コラム

仕事がデキる人事・総務のビジネスメール術


【第6回】新入社員研修でこれだけは伝えておきたい5つのポイント

2017.03.31

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新入社員が入社し、人事・総務担当者は研修の準備や講師として登壇するなど忙しいころではないでしょうか。その研修について、昨年このような問い合わせをいただきました。
「配属先の管理職から、新入社員がビジネスメールの書き方を知らないため研修で指導をしてほしいと言われているが、教え方がわからない」
メールひとつで会社の信用を失うこともあり、軽視できるような問題ではありません。そこで今回はビジネスメールの専門家に、どのような指導をすれば良いのかを聞きました。

「こう使うだろう」という思い込みをやめさせ、相手に読みやすくわかりやすく書くことの重要性を伝える

名刺交換や接遇などの研修はあっても、ピジネスメール研修を実施している企業はl割もありません。また、先輩も上司も学んだことがないため、指導が難しいピジネスメール。そこで、今からビジネスメールを使う新入社員だからこそ伝えておきたい5つのポイントについてご紹介いたします。「ビジネスメール実態調査 2016」(一般社団法人日本ビジネスメール協会)

ポイント1:基本型を守り、わかりやすく書くこと

ビジネスメールには、①宛名、②挨拶、③名乗り、④要旨、⑤詳細、⑥締めの挨拶、⑦署名という型があります。
これらの要素をこの順番で盛り込めば、最低限のビジネスマナーの形に沿ったメールが書ける最も基本的で重要な内容です。一見複雑そうですが「電話をかけたときに伝えることと同じ順番で同じ内容である」と伝えましょう。

ポイント2:表現は一般的なビジネスマナーに沿って、わかりやすく

例えば「殿」は目下の人に使う、「御中様」とは書かない。こうした宛名の書き方や敬語の使い方等はビジネスメールに限ったルールではなく、一般的なビジネスマナーのため、今後も常に自分から学ぼうとする姿勢が必要であることを伝えてください。
また、「ご査収ください」「ご指導ご鞭撻」等のフレーズを使うことがビジネスメールだと思い、こうした言葉ばかり並べる人もいます。
普段使わない言葉を使いすぎると、メールに違和感がでますし、心づかいを盛り込もうとするあまりクッション言葉やビジネスフレーズの利用が増えると、何が言いたいかわかりにくいくどいメールになりがちです。ビジネスメールは、相手に読みやすく、わかりやすく書くことが重要であるという理解が最初に必要です。

ポイント3:社内のパソコンメール利用に関する、ルールや規則について

メール利用について、新入社員が失敗してから周囲がルールや規則を伝えていなかったことが判明した、ということにならないよう気をつけましょう。
例えば、個人(自宅)のメールアドレスへ転送した、大容量のファイル送信で定められていない外部のサービスを使った等があげられます。
致命的なものはCCに複数のアドレスを入れて送信し、個人情報を流出させてしまった等、外部に影響が出てしまうものです。「そんな社内規則があるとは知らなかった」「そこまで教えていなかった」ということにならないようにするためにも、そもそも「メールを使うときのルール」について伝えるべき事項の確認をしましょう。

ポイント4:社内独自ルールなのか、一般的なビジネスメールマナーなのか

例えば役職に様をつける「係長様」「課長様」という表現です。これはビジネスマナーの視点で見れば二重敬称に当たります。上司や先輩は社内ではこの表現を使い、社外では〇〇課長もしくは、課長〇〇様と、使い分けている場合、新入社員は社内のやりとりのメールから学ぼうとするため、きちんと伝えないとミスをしやすい環境にあります。
過去にあった事例では、社内の暗黙のルールとして、メールは「〇〇確認しておいて」と1行で用件だけを送り、社外にはビジネスマナーに沿って書き分けを行うという運用をしていた企業の新入社員が、外部にも用件だけを1行書いて送り、先方を怒らせてしまったことがありました。

