コラム

特別寄稿


元お菓子メーカー取締役総務部長が語る、「定年退職した私が、14年間の採用活動を通じて感じたこと」

2017.02.22

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  • 経営・人事戦略
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16年末に会社を定年退職しました。14年間採用に携わってきた中で感じたこと、思っていたこと、試行錯誤しながら行ってきたことを書いていきます。

ゆとり世代と言われ、就職氷河期の時代から売り手市場の時代へと変わってきました。確かに十年ひと昔と言われるように時代とともに学生の意識は変わってきています。しかし本質的な所は変わっていないと思います。

どの時代においても上の世代は下の世代の事が理解できず「今の若者は……」と結論付けます。これは上の世代が自分たちの立ち位置から下の世代を俯瞰して言っているにすぎません。実際に多くの学生に会っていると昔も今も変わらず、目を輝かせている学生がたくさんいます。上から目線ではなく、小さな子どもと話をするときのように、膝を折り目線を合わせ話すと、頼もしい素敵な学生が多くいることに気付くことでしょう

エントリー者の母数を増やしましょうという提案を受けます。確かに大人数の方がより欲しい学生層に出会える確率は高くなります。
しかし多ければ本当に良いのでしょうか?大人数の判断ができる手法やスキルが必要となりますし、それがなければじっくりと向き合うことができず、バサバサと切っていくことになります。その中に優秀な学生がいたかもしれなくとも、です。私は量を追い求めるのをやめ、イベントやセミナーで実際に出会った学生を大事にし、交流を重ねてきました。

また私は「ウェブでの静的な会社紹介」が嫌でした。企業は人で成り立っている。そして留まることなく常に動いている。その動的な魅力や人を伝えるのに従来のウェブでは難しいと判断しました。そしてブログからスタートし、SNSの盛り上がりと共にTwitterやFacebookを通じてまさに今起こっている事や想いを伝えながら就活生と交流を行い、YouTubeやUstreamを使っての動画配信も行いました。それらの交流を通じての学生との相互理解が、最終段階での内定承諾に大いに役立っています。

学生に我々のホームを見てもらいたい、仕事場を見て雰囲気や想いを知り感じてもらいたいとの思いを実現するため、通常のインターンシップではなく「オープンカンパニー」を開催しました。これはある大学のキャリアセンターの方から、大学では「オープンキャンパス」として学内を開放し、高校生たちに来てもらっているという話を聞き「企業が実施するのであればオープンカンパニーだ!」と飛びついて実施に至ったものです。わざわざ来てもらうからには絶対に来てよかったと思える内容にしたいと、通常の工場見学では見られない場所を案内したり、多くの社員との交流の場を設けたりしました。もちろんお菓子は食べ放題です。結果、高評価のイベントとなり今も続いています。

日頃就活セミナー等で、学生に就職活動は行動が大事、行動したものが成果を出すと伝えていますが、まさしく我々採用者も足を使い、汗を流し行動しなければ良い人材とは巡り会えないと思っています。

最後は想いです。いかに我々の想いを伝え、想いを理解してもらうか。そして想いをぶつけてきてくれるか。私は誠実でありたいと常に思い活動をしてきました。
学生と多く接することで、元気や若さを常にもらってきました。本当に感謝しています。

執筆者紹介

多田章利(ただ・あきとし) 某大手お菓子メーカー元取締役総務部長。総務・人事・採用部門の責任者を務め、自社で行う採用に係る様々な取組について自身で企画・実施をし、学生向けのFacebookや動画なども自身で作成&アップロードするなど、常に第一線で会社の魅力発信に取り組んできた。他社を巻き込んでの就活イベント企画、セミナー講師多数。

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