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日本人は本当に働き過ぎているのか?「働き方を考えるカンファレンス2017」レポート

2017.03.01

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一般社団法人at Will Workは、2017年2月15日、虎ノ門ヒルズにて「働き方を考えるカンファレンス2017」を開催した。

当イベントは人と企業の「これからの働き方」や「理想の働き方」を考え、企業・個人の「働き方の選択」に貢献することを目的に、世界中で起こっている働き方のパラダイムシフトにおける最新情報を共有した。今回は、スペシャルセッション「日本人は本当に働き過ぎているのか?」にフォーカスしてレポートする。

目次
  1. 「どう働きたいか」より「どう生きたいか」
  2. 時代遅れのルールを変える
  3. 残業するほど暇じゃない

「どう働きたいか」より「どう生きたいか」

少子化ジャーナリスト・相模女子大学客員教授の白河桃子氏⓵

まず、少子化ジャーナリスト・相模女子大学客員教授の白河桃子氏が現状の課題について述べた。

「どれだけ働くべきかはさておき、外資系の人からは『日本企業に勤める人はお金をもらっていないのに働きすぎだ』と言われていますよね。この点は女性問題も絡んでいて、韓国と日本の女性は無償労働が多く睡眠時間が短いというデータがあります。世界の男性の平均労働時間を上回り、自分の時間がない。家庭との両立を目指すなら、過度に働かせないための条例も必要です」

慶應義塾大学名誉教授・東洋大学教授の竹中平蔵氏⓵

続いて、慶應義塾大学名誉教授・東洋大学教授の竹中平蔵氏が、「働きすぎ」の判断基準について言及した。

「時間的観点から見れば、当然働きすぎです。しかし『価値を創出する』という意味であれば働きすぎではないでしょう。ここで言いたいことは、どう働きたいかの前にどう生きたいのかが重要だということです。働くことにより何を実現したいのか。それを考えられているのがベストの状態であり、そのために必要な分働いているのであれば、それほど不満も出ないでしょう。今は企業と個人の間に『終身雇用を望む代わりに転勤や残業は許容する』といった御恩と奉公の関係性ができてしまっている。これは不健全な関係だと感じますね」

どれだけの人が「労働により何を得たいか」考える時間を作っているだろうか。竹中氏は「ただ残業に時間を費やす前に、自分の頭で考える時間を増やすことが必要」と提言した。

時代遅れのルールを変える

柔軟な働き方が必要だとは言われているものの、実際には働き方を選べる人と選べない人がいる。日本企業の仕組みが固定化している中、働き方をどう変えればいいのだろうか。

少子化ジャーナリスト・相模女子大学客員教授の白河桃子氏②と慶應義塾大学名誉教授・東洋大学教授の竹中平蔵氏②

竹中氏は、日本企業のテンプレートとも言える「終身雇用・年功序列」は戦後のルールであり、比較的新しいものだと指摘した。

「だから、終身雇用・年功序列というルールは絶対的なものではありません。そもそも戦後から時代は大きく変わっていて、当時のルールは現代に適していないでしょう。どういう働き方が良いかを議論する場合、制度・政策の話と個人の生き方の話がごっちゃになりがちですが、まずは制度をどう変えるかの議論が必要です。制度が変われば、それに応じて変化する企業と変化しない企業が出てくる。変化しない企業は適応できませんから、存続しないでしょう。社会を動かすためには制度を変えるべきなんです。そうして初めて、時代に合ったいい企業が出てきます」

労働には守らなければいけないルールがある。現状では雇う側の企業が強く、雇われる側の個人が弱い。だからこそ、弱い個人を守るルールを作るべきなのだ。例えば時間制で働く職種であれば、時間管理するルールが絶対に必要だ。竹中氏は、ルールを整えた後に「個人の働き方」にまで議論が及ぶと述べた。

続いて、白河氏が仕事の効率化について提言した。

「労働時間に終わりがあるかどうか、も重要です。際限なく仕事ができてしまうと、どうしてもだらけてしまう。時間的制限を設けて、いかに効率的に仕事を終わらせるかを考えなければなりません。しっかりリミットを設定して『昼間に全力でやってください』という風潮を作り、圧倒的に生産性が上がった事例もあります」

残業するほど暇じゃない

株式会社HARES 代表取締役の西村創一郎氏

株式会社HARES 代表取締役の西村創一郎氏は、長時間労働のイメージがある企業での勤務経験を持つ。実際は、仕事ができてさえいれば時間的制約はなく、比較的自由に帰宅できたそうだ。しかし、家庭を持つようになってからは両立できなくなったと言う。

「子どもと過ごしたいと思っても、リモートワークができなければ十分に時間を取れませんでした。育休制度はありましたが、実際に取得するのは難しかった。結局、自分の働き方を変えるために退職を選択したんです。それからは自分の働き方をデザインすることで、今までよりも生産性が上がっていきました」

西村氏は政府や企業側の制度改革も必要だが、個人の意識も変わらなければ意味がなく、自分自身が働き方を選べる状態を作っていくべきだと述べた。

最後に竹中氏は、制度と人が好循環していくような仕組みを作っていくべきだと結んだ。

「『残業するほど暇じゃない』というキャッチコピーがあって、いいコピーだと感じました。個人レベルで『目の前の仕事で残業するほど暇じゃない』というメンタリティを持つことが重要です」

「日本人は本当に働きすぎているのか」の資料

残業文化の終焉は、国の政策・企業の制度・個人の意識の3つが変わって初めて訪れる。まずは自分自身の働く目的、そして理想の働き方を見つめ直してはいかがだろうか。

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執筆者紹介

萩原かおり(はぎわら・かおり) フリーランスのライター・編集者。美容と心理が専門で、婚活パーティーの取材人数は200人を超える。三度の飯と執筆が同じくらい好き。求人・化粧品・社史制作を経て独立。現在は執筆業を中心に、取材記事から広告・LP・メルマガ作成まで幅広く活動中。休日はエステとジムに通い詰める美容オタク。 https://note.mu/hagitaro1010

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