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企業レビューサイトは誰の役に立つのか?―米グラスドアCEOインタビュー

2017.02.16

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全米人材マネジメント協会(SHRM)は先ごろ、近年急成長を遂げた企業レビューサイト「グラスドア(Glassdoor)」のロバート・ホーマンCEOへのインタビューを掲載した。

グラスドアは、口コミサイト「Yelp」(日本でいう「食べログ」に近い)のようなレビュー投稿機能を持つ求職情報サイトで、ユーザーは採用プロセス、企業文化、給与レベル、経営スタイルなど、働く企業に関するさまざまな意見・評価を投稿することができる。現在レビュー対象企業は、190か国・60万社に上る。

月間3400万人を引きつけるマンモスサイトへと発展したグラスドアは、しばしば人事関係者に困惑をもたらしてきた。彼らはユーザー(現役従業員・元従業員・求職者)からの否定的なコメントにいかに対処すべきか迷っているのだ。

だがグラスドアの進化はとどまる気配がない。同サイトはいまやアメリカ最大手の求職サイトの1つであり、拡大中の顧客基盤に向けて多様な採用マーケティングツールや雇用データを提供している。

以下は、グラスドアのロバート・ホーマンCEOが、HRマガジン誌の取材に応えて、企業が人事戦略の構築や、評判管理、透明性確保などに向けていかに同サイトを利用すべきかを語ったもの。

人事担当者は、従業員エンゲージメントや採用戦略の構築に、グラスドアをどのように利用すべきか?

今日の透明性の高い職場環境における採用戦略の構築には、開放性、認知度、エンゲージメントといった要素がカギとなる。従業員から寄せられたレビューに接する際には、自社の取り組みの成功点と改善点をじっくり読み解くとともに、求職者がどんな疑問を抱いているかを学ぶといい。

重要なのは、グラスドアを企業運営に役立てる術を学ぶことだ。まず手始めに、無料アカウントで自社の「エンプロイヤー・センター(従業員・求職者のデータ・動向などを閲覧できる機能)」にアクセスしてみるといい。レビューを閲覧して、求職者と従業員のエンゲージメントに関する基本分析を得ることは、採用活動のマネジメントに役立つ。

また自社のパフォーマンスを理解するには、サイトの平均数値を知ることも大切だ。たとえば、2016年10月時点のデータでは、従業員の72%は自分の仕事と会社について「ある程度満足できる」か「満足できる」と答えている。企業の平均格付け点数は、5点満点中3.3点で、CEOの平均格付けは100%中67%となっている。

経営者や人事担当者は、否定的なコメントにどのように対処すべきか?

グラスドアのサイト上では、企業はレビューに公開返信できる。つまり先方のコメントに対して、自社の観点からのフィードバックを発信できる。この手間をかけることは、自分たちは従業員や求職者の意見にしっかり注意を払っているというメッセージとなる。実際に、グラスドア・ユーザーの3分2近くが、レビューに対する企業側の返答を見てから、その企業への認識が良くなったと答えている。

また肯定的なレビューを認知して、それに感謝を示すことも忘れてはならない。自分たちが様々なコメントに対応する姿勢が、求職者にどんなインパクトを与えるか想像してみることだ。

否定的なコメントや虚偽のコメントについて、企業からクレームがあった場合は、どう対応しているのか?

グラスドア・ユーザーは誰でも不適切と感じるレビューに警告を与えることができる。その場合は、当社の方でガイドラインや利用規約を満たしているか改めてチェックする。違反があった場合は、レビューを差し止めにする。

またユーザーに対しても、自身の意見や経験や基づいて正直なレビューを提供するよう呼びかけている。事実関係を巡る議論があっても、当社はあくまで中立的な立場にとどまる。このため当社はユーザーに対して、正直にふるまい、発言に責任を持つよう求めている。

虚偽の給与データの提供に対する防止策にはどんなものがあるのか?

ユーザーが提供するすべてのデータは、コンテンツ・モデレーション(適正化)プロセスを経たのちに掲載される。このプロセスは、大幅に不正確な可能性があるデータや、より詳細なレビューが必要なデータを特定するのに役立つ。

これに加えて、企業側も正確さを欠く給与データに警告を与えることができる。報酬情報のクオリティ向上を目指して、グラスドアでは企業に対して、自社の従業員に匿名で自主的に自らの給与情報をシェアするよう呼びかけることを求めている。グラスドアがより多くの情報を蓄積できれば、求職者が公平な給与を確保する手助けとなる。

一部の識者らは、有料ユーザーの企業の方が、自社に関するコメントの管理権が大きいと指摘しているが、これは本当か?

グラスドアはデータの真実性をきわめて重要なものと捉えている。ユーザーからのコメントは、ガイドラインに則ってさえいれば、その企業が有料登録をしているか否かに関わらず、必ずサイト上に掲載される。

この種の透明性が求職者に役立つことは明らかだ。だが企業にとっても本当に利益があるのか?

イエス。経営者らは、自社の採用に関する洞察を、従業員や求職者の観点や経験から得ることができる。また市場における自社の評判を理解し、人事担当者が採用の取り組みを改善するツールともなる。

仕事は我々の生活の重要な側面を占める。透明性の確保とはつまるところ、人々がより多くの情報を手にして、転職先やキャリアパスについてより賢明な判断を下せるようになることだ。

Transparency Improves Recruiting: A Q&A with Glassdoor CEO Robert Hohman (January 26 2017)|SOCIETY FOR HUMAN RESOURCE MANAGEMENT

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