コラム

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残業見直しの前に…「約束を守る」ことの重要性を再認識しましょう

2017.04.14

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今回は、「方法論」というよりもいささか「精神論」めいていてとても恐縮なのですが、どうしてもどこかで書いておきたいことなので、この機会に書かせていただきます。

(前回の記事:長時間労働を減らすには、「約束リスト」を作るべし!

私は、「約束を守る」ということのイメージを、今よりもずっと「良いもの」にしていきたいのです。

「約束を守る」なんて、つまらない?

というのも、世の中ではどうも「約束を守るだけ」ということのイメージが、私が期待するよりもずっと低く受け止められている気がして、しかたがないのです。

たとえば私自身は物書きですが、「納期にはとにかくきちんと間に合わせる人」と言われたとすると、それは「一応褒められている」のでしょうが、一歩間違うと「それ以外には何の取り柄もない人」のようにも読めてしまいます。

小説家や漫画家さんで、特に売れっ子ともなると、「締め切り前には蒸発する人」くらいがむしろ「いいイメージ」になっているような気すら、します。

締め切りは守らないし、打ち合わせの時間には現れないし、約束という約束を全部すっぽかす。
というような「伝説」が何か「天才や名人」には欠かせないものであるかのように、面白エピソードとして紹介されます。

たしかに読む分には面白いし、「天才や名人」ともなると仕事の依頼も狂気とも言うべきレベルになるでしょうから、「約束を守れなくても仕方がない」とは思います。

でもそれは「仕方がないこと」であって、「誇るべき事」ではないでしょう。

一方で、前述したとおりの「約束だけはちゃんと守る人」のイメージというのは、たしかに読んで面白いものではないし、酒豪的な狂気のエピソードに乏しい。

締め切り前に仕事を仕上げる。
打ち合わせの時間には10分前から必ず居る。
約束はすぐに手帳に書く。

たしかに、面白いイメージはないですね。官僚的で、芸術的でも作家的でもありません。「官僚的」といっていいイメージを想像する人は、とても少ないでしょう。

でも関係者はとても助かるはず

とはいえ、作品に限らず、新サービスなどが納期に間に合うというのは、関係者がとても助かることのはず。

セミナーなどで参加者さんから相談を受けることも、

・仕事を依頼した人が、約束通りに仕上げてくれなかったケースの対策はどうすればいいのですか?
・仕事の依頼引き受けてくれた人が、締め切り日を過ぎてから、依頼内容についてすでに伝達したはずのことを再度、問い合わせてくるのですが……。

といったものがとても多いのです。

こういう「問題」への「対策」というのは、言ってみれば「相手の分まで自分の仕事にしてしまう」ようなものです。行き過ぎれば、「他人のマネージャーをやっている」事になりかねません。

ということは、関係者がきちんと締め切りを守り、依頼内容を最初から手帳などに書き留めておいてくれて(かつそれをなくしたりせず、未来になっても自分でメモ内容を判読できるのであれば)、それだけでいくらかの仕事はせずに済み、使える時間が増えるわけです。

もっと言えば、他人のマネージャーをまったくしなくてもいいだけで、仕事が減るはずです

私は以前、打ち合わせに10分ほど遅れてしまったことがありました。その際、10分遅れると、電車に乗る前に先方にメールしました。

たったそれだけのことで、「佐々木さんは、作家さんなのに、約束を守るし、こまかな連絡までくれてすごいですね」などとほめていただきました。これには衝撃を受けました。遅刻して褒められたわけですから。

仕事を一緒にすることになる関係者からすれば、私が芸術的でなくても、クリエイティブでなくても、もちろん天才でなくても、ただ「約束の時間に間に合うように電車に乗る」だけでもけっこう助かるということでしょう。私が1時間なにも言わず遅刻しても、仕事であれば1時間待たないわけにはいかない方もいらっしゃるでしょうし、そういう場合には、1時間、遅くまで仕事をしていなければならなくなるわけです。

残業を減らすとか、残業をゼロにするには、仕事の関係者がみんな、納期や約束や打ち合わせの時間を守ったほうが、守らないよりずっと達成しやすくなるのです

そのためには、約束を守るということのイメージをもっと高めないとと、思うわけです。約束を守るというのは、どんなときでもそう簡単ではないのに、ちゃんと守っても「便利だけどつまらない人」と思われるようでは、モチベーションがだだ下がりします。

まして「天才ならむしろ約束など守るはずがない」というのが当たり前では、約束を守るのは簡単ではないのに、守っても「凡庸と思われるだけ」となってしまって、なかなか約束が守られにくくなってしまうというものです。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)『iPhone情報整理術』(技術評論社)などがある。

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