「話し方」で、働き方改革の悩みを解決
Web会議がうまくいく! 一生役立つ「話し方」メソッド
2019.06.25

業務効率化を旗印に、会議は時間が短縮され、リモート社員とのWeb会議が日常の風景になっている企業も増えてきた。一方、時間の効率化は実現しても「成果が出ない」「相手に伝わらない」という悩みを抱えていないだろうか。実は、それは“話し下手”からくる、コミュニケーション不全が原因らしい。
今回は、現役アナウンサーによる「体得」型の話し方研修を行っている「KEE’S」(東京・渋谷)の会田幸恵さんに、働き方改革で成果を出す「伝わる話し方」メソッドを教えてもらった。【取材:2019年6月13日】

愛媛朝日テレビにアナウンサーとして入社。退社後フリーアナウンサーを経て、2005年にKEE’Sを共同設立。多くの企業研修やエグゼクティブのスピーチコンサルタントを務めている。同社副社長。一般社団法人スピーチ・コミュニケーション協会理事。
Web会議ではエネルギーを2倍に
リモート社員や支社にいる社員と手軽に会議できる。時間のないクライアントや遠方の取引先の隙間時間に商談できる。業務効率化の一環でWeb会議やWeb商談を取り入れている企業は多いはず。ただ、「なんとなくうまくいかない」というモヤモヤを抱えている人も多いだろう。企業・個人向けに話し方やスピーチ、コミュニケーション研修を行っているKEE’Sにも増えているのが「オンラインコミュニケーション研修」の依頼だ。
元アナウンサーの会田さんは「対話を円滑に進めようとするとき大切になるのが、相手の話を聞くための”いい雰囲気づくり”なんです。でもフィルター越しになると、これがすごく難しくなる」と解説する。そう、温度感が伝わらない。対面だと分かる相手の表情が読みづらく、どこかテンションが低く見えてしまうのだ。
そのパワーダウン感は、これまで画面越しに発信してきたアナウンサーだから実感済み。「成功のコツは、ずばり、Web会議ではエネルギーを2倍使うこと。例えばお笑いの人は実際はお茶の間で見る10倍ものエネルギーを使って、カメラの前でパフォーマンスをしている。声の大きさやトーン、アクションもそう。それでようやく視聴者に届くんですね」
対面で行うようなテンション=エネルギー不足でWeb会議に臨んでいたら、効果は半減。時間を効率化する引き換えに、私たちが心がけなければいけないのがパワー満タンでパソコン前に臨むことだった。
超がつくほど、ロジカルにシンプルに
では、エネルギー2倍とは、ただ元気でいること? 会田さんによると、話し方の構成要素は【Look】【Speak】【Act】の3つ。「この全てのエネルギーを2倍にしましょう」
話し方を決める3つの要素
「Look」(対人力) 表情や声、見た目はどうか
「Speak」(内容) ロジカルになっているか
「Act」(動作) 相手にとってノイズになっていないか
分かりやすいのは「Look」。パソコンのカメラが画面の上にあるため、ほとんどの人が資料を見て相手にとって目線が下向きになる。これに注意しながら、画面越しにこちらの表情が伝わるようにする工夫が必要。意識をして口角を上げて笑顔をつくり、声量も大きく、トーンも高くする。「Act」は、プレゼンやスピーチ時には効果的な身振り手振りになるが、Web会議では画面の前で動きすぎると「ノイズ」になるので注意が必要だという。
難しいのが「Speak」の部分。会田さんは「どうしても会話が一方的になるので、相手にとって苦痛になっている、という意識を持ちましょう」という。さらに大切なのは、対面の会議でも必要になるロジカルシンキングだ。「ロジカルさをより磨き、超がつくほどロジカルにシンプルに、相手に伝えることも大切です」と付け加えた。
Web会議やWeb商談を成功させるために
★エネルギーを2倍にして臨む(声量、トーン、笑顔も2倍)
★超がつくほどロジカルに(端的に分かりやすく)
日本人が苦手なロジカルシンキング
ロジカルシンキングは、いわば話し方のベースになる思考力だ。会田さんは「日本人はどうしても、言いたいことを後回しにしたり、空気を読んだりして、結局何が言いたいのか分からないということが多い」と解説。読み書きは習っても、話し方は習わない。結論をファジーにしがちな日本人は、平均的にロジカルシンキングが苦手だという。
これはWeb会議ではもちろん、限られた時間内の会議で成果を出すために身につけておきたいスキルになる。基本は、「結論」→「現状」→「原因」→「対策」→「目標」の順に思考すること。会議では、思考するだけではなく、ロジカルヒアリング(相手の話をロジカルに聞く)、ロジカルプレゼン(ロジカルに説明する)、ロジカルレスポンス(質問に対してロジカルに答える)のスキルも必要。これらが長けていると名ファシリテーターと言えるだろう。
一昔前の縦社会の企業の会議なら、えらい人が「結論」だけを言って終わったり、「目標」だけを叩きつけてムダな議論を長時間続けたり、ということがあった。若手社員が「なぜ」と聞くことがタブーだったが、今はそうではない。「何でもいいからやれ!」では動かないのだ。「空気を読む」ことが困難なWeb会議でしっかりと成果を出すためには、「結論」を提示した上で「現状」~「目標」までを端的に伝えることが鉄則なのだ。
まず相手を受け入れることから始めてみよう
会議や商談での話し方スキルを上げたいと思ったら、まずは日頃のコミュニケーションを見直すことも必要だ。
働き方改革にともなってコミュニケーション力が見直されているのは、「生産性向上」に加えて「ダイバーシティ」の視点もある。最近、マネジメント層と社員が対面で会話する機会を設ける「1on1ミーティング」を導入している企業も増えてきたが、会田さんは「うまくいかない、という声が多いですよ」と言う。ほとんどの会社でコミュニケーション不全が当たり前のように起きているからだ。

