国内・海外ヘッドライン

海外人事ニュース


相手のついている嘘を見破る4つのステップ

2017.05.19

  • 面接
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

米専門家が語った、相手の嘘を見破る方法

全米人材マネジメント協会(SHRM)は先ごろ、「いかに嘘つきを見抜くか?」と題した記事を掲載した。著者は同協会エディターのダナ・ウィルキー。先日SHRMが主催した人事関係者向けの会合で、嘘発見の専門家が行った講演内容がまとめられている。(以下、抄訳)

***

質問は「冷静に、整然と、事実に即して」訊ねる

講演を行ったのはレインズ・フェルドマン社のコンサルタント、フィリップ・マトリン。彼はまず冒頭で、一般的に嘘を見抜くのに有効とされている「ボディ・ランゲージ」の観察は、嘘発見の最良の方法ではなく、ヒントのひとつに過ぎない、と述べた。

「真実を話しても相手に信じてもらえない、そう考えてナーバスになる人もいる。ボディ・ランゲージはあくまで手がかりとすべきだ」

マトリンは企業や検察官、弁護士相手の豊富なコンサルティング経験から、「警察や検察には容疑者をはなから有罪と決めてかかって尋問する人が多いが、これは有効な手段ではない」と語り、その論拠としてある録音テープを流した。

このテープは、2007年にラリー・クレイグ米上院議員が空港のトイレでわいせつ行為を働いた疑いで逮捕された事件で、警察官が議員を尋問した際に録音されたもの。マトリンによると、この警察官は「冷静に、整然と、事実に即して質問を訊ねるのではなく、論争的かつ対立的で攻撃的な物言いをしたため、議員からほとんど有用な情報を引き出せなかった」。

「企業の人事担当者も(社員の聞き取りを行う際は)こうした傾向を免れない」とマトリンは指摘。

「あなたの肩書きが『人事』だからといって、相手がおとなしく従うとは限らない。大事なのは、オープン・エンド(答えを制約しない)な質問を訊ねることであり、相手の答えに耳を傾け、秩序だって聞き取りを進めていくことだ」

相手の嘘を見抜く「READ」システム

マトリンは虚偽検出の有効な手段として、自身の開発した「READ」というシステムを教えている。READは「Research(調査)」、「Examine(尋問)」、「Analyze(分析)」、「Doubt(懐疑)」という4つの単語の頭文字を取っている。彼は4つのステップについて次のように解説した。

第1ステップ:Research(調査)

不正の疑いのある社員を尋問する前には、まずは細部までしっかりと調査を行うこと、とマトリンは主張。この際には会計帳簿、メール、パソコンの履歴、監視カメラの映像などの素材を調べ上げる。「被疑者のことを知り、目撃者のことを知ること。そして前もって尋問の戦略を立てること」。

第2ステップ:Examine(尋問)

次の「Examine(尋問)」の段階では、実際に相手から聞き取りを行うが、その際には「相手に嫌われないこと」がコツだという。攻撃的で非難がましい尋問を行えば、相手は口を閉ざしてしまい、虚偽の告白にすら繋がりかねない、とマトリンは主張。

「相手にとって魅力的になるよう努めること。あなたは情報を求めており、そのためには相手に語らせる必要がある。そして相手に語らせる最良の方法は、友好的に接することだ。相手に自分自身の言葉でものを語らせる。チャンスを与えてやると、相手の口からとんでもない情報が引き出せることがある」

マトリンはこれに関する具体例を挙げた。店員が売上金を着服している疑いがあるとき、頭の切れる尋問官はまず証拠固めを行う。製品原価が上がっているにも関わらず、売上額が不自然に低い。売上記録をチェックして、監視カメラの販売取引の回数と照らし合わせる。こうして証拠固めを行ったあとでも、尋問でははなから手の内を明かすことはせず、まずはオープンエンドで無害な質問をする。「最近、店の売上はどうだい?」など。

「相手の好きなようにしゃべらせると良い。もし店員が、万事順調で売上も好調だ、などと言ったら、もう首根っこを掴んだようなものだ。相手の話は、こちらが持つ確固たるエビデンスと食い違っているからだ」

第3ステップ:Analyze(分析)

相手に話を語らせたあとは、「Analyze(分析)」を行う。

「嘘つきの話は筋が通らない。話の信ぴょう性が低く、論理性に欠ける。事実の相違が多く、細部が曖昧となる」

こう述べたのちにマトリンは、俳優兼コメディアンのビル・コスビーが複数の女性より性的暴行の廉で訴えられた事件でのニュース局によるインタビュー映像を流した。インタビュアーが、「あなたは告発者の誰かを暴行しましたか?」と率直に訊ねたところ、コスビーは意味不明な返答を口走ったのちに、「現実とは状況のことであり、私には話すことはできない」と締めくくった。

マトリンは、嘘をついている人に多く見られる傾向として、受け身の構文を多用すること、発言に一貫性がないこと、率直な質問を回避するために話題を変えること、などを挙げた。「真実を語る人は、個人的で具体的に物事を描写する。表現力がより豊かで、コミュニケーションに積極的だ」

第4ステップ:doubt(懐疑)

調査、尋問、分析という3段階を経て、被疑者が嘘をついていると疑うに至ったとしても、最後の「doubt(懐疑)」の段階で、一歩下がって自らの結論のあら探しをすることが重要だ、とマトリンは述べた。

「相手が神経質になっているのは、正直さの表れかもしれない。感情とは、その源泉が決してわからないものだ。相手の緊張や、怒り、恐怖の理由はこちらには知れない。自らの好奇心を頼りにするといい。嘘を見抜くことに最も長けた人とは、自らの直感を信じる人ではなく、好奇心旺盛な人だ」

How Do You Catch a Liar? (April 28 2017)|SOCIETY FOR HUMAN RESOURCE MANAGEMENT

翻訳編集=櫻谷知央

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

あわせて読みたい

あわせて読みたい