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企業のニーズに応えられる人材がいない……「スキルギャップ」の深刻化―米調査

2017.04.21

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米求人サイト「キャリアビルダー」は先ごろ、自社で行った「スキルギャップ」に関する調査内容を発表した。スキルギャップとは、雇用主が求人で求めているスキルと求職者が実際に有するスキルが異なっている状態を指す。雇用主の6割以上が「適切な人材が見つからないため、求人が埋まらない」と答えるなど、スキルギャップの深刻化が明らかになっている。(以下、抄訳)

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キャリアビルダーはアメリカ国内の雇用主・従業者約2300人を対象に2回にわたり調査を実施。

これによれば、雇用主の60%が「現在12週間以上埋まらない求人がある」と答えた。人事担当者らによると、この欠員により生じる平均損害額は1社当たり年間80万ドル(≒8700万円)に上る。

「これは現代の最も厄介な経済的難問の1つだ。なぜおよそ750万人ものアメリカ人が失業状態にあり、さらに正社員職が見つからずパートタイム職に甘んじる人や、職探しをすっかり放棄した人が数百万単位でいるにもかかわらず、雇用主は自社のポジションを埋める人材が見つけられないのか?」とキャリアビルダーは問いかける。

調査によれば、2017年第1四半期に自社のフルタイム正規社員を増員すると答えた雇用主のうち、68%が「現在、資格要件を満たす候補者が見つからない空きポジションがある」と答えた。従業員数50人以下の企業ではその割合は49%だったが、51~250人、251~500人、501人以上の企業ではいずれも7割を超えていた。

「毎月の求人件数と採用件数のギャップはどんどん広がっている。初級社員から経営幹部まであらゆる職務レベルで、企業は人材探しに苦労している」とキャリアビルダーのマット・ファーガソンCEOは言う。

「市場には著しい需給の不均衡があり、これは企業に百万ドル単位の損害をもたらしている」

スキルギャップは全産業的な問題

この需給の不均衡は、特定の産業や職種にかぎった問題ではない。キャリアビルダーと労働市場データベース「Emsi」のデータによると、以下の10職種は、いずれも求人件数と採用件数に大きなギャップがあった。(カッコ内は2016年の月間平均採用件数と求人件数)

  • 内科医(採用1588、求人4万9466)
  • 大型トラック運転手(採用10万6780、求人149万5132)
  • マーケティング・マネージャー(採用8628、求人8万498)
  • 情報セキュリティ・アナリスト(採用3929、求人3万2103)
  • ウェブ・デベロッパー(採用6955、求人4万6950)
  • インダストリアル・エンジニア(採用8156、求人4万8749)
  • 製品プロモーター(採用6375、求人3万1221)
  • セールス・マネージャー(採用1万7745、求人6万5161)
  • 人事マネージャー(採用6183、求人2万2040)
  • フィナンシャル・マネージャー(採用2万3180、求人5万3775)

雇用主と従業者の双方が抱える問題

「スキルギャップの増大を危惧しているか?」との質問には、67%の雇用主が「はい」と答えた。

さらに55%の雇用主は、「欠員状態が長引くことで自社の事業に悪影響が見られる」としており、具体的な影響としては「生産性の低下」(45%)、「離職者の増加」(40%)、「モラルの低下」(39%)、「仕事の質の劣化」(37%)、「事業成長の停滞」(29%)、「収益の低下」(26%)などが挙がった。

一方で、スキルギャップを懸念しているのは従業者も変わらない。20%の従業者が「自分のスキルは時代遅れと感じる」としており、57%は「新しいスキルを学んで、もっと待遇が良く充実した仕事に就きたい」と答えたが、その内半数は「余裕がないためそれが叶わない」と述べている。

The Skills Gap is Costing Companies Nearly $1 Million Annually, According to New CareerBuilder Survey (April 13 2017)|PR Newswire

翻訳編集=櫻谷知央

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