コラム

社員に選ばれる会社の人事制度・人材開発


研修ベンダーを選ぶ際に、チェックしておきたい4つのポイント

2017.08.18

  • 教育・研修
  • 組織開発
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企業において研修を実施する場合、社内のスタッフがファシリテーターを行うこともあれば、外部研修会社やコンサルティング会社(以下、研修ベンダーと表記)に依頼することもあるでしょう。研修はコンテンツとファシリテーターが成功要因の大きな割合を占めます。そのため、研修ベンダーは、「前任者からの付き合いだから」「費用が安いから」ということだけで選んではいけないものです。今回は、研修ベンダーの選定における4つのポイントをご紹介したいと思います。

1.研修のゴールは「ビジネス上の成果」に設定する

研修を行う際には、ゴールを設定することが重要です。この場合のゴールというのは「研修を行うこと」ではなく、「研修を行って、どういうビジネス上のインパクトを与えるのか」ということです。例えば、営業部門のスタッフ向けにプレゼンテーション研修を行うならば「顧客へのプレゼンテーションを行うことによって、取引獲得率を5%アップさせる」といった具合に、研修を受けた社員が目指す成果をゴールとして設定します。

このように明確なゴールを設定すると、必然的に受講対象者も明確になってくるので「なんとなく全員受講させる」といったこともなくなります。さらに、研修効果を図る基準が明確になるので、受講者の反応以外にも、アンケートなどで図るべき成果を数値で表すことができ、かつ、その数字に説得力を持たせることができます。

2.まずは周囲から声をかけていく

既に取引がある研修ベンダーがいらっしゃる場合は、まずはそちらに相談してみましょう。それと同時に、人事部門の同僚・上司・部下に、おすすめのベンダーがいないかを聞いてみることも効果的です。本人が人材開発担当の経験がなくとも、以前勤めていた会社で受講した研修で効果が高いと思ったものや、反対に効果が低かったケースなどの話を聞くことができれば、利害関係がない分、精度の高い情報が得られます。

私自身は人事部門におりましたが、事業部門の研修担当者に研修ベンダーを紹介する、あるいは、反対に紹介してもらったこともあります。仮に新たな研修ベンダーにコンタクトするとしても、全くゼロベースでアクセスするのと、「XXさんにご紹介いただいて・・・」と一言添えられているのでは、関係の構築しやすさが大きく変わります。

3.多くの研修ベンダーにコンタクトを取る

既存の研修ベンダーや周囲からの紹介で、ある程度の候補が出たとしても、全く新規の研修ベンダーの開拓は常に行うべきです。Webサイトやセミナーなどで目にしたことがある研修ベンダーなど、気になるところがあればまずは声をかけてみましょう。ネット検索によって「あたり」をつけるといった、地道な作業も時には必要です。

私自身は、できる限り多くのベンダー様にお声がけするようにしました。というのも、全ての研修ベンダーから返答があるとは限らないからです。加えて、研修先を選ぶ経験が浅い場合、研修ベンダーからの回答が「適切なもの」なのかどうかといった、”勘所”もはじめはありません。そういったことも併せて「学習」することができるため、多くの研修ベンダーにコンタクトを取ることには意味があります。

仮に今回の件でご縁がなかったとしても、別の研修を将来的にお願いする可能性もあるでしょう。あるいは全く自分たちが想定していなかったアウトプットを得ることで、新たな展開があるかもしれません。そのため、時間に制約はあるとはいえ、新規開拓も必要です。

多くの研修ベンダーにコンタクトをするのは、研修ベンダーによっては要件を伺った結果、以下の理由で「提案をしない」という選択をすることもあるからです。

  • 自社で要件にあうサービスを提供していない
  • 予算と見積費用に乖離があり、調整が難しい
  • リソース不足のため、仮に受注できたとしても対応できない

こういったことも想定して、最初は多くの研修ベンダーにお声がけすることが得策です。そうではないと、「比較ができない」ばかりか「どこからも提案がもらえず、ゼロからやり直し」ということもありうるからです。研修ベンダーには、最初に「いくつかの会社にお声がけして選定する予定です」とあらかじめ伝えておきましょう。そうすることで、返答のスピードなどに明確な変化があります。

4.研修を担当するファシリテーターは「打ち合わせ」で判断

どういった研修を行うのかというコンテンツも重要ですが、どんなファシリテーターが担当するのかということも重要な判断の一つです。そのため、ファシリテーター候補の方が提案段階の打ち合わせに同席し、ヒアリングなどにも参加している研修ベンダーには、私は高い評価をつけていました。日程も確定していないことが多いので、同席いただくのは「担当候補」にすぎませんが、打ち合わせの段階でファシリテーター候補の方がいれば、その方に合わせた研修日程をその場で検討することもできます。逆に「講師は現段階では確定していない」といった形で、誰一人として候補を提示してこない場合は、あまり研修内容にも期待できない場合が多いです。

提案を依頼する側と依頼される側では、その件に関する知識や背景の掌握度合には明確な差があります。そのため、適切な情報を適切なタイミングで提供し、場合によっては何度か説明や意識合わせを行いましょう。そうすることによって、永く付き合える人材開発のパートナーを得ることができます。

連載企画〈社員に選ばれる会社の人事制度・人材開発〉

執筆者紹介

永見昌彦(ながみ・まさひこ)(Aldoni 代表) 外資系コンサルティングファーム等で人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。人事全般のプランニング・コンサルティング・実務サービスを提供している。「フリーランス人事が言いたいこと。

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