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働く人に最も魅力的な世界の都市―AIRINC社調査

2017.03.17

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グローバル調査企業「AIRINC」は、世界の400以上の都市を対象に金銭面・生活面での就労条件についての調査を行い、働く人に最も魅力的な都市のランキングを発表した。(以下、抄訳)

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AIRINCは今回の調査で、3種類のランキングを発表。

1つめは金銭面のランキングで、給与、税金、生活費などのデータをまとめて、各都市の標準的給与の純購買力を計算したのちに、同一通貨に換算して都市ごとにスコアを割り当てたもの。

2つめは生活面のランキングで、生活条件、社会福祉、治安(犯罪率、医療水準など)、不快度(気候、地理的隔絶、文化的・精神的隔絶など)、不便さ(住宅供給、娯楽、商品・サービス、教育施設など)などの指標を組み合わせて、各都市のスコアを算出した。

3つめは総合ランキングで、金銭面と生活面のスコアを60:40の割合で足したもの。金銭ランキングがやや優先されているのは、「金銭面での利便性を十分に確保すれば、生活面での不便の一部は克服できるため」という理由によるもの。

それぞれのランキング結果は以下のとおり。

金銭面で最も魅力的な上位10都市

  1. マナーマ(バーレーン)
  2. ジョージタウン(ケイマン諸島)
  3. チューリヒ(スイス)
  4. ジュネーヴ(スイス)
  5. リヤド(サウジアラビア)
  6. クウェート市(クウェート)
  7. ルクセンブルク市(ルクセンブルク)
  8. マカオ
  9. アンマン(ヨルダン)
  10. シアトル(アメリカ)

生活面で最も魅力的な上位10都市

  1. チューリヒ(スイス)
  2. ウィーン(オーストリア)
  3. ロンドン(イギリス)
  4. ミュンヘン(ドイツ)
  5. ベルリン(ドイツ)
  6. コペンハーゲン(デンマーク)
  7. ジュネーヴ(スイス)
  8. トロント(カナダ)
  9. メルボルン(オーストラリア)
  10. ダブリン(アイルランド)

総合ランキング「働く人に最も魅力的な都市トップ10」

  1. チューリヒ(スイス)
  2.  ジュネーヴ(スイス)
  3. ルクセンブルク市(ルクセンブルク)
  4. ミュンヘン(ドイツ)
  5. ウィーン(オーストリア)
  6. ニューヨーク市(アメリカ)
  7. ベルリン(ドイツ)
  8. トロント(カナダ)
  9. カルガリー(カナダ)
  10. サンフランシスコ(アメリカ)

以下は、エコノミストのケヴィン・ランドールによるコメントの要約。

このランキングは、生活面と金銭面の条件のトレードオフを表す良い例だ。

たとえばオーストラリアのメルボルンは気候、文化、ワークライフ・バランスなどの面で、世界で最も住みやすい都市の1つとして知られ、多くの移住者を集めて急速に発展してきた。だがメルボルンは生活費が高く、さらにオーストラリアは税金も高い。このため生活ランキングではトップ10入りしても、金銭ランキングでは外れた。

これとは反対のケースがバーレーンのマナーマで、金銭面では第1位にも関わらず、生活条件のスコアが全般的に低いため、総合ランキングでは51位にまで沈んでいる。

一方で、給与は比較的低く、税金が中程度でも、ローコストで高い生活水準を享受できるカルガリー(総合9位)のような都市もある。これは、給与の額面がすべてではないことを示す好例だ。重要なのは、所得が持つ本当の購買力だ。

生活面のランキングでは、ヨーロッパの小都市が多くランクインした。この要因としては、これらの都市では大都市と比較して住宅費がリーズナブルであること、さらにヨーロッパ諸国の社会福祉や福利厚生、教育水準の高さが挙げられる。

金銭面のランキングはより多様性に富んでいる。これらの都市はいずれも給与水準が高く、その多くは税金や生活費が安い。たとえばジョージタウン、マカオ、マナーマなどの都市では所得税はゼロか、あるいは非常に低い水準に抑えられている。

今後もっとも気になる点は、いつアジアや新興諸国の都市が総合ランキングでトップ10入りするかだ(現在シンガポールが14位でアジア最高位。東京は44位、大阪は53位)。時系列データによると、アジア・新興国都市への人材移住は増加傾向にある。このトレンドが継続するとともに、イギリスのEU離脱や米トランプ政権の政策などの地政学的展開が進むとすれば、世界の魅力的な都市の分布図が変化していく可能性はある。

The Most Attractive Cities to Move to for Work (March 6 2017)|Harvard Business Review

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