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忙しい人が「沈黙を育む」ことの利点―米ハーバード・ビジネス・レビュー誌

2017.03.27

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米ハーバード・ビジネス・レビュー誌より、「忙しい人ほど、静寂な時間を必要としている」と題した記事を紹介する。著者は組織コンサルタントのジャスティン・タルボット=ゾーンら。仕事や日々の雑音から逃れて「沈黙を育む」ことの利点と、その実践に向けた具体的なアドバイスが述べられている。(以下、抄訳)

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「近年の研究により、沈黙の時間を取ることは神経系を回復させ、活力の持続を助け、我々の心を整える働きがあることが示されている。これにより、今日の複雑な生活・労働環境への適応や反応がしやすくなる」と著者らは書き、その論拠として以下の研究例を挙げる。

  • 米デューク大学の最近の研究で、沈黙は海馬内の新しい細胞の成長と関連があることがわかった。海馬は学習と記憶を司る脳の部位。
  • 医師のルチアーノ・ベルナルディの研究では、「ヒーリング音楽」に分類される楽曲のあいだに2分間の沈黙を挟むことは、音楽そのものより心臓血管や呼吸器系を安定させる働きがあることが示された。
  • 2013年に「環境心理学ジャーナル」誌に掲載された労働者4万3000人を対象とした研究によると、「オープンオフィス」設計に付随する騒音や雑音などの不利益は、同僚との自由交流から得られるモラルや生産性の増加などの予想される(が、立証はされていない)利点を上回る。

「沈黙を育むことは、オフィスのおしゃべりやSNSからの小休止だけが目的ではない。本物の持続的沈黙は、明晰かつ創造的な思考を促進するものであり、外側だけでなく内側の『ざわめき』も静まらせる」

「常に言語的課題に囚われていると――次に何を言い、何を書き、何をツイートするか――真に革新的な視点や、劇的に新しいアイデアが生まれる余地は少なくなる。深いレベルで耳を傾けて注意を払うモードに入ることが難しくなるのだ」

どんなに忙しいひとでも、持続的な静寂の時間を育むことは可能だ、と著者らは言い、以下の4つの実際的なヒントを与えている。

会議の合間を5分間の静寂で区切る

オフィスのドアを閉じる、公園のベンチに避難する、どこか静かな隠れ家を探す、などの方法を取れば、沈黙の内に瞑想や省察を実践して、リセットボタンを押すことができる。

自然のなかで静かな午後を過ごす

スマートフォンの電源を切って、ただ自然のなかを2、3時間散歩してみる。著者らの経験則から言って、自然に溶け込むことは創造的思考能力を向上させる上でもっとも確実に役立つという。『森の生活』で知られるヘンリー・デヴィッド・ソローが森で生活したのには訳があったのだ。

メディア断食をする

電子メールを数時間もしくは丸1日チェックしないようにする、もしくはニュースや娯楽からの「断食」を試してみる。こうしてもまだ様々なノイズは存在するが(家族、会話、生活音など)、途切れることない仕事の連絡に対応したり、SNSやニュースを追いかけたり、という作業に関連した頭脳の部位を休ませることができる。

瞑想リトリートに参加してみる

リトリート(retreat)とは、避難所、合宿などの意。最近では瞑想やマインドフルネス・プラクティスを主題としたリトリートが多く開催されている。短い期間のリトリートでも耳をすませて直観を働かせる構えを養うことに役立つ。沈黙リトリートに参加したジャーナリストの談は、「究極のデトックス」。

「世界はどんどんうるさくなっているが、沈黙はまだ手に入るものだ。必要なのはそれを育むためのコミットメントと創造性だ」と著者らは最後に述べている。

The Busier You Are, the More You Need Quiet Time (March 17 2017)|Harvard Business Review

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