テクノロジーによって働き方改革をサポート
グーグルが企業向けに2つのプログラム提供を開始
2017.03.15
グーグルは2014年10月にテクノロジーを活用した、柔軟で効率の良い働き方を支援する「Women Will」プロジェクトを発足。パートナー企業・団体とともに、新しい働き方の実現を目指して様々な実験・調査、提案を行ってきました。
その結果を受けて、2017年3月15日に企業の働き方改革をサポートするための2つのプログラムの提供をスタート。これまでのトライアルにおける調査分析と新プログラムについて、都内で記者発表会が行われました。
31社とともに「未来の働き方トライアル」を実施
Women Willプロジェクトのリーダーを務める山本裕介氏
多くの企業でいま、働き方改革が進められています。しかし、グーグルが20代~50代の会社員の男女、約3000人にアンケート調査をしたところ、約81.4%が「働き方改革は推進されていない」と回答しました。
また、働き方改革が推進されない理由として、約68.7%が「推進の方法が分からない」と答えています。経営者も従業員も、具体的に何から始めればいいのか悩んでいることが分かりました。
そこで、グーグルのWomen Willプロジェクトは、2016年に有識者の監修のもと、31社の延べ2000人の社員とともに、テクノロジーを活用した働き方改革を実証研究する「未来の働き方トライアル」を実施しました。
Women Willプロジェクトのリーダーを務める山本裕介氏は「未来の働き方トライアルの基本概念は、効果の出るテーマにフォーカスし、テクノロジーを活用すること」と説明します。
取り組み内容と期間を明確に設定し、会社全体で始めるのではなくモデル部署を選定して実験。モデル部署はメンバー全員が参加します。また、事前事後アンケートで定量的に効果を計測しました。
トライしたテーマは、以下の3つ。
1.Work Anywhere-在宅で仕事をする
2.Work Simply-会議の無駄を減らす
3.Work Shorter-決めた時間に帰る
これらのテーマが実現できるよう、グーグルは在宅勤務におけるテレビ会議の使い方や、スケジューラーを使った、より効率的な業務内容の共有方法など、解決策を提案。
その結果、「Work Anywhere」のテーマでは、「在宅勤務でできる仕事は限られる」と回答した人が取り組み前は47.1%だったのに対し、取り組み後は11.8%になりました。「在宅勤務によって業務に支障が出る」と答えた人も、取り組み前の32.4%から2.9%に減少しました。
「Work Simply」のテーマでは、65.9%が「会議時間が短縮した」と回答。「Work Shorter」のテーマでは、「〆切や納期内に業務が終わらない不安がある」と答えた人が、取り組み前の54.9%から24.7%に減少し、実際に平均勤務時間が8~9時間から7~8時間に短縮されました。さらに、76.2%の企業が「人件費を削減できた」と回答しました。
経営層・人事・管理職向けのガイドブックと、従業員向けのeラーニングツール
未来の働き方トライアルで得られた知見をもとに、グーグルは2017年3月15日より2つのプログラムの提供を開始します。
ひとつは、経営層・人事・管理職向けの、働き方改革を推進するためのマニュアル、「Women Will 働き方改革 推進ガイド」。各種調査結果などを踏まえ、定量的なデータ、社員の生の声、企業の事例などをサイトで公開します。
「ただの事例集ではなく、実際に推進する上で有効なものを作りたいと考えました」と山本氏が語るように、課題とその解決方法の紹介にとどまらず、「明日から働き方改革を始めるための7つのステップ」とチェックリストによって、自分たちに今必要とされる具体的なステップを把握できるようになっています。
もうひとつが、従業員向けに開発されたeラーニングツール「働き方改革 実践トレーニング」。 それぞれの働き方に合わせ、従業員がぶつかる「突発的な予定・依頼で帰れない!」「在宅勤務時の必要な資料はどう持ち帰る?」といった課題・疑問に対して、テクノロジーを活用した解決方法を提案してくれるツールです。ログインは必要なく、サイトはいつでもPCやスマホで見ることができます。
記者発表会の後半では、経済産業省の経済社会政策室長・藤澤秀昭氏も登壇し、「働き方改革は、真剣にやればやるほど、最初はコストもパワーもかかり、成長が落ちるように感じるかもしれません。でも、継続することで最初の谷を乗り越え、業績アップのフェーズに移行できます。経営者は、やり続ける覚悟をもつことが必要です」と呼びかけました。
まずは、一つの部署や小さな取り組みから始めて会社全体に広めていくのが働き方改革成功のカギ。グーグルの新プログラムは、企業の働き方改革を後押ししてくれる強力なツールになりそうです。活用を検討してみてはいかがでしょうか。
執筆者紹介
尾越まり恵(おごし・まりえ) フリーランスライター。福岡県北九州市生まれ。結婚情報誌ゼクシィの制作に携わり、2011年に独立。「女性の生き方」をテーマに取材・執筆を続けている。福山雅治、ホークスが好き。
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