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メールと会話、人にものを頼むのはどちらが効果的なのか?―米調査

2017.04.19

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人に何かものごとをお願いしたいとき、多数の人間にメールで頼むのと、少数の知り合いに顔を合わせて頼むのは、どちらが効果的なのか?――ハーバード・ビジネス・レビュー誌は先ごろ、アメリカの研究者らが実施したこんな研究内容を報じた。(以下、抄訳)

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調査を実施したのは米コーネル大学のヴァネッサ・ボーンズら。彼女によると、我々は文字ベースと口頭のコミュニケーションの説得力を比較した場合、前者を過大評価し、後者を過小評価する傾向があるという。

ボーンズらは第1回の調査で、45人の実験参加者に対して、それぞれ10人の他人に対して、簡単なアンケートの記入を依頼するよう求めた。参加者は全員、同じ台本に従って同一の依頼を行った。異なる点は、半数はEメールでアンケート依頼を行い、もう半数は口頭で直接依頼を行ったこと。

まず結果を述べれば、アンケートの回答率は、口頭での依頼の方がEメールよりもはるかに高かった。これは過去の調査例からも予想済みだった、とボーンズは言う。

ただし注目すべき点は、実験開始前に参加者に対して、「10人の他人のうち何人がアンケートに回答してくれると思うか?」と訊ねた質問に対する答えで、口頭での依頼者の平均がおよそ5人だったのに対し、Eメールの依頼者の平均は約5.5人で、ほとんど違いは見られなかった。

つまり参加者らはEメールを使ったアンケート依頼の効果について、口頭での依頼と同じくらい自信を抱いていた。しかしふたを開けてみれば、両者の回答率にはなんと「34倍」もの開きがあったという。

「なぜ我々は、これほど明白な差があるにも関わらず、Eメールの依頼は口頭での依頼と同じくらい効果的だと考えてしまうのか?」とボーンズは問いかけ、次のような推測を示している。

「我々の研究では、参加者らは自らの信頼性や、(簡単で害のないアンケートを依頼するという)行為の正当性にすっかり順応していた。この前提があったおかげで、彼らはメールの受信者の反応を正しく予想することができなかった。つまり『怪しげなリンクをクリックするよう訊ねる不審なメール』という(相手からすれば当然の)反応のことだ」

この推測を踏まえて、ボーンズらが同様の調査をもう一度実施したところ判明したのは、「対面でのインタラクション(交流)において、依頼者が伝達する非言語的サイン(例:身ぶりや表情など)により、依頼の正当性に関する相手の捉え方が180度変わる」ことだったという。

実験結果を踏まえて、ボーンズは企業関係者に次のような提言をしている。

「もしあなたのオフィスが、メールや文字ベースのコミュニケーションを主に利用しているならば、会話でのコミュニケーションの効果をいま一度見直すことを検討すべきだ。文字ベースの伝達は、誰かに直接語りかけるより簡単で快適であることが多い。だがそうしたメディアの効果を過信すると、日常的に――そして無意識に――効果の低いコミュニケーション手段を選択することになりかねない」

A Face-to-Face Request Is 34 Times More Successful than an Email (April 11 2017)|Harvard Business Review

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