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求職者は、ロボットよりも若者を恐れている?

2017.07.13

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全米人材マネジメント協会(SHRM)は先ごろ、「求職者はロボットよりも人間との競争を危惧している(Job Seekers Feel More Threatened by Human Competition than Robots)」と題した記事を掲載した。テクノロジーに精通した若い世代の労働力参入や仕事の自動化(オートメーション)に対する懸念について訊ねた最新の調査内容が報じられている。(以下、抄訳)

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「若年層」と「自動化」は、どちらがより脅威か?

この調査は、人事ソフトウェア企業ジョブヴァイトが、アメリカ国内の労働者(失業者を含む)約2300人を対象に行ったもので、過去の求職体験や今後の仕事展望について訊ねた。

回答者のほぼ4人に1人は、「ジェネレーションZ(およそ現在20歳以下の人)の労働力参入をやや脅威に感じる」と回答。その一方で、「今後5年間で、自分の仕事が自動化されることを懸念している」と答えた人は15%だった。

ジョブヴァイトのマーケティング担当副社長のマット・シンガーは、若年世代の台頭への不安について、「経済がますますスキルベース労働へとシフトしつつあるので、テクノロジーに精通した若い世代が労働力に参入することで、報酬の良い仕事の競争率が高くなる」ことに由来すると指摘。

またオートメーションに対する懸念については、「過去数年間、ずいぶんと話題になってきたが、この不安が薄れてきたことが見て取れる」と指摘。2016年の調査では、今回の2倍以上の39%の回答者がオートメーションへの懸念を示したが、いまや人々のより大きな関心は、「雇用市場の需要が(単純労働から)知識労働へとシフトしていること」だと言い、「こうした仕事が本格的に自動化されるのはまだ遠い先のことだ」と述べている。

都市部の労働者や失業者の方が、将来に対して不安が大きい

調査では、居住地や雇用状態によっても、今後の展望に違いが見られた。オートメーションへの懸念は、都市部の労働者と地方の労働者を比較した場合、都市部の労働者の方が懸念する回答者が多いことが分かった。失業者と従業者を比較した場合では、失業者の方がオートメーションを懸念する人が多かった。また失業者の間では、従業者と比べて、ジェネレーションZへの懸念も高かった。

「国外からの移民が仕事機会への脅威となるか?」との質問には、「はい」と答えた人は全体の1割に過ぎなかった。しかしサービス(20%)、建設(27%)、鉱業(58%)など一部の産業ではその割合が高かった。

トランプ政権で仕事の見通しはどうなる? 回答は真っ二つに

「ドナルド・トランプ大統領が政権に就いたことで、今後4年の仕事の見通しは改善するか、それとも悪化するか」との質問には、37%が「悪化する」、35%が「改善する」と答え、ほぼ回答が二分した。

男女で比較した場合、男性の方がトランプ政権への期待度が高く(男性41%:女性29%)、年齢別では55歳以上の労働者の45%が「改善する」と答えたのに対し、18~22歳では19%にとどまった。また大卒者と非大卒者の比較では、大卒者の方が「悪化する」と答えた人が多かった(42%:32%)。

シンガーはこの結果について、「アメリカの労働力の分断を如実に示している。今後4年の展望については、悲観する人と楽観する人の割合がほぼ拮抗していた」とコメント。

その他、SHRMは重要な調査結果として、次の項目を挙げている。

  • 46%の回答者が、「2017年は前年よりも職探しが困難になった」と答えた。
  • 64%の回答者が、「現在の仕事に満足している」とした一方で、81%は「転職機会があれば前向きに検討する」とした。
  • 42%の回答者が、「1~5年毎に転職する」と答えており、転職理由のトップは「より高い報酬を得るため」(30%)。一方で、48%の回答者は「今より面白くて熱意を持てる仕事を得るためならば、少なくとも10%の減給は受け入れる」とも答えた。
  • 半数の回答者が、「昨年1年間で、とくに今の職場を去る意志はないが、他社の面接を1回以上受けた」と答えた。若い世代ではとりわけその割合が高かった。
  • 35%の回答者が、「現在もしくは直近の仕事をリファラル採用(社員の紹介・推薦による採用)で得た」と答えた。ジョブヴァイトのデータによれば、リファラル採用による候補者は、他のすべての候補者と比較して採用される確率が5倍高く、オンラインを含む求人掲示板からの応募者のみと比較した場合、採用率が15倍高い。
  • 求職活動に利用するSNSは、トップが「フェイスブック」(25%)で、次点が「LinkedIn」(23%)。ただし18~29歳に限定した場合は、「インスタグラム」がトップだった。
  • 過去に採用オファーを辞退した理由のトップは「報酬額に失望した」(42%)で、「通勤が困難だった」(23%)、「企業文化が合わなかった」(13%)が続いた。

参考:Job Seekers Feel More Threatened by Human Competition than Robots (June 26 2017)|SOCIETY FOR HUMAN RESOURCE MANAGEMENT

翻訳編集=櫻谷知央

【編集部より】アメリカの労働事情について、この他の記事はこちら。

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