ポイント5:そもそもメールを使う場面か

30分後の会議が中止になった。個人情報を紛失したかもしれない。謝罪の場面である。こうした場合はビジネスメールではなく、電話や対面が優先です。
また、メールで状況の説明をするのが難しく、文章や書き方に苦慮して20~30分を要するのであれば、電話で10分話した方が効率が良いのは間違いありません。メールで来たからといってメールで返す必要はなく、重要度、緊急度、時と場合によって使い分けを行うように最初に指導しましょう。

まとめ

新入社員の起こすミスは、本人のビジネス力が原因と言い切ることはできません。ポイント4では、上司のメールを見て学んでいることから「社員教育ができていない」と、企業に対する批判の声もあります。教える側の責任も重大。ぜひ、メールの書き方や使う場面も含めて指導するポイントとして、参考にしていただきたく思います。

新入社員のメール文の添削例:「新入社員・田中が取引先へ引継ぎの挨拶訪問した後、送ったフォローメール」の改善

【改善前】

株式会社ABCシステムズ
 システム開発部 山田部長様
(二重敬称は、原則× 社内では利用される文化があるならその説明を行う)

 平成29年4月1日付けで、Z商事に入社しました田中太郎で御座います。先日はお忙しいところお時間を頂戴いたしまして誠に有難う御座いました。
 ご挨拶時にお伝えさせていただいた通りですが、本年度より私が貴社との定例会の日程調整等の担当を前任の山本より引継がせていただく運びとなりました。貴社の〇〇についてのプロジェクトは、上司からも非常にニーズの高いものであると事前に聞いておりましたので、私自身大変勉強になり、これからご一緒させていただける機会をとても楽しみにしております。これからも是非ご指導ご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。何かございましたら、お電話でも、メールでもお気軽にご連絡いただければと思います。
まだまだ頼りないことかと存じますが、精一杯務めさせていただきます。

・要素2の「挨拶」が抜けている。
・要素4の「要旨」が抜けている。このメールを送信した目的が一目で理解できない
・要旨6の「締めの挨拶」が抜けている。
・硬い表現やビジネスフレーズを無理に入れる必要はない。
(例:誠に、ご指導ご鞭撻等)
・漢字を使いすぎると、読みにくく、また硬い印象を与える。
(例:有難う 御座います)
・全体的に改行、1行あけが少なく見にくい。
・丁寧に描こうとする人ほどクッション言葉をふんだんに入れビジネスフレーズを多用した文章を書く傾向があるので「一読で内容が伝わるように書くことがビジネスメールでは重要」である旨を、指導する。

………………………………………………
田中太郎(たなかたろう)
Z商事株式会社 営業部
電話:03-****-**** FAX:03-****-****
Mail:tanaka@zchouji.******
HP:http://************
営業時間:8:30~18:00
………………………………………………

 

【改善例】

株式会社ABCシステムズ
システム開発部 部長
山田様

お世話になっております。
Z商事営業部の田中太郎です。

先日はお忙しいところお時間を頂戴し
ありがとうございました。

ご挨拶時にお伝えさせていただいた通り、
貴社との定例会の日程調整等に関して、前任山本より引継ぎ
私が担当をさせていただくことになりました。

まだまだ頼りないことかと存じますが
精一杯務めさせていただきます。
何かございましたら、お電話でも、メールでも
お気軽にご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

………………………………………………
田中太郎(たなかたろう)
Z商事株式会社 営業部
電話:03-****-**** FAX:03-****-****
Mail:tanaka@zchouji.******
HP:http://************
営業時間:8:30~18:00
………………………………………………

執筆者紹介

長野ゆか(ながの・ゆか)(一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師、オフィスミカサ代表) 元大阪府八尾市職員。市民からのメールでの疑問、要望、苦情対応から大手企業の社員等とのやり取りまで、実務経験が豊富。送受信実績は10万通を超える。講演や執筆活動を通じてビジネスメール教育の普及に携わる。


■一般社団法人日本ビジネスメール協会
電話:03-5577-3210
メール:info@businessmail.or.jp
ホームページ:http://businessmail.or.jp/

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