企画

ダイバーシティの今


女性が輝く柔軟なキャリアパスを目指して

2015.08.28

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女性、外国人、高齢者、障害者を含め、一人一人が能力を最大限発揮して価値創造に参加できる社会を目指す「ダイバーシティ」が、企業の経営戦略の一つとして進められている。経済産業省によると、「ダイバーシティ経営」とは、「多様な人材が持つ能力を最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」を指す。(参考:「ダイバーシティ経営企業100選」【経済産業省】)

「まずは女性活躍推進から」と一歩を踏み出し始めた企業も少なくない。しかし現実には、例えば「女性管理職を30%以上にする」などと目標を掲げたものの、施策の効果検証が行き届いていないケースや、現場のニーズとかい離してしまっているケースもある。今回は、「総合職女性の現場のニーズ」を汲み取ったダイバーシティを推進策について、女性活躍を主軸にダイバーシティ推進担当を設けた中堅企業の推進担当者の声を拾った。

目次
  1. 総合職の女性のキャリアパスが描けない
  2. 現場の総合職女性が望む「真の柔軟なキャリアパス」とは?

総合職の女性のキャリアパスが描けない

同社はまだ総合職の女性の採用が始まって10年未満で、総合職の女性が産休・育休取得後も希望に沿ったキャリアを継続できる体制づくりが急務であるという。

「具体的には、昨年からダイバーシティ推進担当と人事担当者がタッグを組み、総合職の女性社員に対する課題ヒアリングを始めています。ヒアリングの中で浮かび上がってきた問題点は、総合職の女性の『キャリアパスの不明瞭さ・周囲の理解の不足』でした」

「例えば、営業部門を希望していたのに、女性の方が明らかに総務や広報など管理部門に配属される確率が高くてやる気を失ってしまうという声がありました。また、総合職の女性で管理職になるケースが少ないためにロールモデルが不在で、キャリアパスを描きづらいという課題もあります」

前者の課題に対しては、今年から女性社員を営業部門にも積極的に配属・異動させるなど、前向きな動きも見られている。しかし、後者の「ロールモデルの不在」については、女性管理職が育つまでには時間がかかるそうだ。社外の女性総合職との交流の機会を定期的に作ることで、悩みや解決策を共有することができ、多少なりとも解決の糸口がつかめるのではないだろうか。

現場の総合職女性が望む「真の柔軟なキャリアパス」とは?

バリバリ働きたいと思っていてもマミートラックへの移行を余儀なくされ、産前のやりがいある仕事の一線から外れてしまったことで、やる気がそがれるケースもよく耳にする。子育てとの両立と一口に言っても、家庭の事情や女性社員のキャリアパスの希望など、一人一人のニーズに応じた配属や業務内容・分量の調整が必要になるのは言うまでもない。こうした状況で、現場の社員はどんな制度・配慮を求めているのだろうか。

「ヒアリングで要望が多かったのは、全国転勤のある総合職と、勤務地を固定し業務量を少し軽減できるエリア限定職とを柔軟に変更できる制度です。全国転勤からエリア限定職に変更すると、『戦力外とみなされ、キャリアアップは目指せないのではないか』と危惧する声も聞きます。定期的に変更の希望を出せる制度が実現すれば、こうした負のイメージは払しょくされるのではないでしょうか」

同社ではこうして吸い上げた現場のニーズを反映した施策をトップにプレゼンし、実現に向けて動いていく途上である。「バリキャリ」「ゆるキャリ」の二軸に分けるのではなく、女性が希望やライフスタイルに合わせて路線を柔軟に変更できる制度の実現がますます重要になってくるだろう。


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執筆者紹介

松尾美里(まつお・みさと) 日本インタビュアー協会認定インタビュアー/ライター。教育出版社を経て、2015年より本の要約サイトを運営する株式会社フライヤー(https://www.flierinc.com/)に参画。ライフワークとして、面白い生き方の実践者にインタビューを行い、「人や団体の可能性やビジョンを引き出すプロジェクト」を進行中。ブログは教育×キャリアインタビュー(http://edu-serendipity.seesaa.net/)。

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