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女性管理職が少ないのは、能力不足が理由ではない-米フォーチュン誌

2017.06.16

  • ダイバーシティ
  • 女性活躍推進
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米フォーチュン誌は先ごろ、「取締役会がいまだに男性に支配されている理由(Why Men Still Dominate Corporate Boardrooms)」と題した記事を掲載した。著者は女性の権利向上を目指すNPOアテナ・アライアンスのココ・ブラウンCEO。

多くの企業において均一的で排他的な集団が上級役職を独占している原因として「内集団バイアス(in-group bias)」の存在を挙げ、これを克服して女性やマイノリティ人材を積極的に登用していく必要性を説いている。(以下、抄訳)

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人は、自分と似た人間を無意識に偏重する

ブラウンはアメリカの産業界の上層部に蔓延する内集団バイアスについて、「すでにテーブルに就いている人間は、自分のネットワーク内のお気に入りの人間で、隣の空席を埋めようとする。そしてこのネットワークは多くの場合、仲間内だけで排他的に構成されている」と指摘。

ブラウンによれば、この「仲間内」とは、多くの企業では「白人男性」と同義となる。これらの人々は、企業の上級幹部を選ぶ際に(自分の仲間である)他の白人男性ばかりを無意識に偏重するため、女性を始めとするマイノリティには分け入るチャンスがほとんどないという。

「企業リーダーの多くは、Cスイート(企業幹部)や取締役会に男女格差があるのは、有能な女性が足りないせいだと主張する。だが上層部における女性不足は、能力的な問題ではない。それはネットワークの問題なのだ」とブラウンは言う。

男女不平等はビジネス的にも損失をもたらす

ブラウンによれば、こうした内集団バイアスは事業的にも損失をもたらす。モルガン・スタンレーとピーターソン国際経済研究所の研究では、取締役会と上級幹部クラスにおいて男女平等度が高い企業は、そうでない企業より収益率が高いと報告された。またマッキンゼーの研究では、組織内のすべての役職レベルにおいて、多様性の増加は収益増加につながるという結果が出ている。

「男性指導者の多くは、これらの研究結果を承知しており、重役レベルにおける平等拡大はビジネス上の利益をもたらすことを認識している」とブラウンは言う。

しかしながら、「自分こそがそれを実現するのだという当事者意識を持つ男性指導者はほとんどいない」と彼女は言い、これはいわゆる「傍観者効果(bystander effect)」によるもので、彼らは「誰か他の人が行動するはずだから、自分はやらなくてもいい」と考えているという。

「毎年、企業役員の女性比率が1%しか増えないという有り様では、アメリカの産業界が最上級役職において男女平等を達成するのは少なく見積もって30年後だ。この遅々としたペースは容認できるものではない」とブラウンは言う。

多様性改善のカギは「ネットワークの外に目を向けること」

ブラウンは公開会社では非公開会社に比べて、取締役会の男女平等度が高いと指摘し(それでも公開会社の取締役会の82%を男性が占めている)、こうした企業が率先して女性や有色人種などの多様性を擁護していくべき、と主張。これには「既知の個人的ネットワークの外側に目を向けていくこと」が必須だという。

「取締役会のドアを女性に閉ざしている『えこひいき』は、非常に深刻な問題だが、解決可能なものだ。力を持つ人間が平等に向けて行動を起こせば、取締役会の多様性のバランスは良い方向に変化していくだろう」とブラウンは結んでいる。

参考:Why Men Still Dominate Corporate Boardrooms(June 7 2017)|Fortune

翻訳編集=櫻谷知央

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