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コラム

林修三先生のなるほど人事講座


即戦力を無駄にしないために…中途採用社員を職場に馴染ませる4つのパターン

2017.05.08

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今年新卒社員を採用した会社ですと、新人を研修している頃でしょうか。新人であれば、良くも悪くもまっさらな状態ですので自社の社風や業務フローに馴染ませていくことは比較的容易かと思います。

しかし、これが中途採用の社員になりますと、どうやって職場に馴染んでいってもらうかというのは、人事部署にとっては大きな課題になります。今回はこの「中途採用社員の職場への馴染ませ方」について述べていきたいと思います。

目次
  1. 中途社員が「他社で身に付けた仕事スタイル」とどう向き合うか
  2. 「自社」と「中途社員」それぞれの軸から対応を考える
  3. 大切なのは「より良くするために」という意識

中途社員が「他社で身に付けた仕事スタイル」とどう向き合うか

中途採用社員というのは、ほとんどの場合過去にどこかの企業で仕事をしてきているわけですから、当然ながら過去に在籍した企業の社風であったり業務フローなりが染み付いています。その他社で染み付いた仕事の進め方に本人がどこまでこだわるかは人それぞれで変わってきます。また、自社として、中途採用社員個々の仕事スタイルをどこまで許容するかというのも会社それぞれの判断になってきます。
まずはこの観点から自社の現状を理解するところからが、中途採用社員への対応策を考えるスタートになります。

「自社」と「中途社員」それぞれの軸から対応を考える

一つの方法ですが、

・中途社員:自社の仕事の進め方にひたすら従っていく(やり方に従う)/過去に身につけた仕事の進め方でゴリ押しする(やり方を変えない)
・自社:自社の仕事の進め方に完全に矯正したい(自社の進め方に合わせる)/他社の仕事の進め方の良いところを取り入れたい(他社の良いところを取り入れる)

という軸でマトリックスを考えてみます。

中途社員の対応策マトリクス

これによって求められる対応が変わることになります。

(1)の場合

両者のベクトルが一致している状態ですので、特に問題はありません。
ただ、本人が委縮していたり、やりにくそうにしている様子が見受けられる場合には、別途話を聞いてあげるなどの対応が必要になってきます。

(2)の場合

両者のベクトルが明確に衝突している状態ですので、本人に自社の仕事の進め方に従っていくように指導していく必要があります。
この時、頭ごなしに指導をしてしまうとモチベーションの低下につながっていきますので、本人の過去の仕事の進め方自体は否定せず、あくまで自社での仕事の進め方がなぜ必要なのか、あるいは、なぜこのような進め方になっているのかという視点から指導していくことがポイントです。

(3)の場合

自社としては「中途採用社員が持っている他社(元職場)の考え方や進め方」を吸収していきたいにも関わらず、本人がそれを出そうとしない状態です。単に本人が極めて従順で自社(現職場)に合わせようとしているだけのこともありますが、多くの場合、従来のやり方を意図的に控えて自社のやり方を吸収しようとしている状況だと思われます。
そこで、頃合い(概ね入社後1~3カ月)を見計らって面談をし、本人の過去を尊重する意思を示しながら、自社の仕事の進め方と他社での仕事の進め方との違いについてヒアリングしていきましょう。合わせて、本人なりの改善案を語ってもらえれば尚良しです。

(4)の場合

一見両者のベクトルが重なっているようにも見えますが、実は4つの区分の中では最も対応が難しい状態です。
自社としては、あえて波紋を起こさせてプラス方向の化学変化が起きていくことを期待したいところですが、放置すれば化学変化ではなく本人が完全に浮いていくことになりますし、抑え込めば本人が潜在的な不満分子と化してしまいます。
この状態の場合、本人をケアするだけではなく、関係する既存社員(あるいは部署)全体をもケアの対象として広げていく必要が出てきます。まずは本人にヒアリングや指導(この時、本人の自尊心等を傷つけないような配慮してください)を行い、そこで出てきた材料を元に関係社員(あるいは部署)全体でのミーティングを行い、現状の業務フローの改善点を話し合うという流れにしていくのが理想的です。

大切なのは「より良くするために」という意識

ここまで4つの区分に分けてお話をしてきましたが、自社の状態がどの区分であろうとも、大切なのは「より良くするためにはどうすれば良いか?」という点を本人や既存社員に意識をさせながら対応をしていく、ということです。これにより、両者が感情的なしこりを持ってしまうことを防いでいくことが可能となり、スムーズに馴染んでいくことができることでしょう。


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執筆者紹介

林修三(はやし・しゅうぞう)(株式会社ヒュームコンサルティング代表取締役) 1975年生まれ。仙台市在住。東北大学法学部を卒業後、大手自動車部品メーカーの経営企画職~IT企業の人事・採用職を経て現職。現在は東北地方の複数の大学でキャリア系科目講師として学生の就職指導に努めるほか、人事・採用コンサルタントとしても活動中。

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