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ダイバーシティ&インクルージョンは「ビジネス的に喫緊の課題」

2017.02.03

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全米人材マネジメント協会(SHRM)は1月16日付けで、「ワークフォース・ダイバーシティとインクルージョンの革新」と題した記事を掲載した。著者は作家のノヴィド・パルシ。米国人口の人種多様性が増すにつれて、ダイバーシティやインクルージョンへの積極的な取り組みは、「ビジネス的に喫緊の課題」となると指摘されている。(以下、抄訳)

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現在米国で「マイノリティ」とされているグループは、近い将来にはもはや少数派でなくなる。米国勢調査局の予測によれば、アジア系、ヒスパニック系を含む多民族グループは、2044年までにマジョリティのステータスに達する。

賢明な企業は、すでにこの現実を従業員の多様性に反映させている、とパルシは指摘。将来的には今日とは異なる人材が時代をリードしていくという。

米ヘルスケア企業ジョンソン・アンド・ジョンソンで経営幹部を務めるワンド・ホープも、ダイバーシティとインクルージョンの取り組みは単なる綺麗ごとではなく、「ビジネス的に喫緊の課題だ」と述べる。

有色人種が従業員全体の42%を占める米電話最大手AT&Tもこの意見を共有する。「従業員基盤を顧客基盤と類似させることは、ビジネス的に理にかなう」と同社の人事担当シニア・バイス・プレジデントのシンシア・マーシャルは言う。

「顧客に真摯にサービスを提供するためには、多様性のある従業員グループが必要だ。サプライヤーやベンダーについてもしかりだ」

米国人口の多様性が増すにつれて、より広い範囲の従業員を引きつけるビジネスニーズはますます強くなる、と識者らは言う。「女性や有色人種を効果的に雇用できなければ、潜在的人材プールの規模がどんどん小さくなるだけだ。これは戦略として根本的に誤っている」とダイバーシティ・コンサルタントのジョー・ゲルスタンドは言う。

ダイバーシティはアイデア革新や業績に関わる

ダイバーシティの取り組みは、単に米国の人口構成を反映させるものではなく、イノベーションとパフォーマンスに関わる問題だ、とパルシは指摘。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、性別や民族の多様性の高い企業では、そうでない企業と比較して、それぞれ業績が15%と35%優れている。他の研究でも、人種や性別多様性の高い組織では、より売上が高く、顧客数が多く、収益が高いという結果が出ている。

経営トップにおける多様性も重要である。マッキンゼーの調査では、経営陣の多様性が上位25%の企業は、下位25%の企業と比較して、株主資本利益率が53%高かった。また経営陣に女性が多い企業ほど、収益が高いという結果もある。

「多様な人材の採用・リテンション・開発は、革新と成長を引き起こす」と、英コンサルティング企業PwCの幹部マイク・ディロンは言う。

この意見は、過去数十年の社会学や経済学の研究によって裏付けられている、と識者らは指摘。多様な背景を持つ人々は、問題に異なる視点や情報を持ち込むことができる。多様性の高いチームの構成員は、他のメンバーが自分と同じ考え方をすることを当然とは考えない。したがって自分の仮定や思い込みを疑ってかかり、異なる視点があることを予期するようになる。この結果として、創造的なアイデアやソリューションが生まれる。

ジョンソン・エンド・ジョンソンもこの信念を共有している。同社では、多様な従業員の採用・昇進は、マネージャーの年次ボーナスの決定要因の1つとされている。

同社のピーター・ファゾロ最高人事責任者はこう述べる。「我々はイノベーション企業であるから、グローバルなワークフォースを必要としている。顧客や患者を代表するだけでなく、常に新しい洞察を持ち込んでくれる存在だ」

Workplace Diversity and Inclusion Gets Innovative (January 16 2017)|SOCIETY FOR HUMAN RESOURCE MANAGEMENT

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