特集

面白法人カヤックインタビューvol.2


経歴詐称でエントリー!「エイプリル採用」唯一の内定者に話を聞いた

2017.09.01

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採用難をものともせず、応募を殺到させる「面白採用キャンペーン」。前回のインタビューでは、面白法人カヤック人事のみよしこういちさんに「面白採用ができるまで」を聞きました。

連載2回目となる今回は、いよいよ面白採用の合格者が登場。「経歴を詐称した履歴書」のエントリーを受け付ける「エイプリル採用」を突破した、小坂祐貴さんにお話を伺いました。

小坂 祐貴

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電気通信大学大学院情報理工学研究科を休学中、「エイプリル採用」に大喜利感覚で参加。1000人以上が応募した同採用で見事内定を射止め、面白法人カヤックに入社する。

現在はソーシャルゲーム事業部で、ゲームのレベルデザインを担当する。

大喜利に参加するつもりで採用に応募

―小坂さんが「エイプリル採用」に応募した理由は何だったのでしょうか?

応募した理由は、自分のTwitterのタイムラインに「(エイプリル採用)やってるよ」と誰かがつぶやいているのを見つけたからですね。「ウソをつく」という大喜利に参加するつもりで、ラジオにハガキを投稿するような気持ちで応募しました。

April「エイプリル採用」の採用ページ。4月1日限定で、経歴を詐称した履歴書でのエントリーを受け付けている。履歴書画像にウソの「名前」と「自己PR」を書いてハッシュタグ「#経歴詐称でエントリー」をつけてツイートすることで応募が完了する。

―その頃、小坂さんは就職活動はされていたのですか?

その頃は大学院を休学していて、就職活動は特にしていなかったですね。

―では、あまり就職活動というつもりはなかったですか?

そうですね。正直、軽い気持ちで応募しました。

―応募したときの様子を教えていただいてもよろしいですか?

WEBページにシンプルな応募フォームがあって。名前や肩書を書くところもなく、返事ができるように連絡先を書く欄だけがありました。あとは特に履歴書らしいことも書くことがない、まっさらなページでした。

ウソ履歴書の氏名は「お茶漬け」

―応募したときについたウソ履歴書について、詳しくお聞きしても良いですか?

口で言うと恥ずかしいんですけれども、名前は「お茶漬け」と書きましたね。

―それは(笑)……なぜお茶漬けだったんでしょうか?

エイプリル採用に「かぶったら不採用」という条件があったので、時事ネタだとかぶってしまいそうだなと思って、とりあえず人以外の履歴書にしようと思ったんですね。それで、ちょうどそのときお茶漬けを食べてたので、これでいいかなと。

―それで「お茶漬け」として履歴書を応募することになったんですね。

はい。で、お茶漬けに紅茶をかけたら新しいかな、みたいなことを思いついて……詳しくはホームページに当時のエントリーシートが載せてあるので、詳しくはそちらを読んでいただければと。

April1小坂さんが提出した実際のウソ履歴書

履歴書の合格を受けて、「カヤック」で検索

―応募された後、どんな流れで採用に至ったのかを教えていただけますか?

カヤックの人事の方から「履歴書が合格したので面接しましょう」というメールをいただきまして、そのときにはじめて「あ、これほんとだったんだ」と思いましたね。

―なるほど(笑)「採用の企画自体はウソじゃなかった」とそこで気づかれたんですね。

はい。慌ててカヤックという会社について調べてみて、面白そうな会社だったので、まじめに「面接を受けに行こう」と思いました。

―履歴書が合格するまでは、カヤックのことは知らなかったのでしょうか?

そうですね。正直、名前しか知らなかったです。

―面接は、どんな様子だったのでしょうか?

質問内容自体は普通でしたけど、やっぱりウソのエントリーシートを送ってますから、逆に堅苦しくなれなかったですね。まじめな感じで受けに行くのも変かなと思って、けっこうラフな格好で面接に行きました。

「ウソ履歴書」があったことで本音を話すことができた面接

―面接では、特にウソをつかない状況だったんですね。

そうですね。エントリーシートでウソついて、面接でウソついたら、なんというか、着地しないですよね。変わった採用形式だったのでこちらも対策しようがなくて、逆にそれがお互い良かったんじゃないかなと思います。

―対策ができていないから、ある意味では素でいくしかないわけですね。

そうですね。素でいくしかないし、向こうも「お茶漬けです」ってウソついて応募してきた人に、何を聞いたらいいかは分からなかったと思うんですよね。

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―(笑) たまに紅茶をかけられているお茶漬けだという情報しかないですからね。

そうですね。ただ「ウソをついてきた」という良い話のきっかけがありますから、それがアイスブレイクになって、いい雰囲気で面接ができましたね

私、けっこう緊張しがちなタイプで、アルバイトの面接でもガチガチでしゃべれないこともあったんですが、その面接のときはすごくフランクに話せて。なんというか、面接という感じではなくて「ふざけた人」と「ふざけた話を聞いてもらえる人」みたいな関係性で、わりと本音ベースで話せましたね。

―なるほど。ちなみに、小坂さんは他の会社の面接は受けていますか?

全然受けてないです。

採用・面接でも「つくる」ことを大切にする

―その面接で聞かれたことで印象に残っていることはありますか?

「今まで作ってきたものはなんですか?」ですかね。やっぱり、つくることを大事にしている会社なんだなと。そのときは、今まで「RPGツクール」でこんなの作りました、みたいな話をさせていただきましたね。

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―ゲームは元々お好きなんですか?

