コラム

残業ゼロを目指して


「仕事に取りかかるまでの手順」を短くする

2017.08.08

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、ベストセラー作家・佐々木正悟さんの連載企画。今回は、スピーディに仕事に取りかかるためのノウハウを掘り下げます。

重要な仕事ほど人は身構えてしまう

「あれこれ悩まず、大事な仕事にサクッと取りかかるべきである」

これは仕事を早めに終わらせるための基本原則ですが、意外と簡単ではありません。

本当に重要な仕事だと思えば思うほど構えてしまって、いろんな準備をしてからでないと取りかかれないと思い込み、「準備に十分な時間が取れない限り、その仕事には取りかからない」といった時間浪費のパターンにはまりがちです。

かくいう私自身、週間連載の原稿を書くときにはけっこう構えてしまっていて、特に連載当初の4〜5回までは「取りかかるまでに30分」といった失敗をくり返していました。

取りかかるまでの時間を「ゼロ」にはできない

ほとんどの人は「大事な仕事に取りかかるまでの時間」をゼロにすることはできません。

たとえば、返信しにくいメールなどのことを考えてみましょう。

該当メールを開くなり、いきなり返信の文章を書き出して、誤字脱字を見直して、ポチリと返信ボタンをクリックする、というわけにはいかない人が多いのではないでしょうか。

メールを開いて、しばらく内容について煩悶し、コーヒーをすすりながら同僚に愚痴をこぼし、相手の怒りを買わないメール草稿を練り直し、ネガティブな感情と闘いながらおもむろに「お返事が遅れて大変申し訳ございません」という一文を打ち込んだところで、続きは明日にする。そんな行動を取ってしまう方も多いのではないでしょうか?

もちろん、時間をじっくりかけて丁寧にメール文面を練ったほうが「より良いメール」が書けるということはあるかもしれません。しかし、1分で文章を書いても、1時間かけて何度も書き直しても、意外なほど文章のレベルは変わらないものです。

この現象は、「メールを書くためにかかっている時間」の多くが、実は「文面に関係のない、悩んでいる時間」だったりするせいです。長い時間をかけたからといって、その全ての時間を「文章の質の向上」にあてられるものではありません。

手順をリストアップして、そのリストに素直に従う

元々、悩みがちな性格だという方もいますし、「悩まないようにすればいい」というアドバイスは良い解決策だとは思えません。

むしろ、悩むことは仕方ないことだと開き直り、それはそれとして「手は別に動かす」という方針を持つほうが現実的だと思います。

自身の例に戻りますと、私は「どうしたら連載記事を書く時間(毎週木曜の朝11時としています)が来たとき、すぐさま記事を書き出せるか」を考えました。

そのために使用したのが、このリストです。

リストの作成方法は単純で「記事を書くために必要なこと」を、朝11時が来たら手順を追えるよう、ナンバリングしておきます。

実際のナンバリングとリストは、以下の通りです。

1.Evernoteの「題材フォルダ」から題材を選ぶ

2.テキストエディタUlyssesを開く

3.Ulyssesに定型文書を貼り付ける

4.1行目に1で選んだ題材をコピー&ペーストする

5.タイマーを15分にセットする

6.タイマーが切れるまでに、自身で決めた文量(今回は1800字)を必ず超えるように原稿を書く

7.タイマーが鳴ったら、改めて15分セットする

8.タイマーが切れるまでに、誤字脱字を修正しながら原稿を編集する。

このやり方が確立して以来、30分で下書きの文書を書き上げられるようになりました。以前は、ややもすると30分間悩んでいるだけでしたから、自分としてはたいした進歩です。

「内容で悩むこと」と「次の手順を考えること」を切り分ける

人間である以上、悩むことは仕方がないことです。しかし「悩みながら次の手順を考える」と、たいてい時間をムダにすることになります。なぜなら、悩むだけでも頭に大きな負担がかかっているからです。

悩むのはかまわないと割り切って「次の手順」を見つけられるように、いつでも手元にたぐり寄せられる「手順リスト」を作っておく。

このことが、「悩むだけの時間」から自分を開放してくれます。

連載コラム〈残業ゼロを目指して〉

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)『iPhone情報整理術』(技術評論社)などがある。

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