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一流のビジネスマンを育てる「文章力」 人事担当者・指導者のための指南術

第3回 文章トレーニング実践編

ビジネスマンのコミュニケーション力を鍛える有効手段として、文章力教育の必要性を説明し、前回は「文章は長く書かなければならない」「正しい日本語であることが最重要だ」という2つの誤解を解くことの重要性について述べた(https://at-jinji.jp/expertcolumn/9)。大事なのは「箇条書きから始める」「読み手に的確に情報を伝える」ことである。では、これらの意識をもって文章を書くためには、どのように文章を作成・推敲すればいいのだろうか。

今回は実践編である。悪文を1つ用意したので、推敲してほしい。最終的に解答例を提示するが、どこが誤っているのか、どのように構成し直すべきか、実際にご自身で考えながら学んでいただきたい。

推敲してください

次の文章は案内状の一部である。これを修正してほしい。                  

さて、幣社では、5年の歳月をかけて新製品の研究開発が続けてまいりました。その結果、このたび従来の機種にはない優れた性能を備えた画期的製品で、自信をもってお進めできる新製品XYZを販売することになりました。つきましては、一般発表に先立ち、お得意様方にご高覧いただきたく、下記のとおり発表会を開催いたしますので、ご多忙中のところ恐縮ですが、ぜひご来場してくださいますようご案内申し上げます。

まず漢字から。「幣社」は「弊社」の誤字で、「お進めできる」は「お勧めできる」の方が適切である。次に「研究開発が続けて」は「研究開発を続けて」でないと文法的におかしい。敬語では、「ご来場してください」は「ご来場ください」が正しい。

ここまでは、かなりの方が気付かれたことと思う。だが、正誤に関することだけでは不十分である。相手に的確に伝え、説得力ある文章力を身につけるためには、前回述べた「文章は箇条書きだ」「文章は伝えることが大事だ」の意識が必要なのである。

「文章は箇条書きだ」の視点からの推敲

箇条書きは内容ごとに切れ目がある。文章における切れ目には、段落や文の切れ目がある。文章は箇条書きだとの考え方からすれば、内容的なひとまとまりを1文にすべきだし、1つの内容で1つの段落を構成すべきである。
その観点で上の文章を見ると、「つきましては」の前が「新製品販売のお知らせ」で、その後が「発表会の案内」と、2つに分けられる。また、後半は1つの文だが、「発表会をする」と「発表会への招待」という2つの内容が含まれている。

さらに、前半にも長い1文がある。次である。

その結果、このたび従来の機種にはない優れた性能を備えた画期的製品で、自信をもってお勧めできる新製品XYZを販売することになりました。

この文では「新製品XYZ」に対して、「従来の~お勧めできる」という長い部分が説明になっている。だから、「新製品XYZを販売することになった」と「新製品の説明部分」との2つが含まれていることになる。これも分けた方がよい。

「文章は伝えることが大事だ」の視点からの推敲

そもそも、この文章で最も伝えたいことは何か。それは、新製品販売を知らせることである。伝えたいことは最初に述べるとわかりやすい。日常生活でも、相手が何を言いたいのかを前もって知った上で話を聞くと、とてもわかりやすい。
だから、「弊社では新製品XYZを販売することになりました」を最初に述べ、その後で新製品についての説明をすればよい。原文の冒頭にあった「5年の歳月をかけて~」の1文も新製品XYZの説明である。

よって、順序を変え、「新製品を発売する」「新製品の説明(5年の)」「新製品の説明(従来の)」「発表会をする」「発表会への招待」の5つに分けて述べるようにする。すると次のようになる。

さて、このたび弊社では新製品XYZを販売することになりました。このXYZは、弊社が5年の歳月をかけて研究開発を続けた製品です。従来の機種にはない優れた性能を備えた画期的製品で、自信をもってお勧めできる製品です。

つきましては、一般発表に先立ち、お得意様方にご高覧いただきたく、下記のとおり発表会を開催いたします。ご多忙中のところ恐縮ですが、ぜひご来場くださいますようご案内申し上げます。

文章の正誤や形式統一だけに気をつけても、文章力は身につかない。文章の基本である「文章は箇条書きだ」「文章は伝えることが大事だ」を生かそうとする工夫が大切なのである。

ビジネスにおいても意思疎通を図る最初の段階で端的に用件を伝えることが重要である。会社の内外や情報を伝える相手を問わず、あらゆる場面でこれらを生かした文章の作成が求められる。文章力を鍛えるためには、自分で文章を作成する際にも、他人の文章を推敲する際にも、この2点を意識することが大事であると言えよう。

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