そうですね。パソコンのゲームを特によくやっていました。海外のPCゲームだと「ゲームを改造する文化」というのがありまして、プレイヤーが自分でプログラムを改変するんです。自分もゲームの新しいステージをつくったりとか、もっと難しくしたりとか、そんなことをしていましたね。

―今関わっているお仕事について教えてください。

今はソーシャルゲーム事業部で、レベルデザイナーという仕事をしています。具体的にはゲームの難易度調整を行う役職ですね。

―「エイプリル採用」を受けた方は、ゲームの部署に配属されるのでしょうか?

そういうことではなかったですね。「エイプリル採用」のような企画に面白がって乗ってくれる人を、カヤック全体が探していたという感じです。

逆に「この仕事のためにあなたのこういう部分を見ます」みたいな形の採用だったら、けっこう緊張しちゃってたんじゃないかなと思いますね。「ウソ」っていう、絶対に仕事に関係なさそうな入り口だったからこそ、逆にプレッシャーなく応募できたし、応募しちゃったし、面接でも話せたんじゃないかなと思います。

普通の採用しかなかったら、観測範囲に入らなかった

―普通の採用しかやっていなかったら、カヤックさんに入ったと思いますか?

いや、絶対入らなかったと思います。

人事のみよしさん:入ってくれよ(笑)。入ってくれよそこは。

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―「絶対入らなかった」と断言する理由は何でしょう?

いや、そもそも自分の観測範囲に入らなかったと思うんですよ。私、大学ではけっこう堅苦しい、製造業に近い研究室にいたので、Web業界はそもそも観測範囲に入らなかったんです。 カヤックが嫌という話ではなく、たぶん知らなかったと思います。

―研究室では、どういう研究をされていたんでしょうか?

品質管理であるとか、信頼性工学……簡単に言うと、製品がいつ壊れるか、故障するかといった研究をしていましたね。

―たしかに製造業、品質管理の研究をされていたとなると、Webには目が向かないですね。

はい。Web企業に就職なんて全然考えていなかったので。そういった意味では、この採用がなければ、たどり着けていなかっただろうと本当に思いますね。

入社前後で変わった「面白法人」の印象

―入社する前のカヤックの印象は、どうでしたか?

名前しか知らなかったもので、よく分からない会社だなというのが、正直な感想ですね。

―入社したあとは、その印象は変わりましたか?

そうですね。「面白法人」と名乗っていたので、「ちゃらんぽらんな会社なのかな」と思っていたんですけど、実際に入ってみたら、みなさん「まじめに面白さと向き合っているな」と。

本当にはじめは、会社の中でウェイウェイしてるとか、大学の変なサークルみたいなノリなのかなと勝手に思ったんですけど、「ユーザーに面白いものを届けるために、まじめに話し合ってる」と言いますか、真剣に面白さと向き合っていて、そこがはじめの印象とは違うところでしたね。

―入社後、他に驚いたところはありましたか?

あ、ほんとにサイコロ振ってる」という驚きはありましたね。「今日、今月のサイコロなんで、振ってください」とアナウンスがあって、サイコロを振るところがあるので、そこで振って結果を自己入力するんですけど。それはやっぱり、面白かったですね。

kyc082804真剣な表情でサイコロを振る小坂さん。カヤックでは「基本給×(サイコロの出目)%」が給与にプラスされる「サイコロ給」を実施している。

「採用方法」が会社を好きになる理由に

―「私はお茶漬けです」という履歴書、いいですよね。

いや、今にして思うと、そこまでパンチのある投稿でもなかったと思うんですけれどもね。

人事のみよしさん:俺は大好きだよ。紅茶のくだりは最高だったよ。

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―ご本人としてはいかがですか?

正直、ネタとしてのクオリティはそこまで高くないと思っていて、自信はないんです。ただ、この感じが良いんですよね。

―この感じ、というのは?

今みたいに、面接官の方も「面白いと思う」と言ってくれたんですよ。やっぱり自分のやったことに対して「面白い」と言ってもらえるのが、本当にうれしくて。応募したときには何も知らなかった会社ですが、面接でこの会社に本当に好感を持って、「働いてみたいな」と思うようになったんですよね。

―自分が面白いと思ってくれることを、面白がって聞いてくれることが会社への好感につながっていたんですね。

そうですね。それに、なんでも面白がってくれる文化があると感じたので、「この会社だと、ふざけがいがありそうだな」と。お仕事しながら、ふざけることもできて、楽しく働けそうだなという印象を持ちましたね。

入社したあとも、面接内容がアイスブレイクになる

入社した後は、私が「エイプリル採用枠」だということを社員の方が知っていて、「どんなやりとりだったの」とか「どんなウソついたの」と聞いてくれて、それが話すきっかけになったんですよね。

他の社員と仲を深めることにも役に立ちましたし、「変な入り方してきたやつだ」という見られ方なので、僕も気にせず、猫かぶることなく、社内で発言しやすい部分はあります。「エイプリル採用」で入ったからこそ、会社でものびのびと働けているんじゃないかなと思います。

次回は「エゴサーチ採用」で入社した野村岳史さんが登場。 Vol.3は9月8日(金)公開予定です。

【2017年7月‟ヨコハマ展望台”オフィスにて取材:聞き手、撮影 @人事編集部】

企業プロフィール

商号:株式会社カヤック
所在地:【鎌倉オフィス】神奈川県鎌倉市小町2-14-7かまくら春秋スクエア2階
    【‟ヨコハマ展望台”オフィス】神奈川県横浜市西区高島1-1-2横浜三井ビルディング 30F
事業内容:日本的面白コンテンツ事業
設立:1998年 8月 3日 合資会社カヤック 2005年 1月21日 株式会社カヤック
従業員数:正社員・契約社員253名(2016年12月末時点)
URL:https://www.kayac.com/company

【特集:面白法人カヤックインタビュー】

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