コラム

残業ゼロを目指して


仕事ができる人ほどメモを取る? 「とにかくメモ」することの大切さ

2017.07.20

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、ベストセラー作家・佐々木正悟さんの連載企画。
今回は、ついつい書き忘れてしまう「メモ」の大切さを掘り下げます。

目次
  1. とにかくメモを取る人
  2. 体裁も技法も無視してメモをする
  3. メモに共通の「コツ」はない
  4. メモの成果物がすぐに送られてくる
  5. 「人がやらないことをやっている」から差がつく

とにかくメモを取る人

編集さんと打ち合わせたり、セミナーを共催する人と話したりしていて、とにかくよくメモするなあ、という人にたまに出会います。私より年上だとか、社会人経験が多いとかいったこととは関係なく、私と話している最中にも片端からメモしていく、という人がいて驚かされます。

特に編集さんの中には、目の前でパソコンを広げ、ガシガシ打っていくという方がいます。かと思えば、とにかく「ざっくばらんに」といった感じで、まったくメモをしない人もいます。同じ職業でも、スタイルは本当にさまざまです。

体裁も技法も無視してメモをする

メモする人には1つの共通点があります。彼らは仕事ができる人が非常に多いということです。スピードもあるし、仕事をよくする、という印象を受けます。

私自身は「たすくま」というアプリを使って、ひたすら気がついたことをメモしてはEvernoteに送っているのですが、ただEvernoteに送ればいいだけであれば、「FastEver」というアプリを使ってもいいでしょう。あるいは紙の手帳でもかまいません。

今回私がお伝えしたいのは「体裁も技法もいっさい無視してとにかくメモしまくる」ことの大切さです。

メモに共通の「コツ」はない

しばしば「メモ術」というものが披瀝され、本にもなったりします。私はそういうのをやたらと好むので、ずいぶん買って読みましたが、実際に目の前でメモする人たちを見ていると、彼らに共通することはただ1つ。「とにかくメモる」に徹しているところです。

大事なことと大事でないことを分けるとか、TPOをわきまえるとか、そういうことをしません。とにかくひたすら、速記者のようにメモる。なにか私が口走ると、メモしている。

メモる道具もまるでバラバラです。紙にメモを取る人もあれば、パソコンを開く人もあり、iPhoneという人もいます。録音機の人もいます。とにかく誰もが、手を動かします。

メモの成果物がすぐに送られてくる

こういう人と接していて次に驚かされるのが、メモを送ってくる速度です。この種の人はほとんど場合、ひたすら書いたメモを、そのままといっていいくらい体裁を改めることなく、メールで送ってきてくれます。

はっきりいってそれは文書と言えないレベルの「メモ」です。さすがに手書きそのものだったり、音声ファイルだったりはしませんが、ひたすらメモといったものが、そのままポンとやって来ます。

それをどうしてくれとか、まとめてくれといった依頼があるわけではなく「とりあえず共有しておきます」なのです。

ところがこれが、後で必ずといっていいほど役立ちます。つくづく思うのですが、自分がしゃべっている大半がメモしてあるということは、そうでない場合とくらべて「拘束力」が明らかに違います

「〇月×日は△の原稿が書き上がると約束した」と言われた際に、メモにそれと同じ内容が書いてあれば、なるほど自分がそうしゃべったと信じざるを得なくなります。メモがなかったら「そうではない」と言い張れそうな流れの中の会話であっても、メモがあれば話が全く違ってくる。その日までに仕事を仕上げようという意欲が高まり、他の仕事に対する優先順位も上げざるを得なくなります。

確認に取られる手間や、言った言わないの諍いもありませんから、結果として、仕事が進むのが明確に速くなるのです。

 「人がやらないことをやっている」から差がつく

ここでこうした記事を書いても、「メモは大事」になんの目新しさも感じられないでしょう。たいていの人は、「そんなことはわかりきっている。大したアイディアではない」ということで、メモしないという従来の姿勢を貫くはずです。だからこそ、メモをする人の相対的価値が高いのです。

メモする人に、常になにか特別な能力があるとは言いません。見出しの付け方がうまいとか、取捨選択がうまいとか、そんなことはないのです。喋っていることをただ箇条書きにメモするだけ、という人がほとんどです。しかしそれが効くのです。

メモする人になにか特別な能力があるかといえば、「とにかくどんなときでもどんなことでもメモを取る気になれる」ところかもしれません。

連載コラム〈残業ゼロを目指して〉

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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