コラム

残業ゼロを目指して


「仕事がうまくいったパターン」を繰り返してみる

2017.07.27

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、ベストセラー作家・佐々木正悟さんの連載企画。
今回は、仕事をがうまくいく「パターン」について考えます。

目次
  1. 原因を探す前に、まず繰り返してみる
  2. 一見ムダなことに「パターン」が隠れている
  3. 妻と長話をした日ほど、仕事がはかどっている
  4. パターンを繰り返す中で見えてきた、仕事がはかどる「原因」
  5. 「うまくいったパターン」を見出すためのワークログ
  6. 「うまくいった原因」は、すぐにはっきりとは分からない

原因を探す前に、まず繰り返してみる

私たちは原因を知りたがる動物であるため、ただ単に「うまくいっただけのパターン」を繰り返すということは苦手です。意識的にやらなければ、なかなかできるようになりません。

しかし、「原因はともかくとして、うまくいったパターンを繰り返してみる」というのは意外とうまくいくものです。やっているうちに「原因」までわかってくるということもあります。

一見ムダなことに「パターン」が隠れている

たとえば私は朝食後、妻と雑談を毎日90分前後しています。

これ自体は「ホッとするいい話」かもしれませんが、それにしても午前中の大事な時間帯に90分というのは長すぎです。この時間をうまく使えば、書籍原稿を3本分書けます。

こんなふうに言うと「息詰まる時間管理魔みたいに思われるかもしれませんが、だれもが「残業残業」で息つく間もなくなっている中、午前中に1時間半もおしゃべりに興じているというのは、ちょっとなんとかしたいと思ってしまうものです。

しかし、私自身はなんともせず、妻とのおしゃべりを今も続けています。なぜなら、この時間によって「パターン」を確立できるからです。

妻と長話をした日ほど、仕事がはかどっている

妻の機嫌は、一定ではありません。私自身とくらべても、安定していません。そして妻の機嫌というものは、私の仕事の生産性にかなり直結しているわけです。

結婚当初は決してそうは思っていませんでした。だから、少なくとも朝食後1時間以上も妻の話を聞くことなど、ほとんどありませんでした。

しかし、仕事が行き詰まってきたりすると、現実逃避から家族と駄弁っていたくもなります。そして、そういう時ほど、仕事が進むのです。

最初は単なる偶然の一致と考えていました。

しかしやがて、妻と長話をした日ほど、仕事がはかどるという「パターン」の発生率が極めて高いことに気づきます。

こういうと単なるのろけっぽくも聞こえるかもしれませんが、私の感覚では、そうではないのです。これは単なる「妻のご機嫌取り」でしかないのですが、それが大事だということに、後々気づかされるわけです。

パターンを繰り返す中で見えてきた、仕事がはかどる「原因」

妻は、機嫌が悪くなると私の仕事を妨害します。それは大人なので、目に見えてすぐわかるようなやり方ではないのですが、非常に手の込んだやり口で、結局は妨害しにかかります。妻にしても、意識的にやっているかどうかはちょっとわかりません。妻はもしかして無意識にやっているのかもしれないし、その可能性は低くないと思います。

私の例は家庭のお話ですが、これに近いことは、実は職場でも起きています。私の会社員時代の経験からしても、「上司が私の仕事妨害する」ことは、一度や二度ではありませんでした。おそらく、彼にも悪気はなかったのだろうと思います。

実は、こうした状況を思い返すことで、私には仕事がはかどる原因が見えてきました。シンプルに生産性を向上させるには、本来の生産活動と何の関係もないことでも「あえて手立てを講じる」必要があるのです。私は、妻の機嫌取りに時間を使うことを「投資だ」と思うようになりました。

そしてこのことは、「うまくいったパターン」を、なぜうまくいったかも分からず踏襲することによって、理解できたことなのです。

「うまくいったパターン」を見出すためのワークログ

iphoneアプリのたすくま

私はたすくまというアプリで、上の画像のような行動記録を一日中にわたって残してあります。
文字通り朝起きてから夜寝るまでです。

記録を残すだけなので、難しいことはありません。
こういうのをお見せすると「ここまで細かいのは不要なので、大事なことだけを記録したい」という方が必ずいらっしゃいますが、ここで重要なのは「大事なことかどうかを事前に見分ける方法はない」ということです。

「うまくいった原因」は、すぐにはっきりとは分からない

うまくいったパターンがあったとして、その時にわかるのはただ「今日はこう行動したらうまくいった」という結果だけです。なぜうまくいったかの原因は、少なくともすぐにはわからないのです。

残業をあまりせずに済んだとして、その日は仕事が少なかったのかもしれないし、いつも長引く会議が短く済んだのかもしれないし、苦手な同僚が休んでいたのかもしれません。

何が原因かはわからなくても、たまたまうまくいった「パターン」が残っていれば、それを踏襲することは可能です。繰り返しやってみて、うまくいくようなら、そのパターンの中になにか原因があるということが見えてきます。そのうちに「どうすればうまくいく」のかも分かってくるわけです。

だからこのような記録は「大事なことだけ」を残すのは私に言わせれば不可能で、細大漏らさず記録すること自体が欠かせないのです。

連載コラム〈残業ゼロを目指して〉

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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