議室は生産性の低い空間となってしまいがちだが、使っていない時間帯に外部に貸し出せば、スペースを有効活用できる。会議室の貸し出しは、コスト削減や新たな利益を生み出すための手段として、今大きな注目を集めている方法だ。遊休設備の収益化であるため、初期投資はほぼ不要で、リスクなく導入できるのも魅力である。
株式会社ハッチ・ワークが提供する「シェア会議室®」は、この会議室の貸し出しに関するあらゆるサポートをするサービスだ。代表取締役社長CEOの大竹啓裕氏に「シェア会議室®」の特徴や導入メリットなどについて話を聞いた【2018年4月取材:谷直美、構成:編集部】。
使われていない会議室が安定的な収益につながる
——「シェア会議室®」はどのような経緯で生まれたサービスなのでしょうか。
弊社ではオフィス移転のコンサルティングを手がけているのですが、コストを圧縮するため、移転先では会議室をつくらないことをお勧めすることがたびたびありました。ひと昔前は、どの企業も社内に大きな会議室スペースをもっていたもの。当時は社外で会合ができる場所を借りられなかったために、どうしてもこうしたスペースが必要だったわけですが、現在では大都市を中心に貸会議室が広く普及していますからね。実際にここ20年ほどで、オフィス内の会議室スペースは減少傾向にあるんです。
しかし、それなりに使用頻度が高く、会議室をなくすわけにはいかない企業も依然としてあります。スペースの半分が使われていない状態にあるオフィスは、実は結構多いんですよ。では、そのようなお客様にはどんな提案ができるか……そう考えるうちにたどり着いたのが、会議室の使っていない時間を生かす方法です。
賃料コストとなる会議室をなくすことができないのなら、そのスペースを外部に貸し出すことで収益化していこうという逆転の発想が、「シェア会議室®」のベースとなっています。
——合理的なアイデアに思えますが、会議室をもつ企業が自ら運営することもできるのではないでしょうか?
インターネットの空きスペース登録サイトを利用することは可能でしょう。しかし、結論からいえば、総務などの担当者が片手間に会議室を運営することはかなり難しいんです。
その理由は大きく分けて3つあります。まず1つ目は、大家との法的な課題をクリアする必要があるということ。賃貸物件の一部を有償で外部に貸し出すことは、基本的には転貸(又貸し)にあたるため、大家の許可を取る必要があります。
2つ目に、円滑な運営のための作業コストが予想以上に高いということ。自力でポータルサイトに情報を登録するだけでも手間ですし、予約管理・各種問合せ・金銭の受領といった管理作業が日々の業務に加わると、担当者にとってはかなりの負担増になります。
そして3つ目は、利用者との接点を上手につくり、利用者にとって使いやすい会場設計にする必要があること。選ばれる会場にするためには、空間づくりのノウハウやインターネットの知識も必要なんです。
——「シェア会議室®」はそうした問題を代わりに解決してくれるんですね。
「シェア会議室®」では、法的な部分をクリアするためのコンサルティング、リピート率を高めるための会場設計のノウハウ提供、インターネット検索の優位性を高める作業、運営のオペレーティング代行などをワンストップで請け負っています。そのため、テナントとなる会場のご担当者様が負担する作業は、会場の施錠や掃除程度で済むんです。
外部に会議室を貸し出せれば、初期投資やリスクもほぼなく新たな収益を生むことができます。しかし、先にご紹介したようなさまざまな煩雑な要素のために、運営を諦めてしまう例が少なくないんです。これはとてももったいないことですよね。それに、逃してしまうのは収益だけではありません。外部の人々との交流や自社PRの可能性など、新たにビジネスを広げるきっかけも失うことになります
——運営にはどのような工夫が必要になりますか。
「シェア会議室®」の利用者は、7割がリピーターなんです。選ばれるためには、ただ価格が安ければいいというわけではありません。安いだけでは、数少ない新規1回限りの利用しか生まれませんから。インターネット検索のしやすさや適正な価格設定、設備やオフィス内動線への配慮なども含めた、使い勝手のいい安心感のある会場をつくることが、安定的に収益を得るためにはとても重要です。
“今あるもの”で月45万円の収益を出せるケースも
——「シェア会議室®」導入のメリットが大きいのはどのような立地にある企業ですか?
