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世界最高水準のリーダー育成法


元GE田口力氏が語る「本物のリーダーを育成するためには」

2015.09.03

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グローバルリーダーの要件とは何か。それらはなぜ必要で、どのように開発すべきか――。
2014年までGEクロトンビル・アジア・パシフィック プログラム・マネージャーとして活躍した田口力氏(株式会社TLCO代表)が、リーダーシップの真髄、リーダーの育成法について語った。
世界最高のリーダー育成機関と言われる「クロトンビル」で、日本人として唯一リーダー研修を任されてきた田口氏のメッセージを紹介する。

目次
  1. 「学ぶことをやめたら、去れ」
  2. マインドフルネスが本物のリーダーを育てる

「学ぶことをやめたら、去れ」

株式会社TLCO代表の田口力氏

席を飛び出し壇上で力説する田口氏

GEがこれまで、どういうリーダーを育成してきたのか、あるいはいまどういうリーダーを育成し続けているのか。田口氏は、グローバルリーダーになるための三要件として、「知力・体力・気力」、「演繹法と帰納法」、「Self-awareness」をあげた。

「極めて当たり前だが」と前置きしながら、「知力・体力・気力」が大切であるとし、その中でも、知力に関しては、「グローバルに活躍できるリーダーは頭が良いのは当たり前で、そこに慢心せず常に学び続ける人間でなければならない。上司から言われた、『If you stop learning, you have to leave GE.(学ぶことをやめたら、GEを去れ)』という言葉は、強烈なメッセージとして残っている」と、自身の体験を踏まえ、リーダーに求められる姿勢について言及した。

「演繹法と帰納法」については、前者を「マネージャーになるのに10年かかるとすれば、事前に研修や本を読むことで(マネージャーになるための答えを導き出し)、その時間を5年にする力」とし、後者は、「10年間ボーっとしてマネージャーをやるのではなく、日々、自分を振り返り、経験から教訓を導き出す力」と説明した。

GEの研修では、「リフレクション」と呼ばれる、その日にどのような気付きがあったのかという振り返りを研修期間中に毎日徹底して行い、経験から教訓を導き出すことを「習慣化」させる。田口氏が日本で現在行っている企業研修のプログラムでも、研修初日に「自分を振り返る」ことを徹底して行うという。

自己に対する気付き、自覚、自己認識といった「Self-awareness」の重要性についても、歴代のCEOの言葉を用いながら次のように強調した。

「ジャック・ウェルチが引退したとき、数多くのメディアから成功の理由を聞かれて、たったひと言『Self-awareness』と答えた。現CEOの、ジェフ・イメルトは『リーダーシップは、終わりのない自分探しの旅だ』と言っている。当たり前のことだが、“自分を知る”ということがリーダーシップのいろはの“い”だ」

マインドフルネスが本物のリーダーを育てる

こうした要件が必要な背景は何なのだろうか。

田口氏はいまのビジネス環境が、元々軍関係者が戦争を表す言葉として使っていたVUCA(Volatility【不安定】、Uncertainty【不確実】、Complexity【複雑性】、Ambiguity【曖昧性】)にあるとし、「我々は戦争の真っ只中にいて、このような状況でもきちんと意思決定ができるリーダーを育成しなければならなかった」と述べた。

GEでは、2011年ごろから、「Leading in times of Uncertainty」や「Leading in times of Ambiguity」といった、曖昧で不確実な時代にどうやってリーダーシップを発揮していけるのかを、大きなテーマに掲げて人材育成を行っているという。

最後に田口氏は日本企業がリーダーを育てるためのアドバイスを送った。
「日本の会社の皆さんは意思決定するのに慎重で100%の情報を欲しがる。70%ぐらいの情報でも意思決定できる胆力、直観力が必要になってくるかもしれない。その胆力や直感力を鍛えるのが『経験を教訓として導く力』や『マインドフルネス』になってくる」

「マインドフルネスを高めることによって、自分への気付きが多くなる。自分への気付きが多くなることによって、交じりっけのない本物のリーダーが育成できると私は信じている。ぜひ、みなさんの会社でもSelf-awarenessを高める具体的な方法として、マインドフルネスを活用していただきたい」

この記事は「Human Capital2015」での取材をもとに構成しています。

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