プレゼン研修の様子
例えば、上司と部下だけではなく同僚の間でも。相手のことが分からないのは、相手を受け入れることが困難だと思っているから。解消のためには、多様化にともなうギャップ改善が必要だという。
「話し方を上達させるためには、まずは『相手の話を聞く』ことから。相手によって話すスピードや声のトーンを変えるなど、相手を受け入れることから始めてみてください」と会田さん。アナウンサーはこの技術に長けていて、番組や情報ごとにターゲットを想定して声色を変えたり、表情に変化をつけたりするのが当たり前だという。会田さんが注目するスピーカーの一人は小泉進次郎さん。演説する地域によって中身を変え、聴衆によって話し方も変えている。上手な話し手は、ダイバーシティ視点が備わっているのだ。
※コミュケーション不全を解消する会田先生のTipsを紹介したこちらの記事もどうぞ。「タピオカドリンクに真摯に向き合ったら、世代間ギャップの課題にぶつかった」
“話し下手”でもトレーニングで会議上手に
会議で役立つ「話し方」スキルは、「ロジカルな思考ができる人」「自己表現が上手な人」など持って生まれた個性によっても差がある。それでも会田さんは「私自身がもともと引っ込み思案で、それを治すためにアナウンススクールに通ったタイプ。育った環境は関係なく、スポーツと同じでトレーニング次第で必ず誰でもうまくなります」と断言する。
ロジカルシンキングが完璧でもダメ、相手に応じたソフトな語り口だけでもダメ。「思考力と対人力は50%ずつ」というようにバランスが大切という。人前に出るのが苦手な“話し下手”でも、まずは自身の得意な部分を伸ばしつつ、苦手な部分は意識して変えてみることで会議上手の道が開けそうだ。
会田さんがビジネスシーンにおける話し方のスキルアップで期待するのは、企業のカルチャーが変わること。「一人ひとりが上手な話し方を身につけるだけではなく、社内のコミュニケーション不全を改善することで、『発言しやすい』『否定しない』を会社の文化にしてもらいたいです。ネガティブではなくポジティブな文化から生産性や発展性が生まれるのではないでしょうか」
企業情報
株式会社KEE’S
・事業内容:企業向け研修(スピーチ・プレゼンテーション・コミュニケーション・接遇マナーなど)、個人向け話し方トレーニング、セミナー・講演会の開催、エグゼクティブ向けスピーチトレーニング
・設立:2005年10月
・所在地:東京都渋谷区恵比寿4-1-22 恵比寿ネオナートアネックス2階
・HP:https://company.kees-net.com/
【企画・制作 @人事編集部広告制作部】
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