山手線沿線のエリアは総じていいと思います。また、競合が少ないエリアであることもポイントです。
当社を含めた専門事業者が手がける貸会議室は、都心のターミナル駅を中心に展開している場合がほとんどです。例えば青山一丁目や小伝馬町といったオフィスがあまり多くないエリアでは、運営コストが合わないので専門業者は手を出しません。しかし、数は多くなくても近隣でミーティングや会議をしたいというニーズは確実にあります。
さすがに住宅立地は厳しいですが、大きなオフィス街でなくても、使いやすい会場であれば、リピーター利用によって安定した運営をすることは十分可能ですよ。
——利用者に人気が高いのはどのようなタイプの会場でしょうか。
講座などに適したセミナールームは人気がありますね。講師用の演台があって、長机が並ぶ20〜30名サイズの部屋です。逆に4〜6名用のミーティングルームは供給過多の傾向です。
——順調に運営している場合、「シェア会議室®」はどれくらいの収益が見込めますか?
立地や物件の内容にもよりますが、一例を挙げると、東京メトロ青山一丁目駅から徒歩3分のオフィスの場合、24名用セミナールーム1室+6名用ミーティングルーム1室で月45万円程度の売上が見込めます(下図グラフのA会場を参照)。予約管理や利用者からの各種問い合わせは弊社運営のコールセンターが受け付け、会場使用料の振込及び督促管理も一括して代行。企業側の負担は会場の施錠と清掃程度で済みます。
——「シェア会議室®」を導入する際のおおまかな流れについて教えてください。
まずはホームページなどからお問い合わせいただき、所在地・部屋数・席数といった基本情報を元に査定をさせていただきます。一つの会場の収益が安定化するまでにはおよそ10〜12カ月かかるので、月段階の収支提案をさせていただいた後、業務委託の契約を結ばせていただきます。
その後、必要なコンサルティングを経て「シェア会議室®」をスタート。運営開始後は、予約管理・集金管理を弊社が一括サポートします。また、テナント様が社内で会議室を利用する際に優先予約を入れられる(外部の予約が入らないようにする)、会場のダブルブッキングを防ぐ独自のシステムも採用。長年の経験値を生かして、トラブルなく円滑に運営するためのカスタマイズを行っています。
——今後の展望についてお聞かせください。
「シェア会議室®」のようなサービスが今後全国に広がっていくのは、時代の流れとして当然のことだと思っています。その中で私たちとしては、ただ事業規模を大きくするというようなことではなく、「困っていること」「余っているもの」「古いもの」の価値に目を向け、それを不動産のソリューションを使った新しい発想で問題解決していきたいと考えています。
——「株式会社ハッチ・ワーク」に社名変更し、新たな出発をしたのにも、そんな意気込みがあってのことなのでしょうか?
まさにそうですね。弊社はもともと、不動産関連のデータベースを取り扱うマーケティング会社としてスタートしました。その後、オフィスに特化した仲介事業を展開。そして、「ビルの再生事業」に舵をきったのが約10年前のことです。
東京オリンピック以降60年以上にわたって、東京のオフィスビルの延べ床面積は継続的に増加しています。巨大なビルが新たに建てられる一方で、「築年数の古いビルを生かす」というニーズも増大していき、これに応えようと思ったんです。
その後参入した貸会議室や空き駐車場の再生事業などが順調に拡大し、現在ではオフィス関連以外の売上が会社全体の売上の大部分を占めるようになりました。こうした状況を受け、今後はオフィスという枠組みにとらわれず、「まだ世の中にない独自のアイデアで、遊休資産の新たな価値を創造する企業」になっていこうと考えるように。そして、2018年4月に株式会社ハッチ・ワークとして新たなスタートを切ったんです。今後も「シェア会議室®」に次ぐ画期的なサービスを、もっともっと展開していきたいと思います。
――ありがとうございました。
サービス情報
「シェア会議室®」
自社の空き会議室を貸し出すサービス。貸し会議室の収益化だけでなく自社広告や製品PRも可能なため、新たなビジネスチャンスの創出につなげられる。ノウハウ豊富なレンタルスペースのコンサルタントによるサポートがあり、安心して利用できる。
詳しいサービス情報はこちら https://at-jinji.jp/service/405/139
執筆者
谷 直美(たに・なおみ)(ペンギンフィルム)
兵庫県出身、神奈川県在住。ビジネス系インタビューを中心に活動。各種インタビュー取材執筆をはじめ、Webコンテンツ作成、記事・コラム作成、リライト・テキスト作成など幅広く手がける。得意ジャンルは、ビジネス・観光・映画/エンタメ・教育/子育てなど多岐にわたる。
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