緊急企画!Twitterアンケート大調査
上司に感じるストレス第1位「指示が曖昧」への、上司/部下それぞれの対処法は?
2017.01.25
こんにちは。F太と申します。今回、初めて@人事さんに寄稿させていただきます。
私は2009年ごろからTwitterで情報発信をし続け、おかげさまでたくさんの方にフォローしていただけるようになりました(@fta7、@shh7のアカウントの合計が30万人超)。それから本の出版や様々なイベントの企画・開催をするようになり、いつの間にやら、Twitterで生計を立てています。
私はテレビに出るような有名人でもなければ、有名なライターやブロガーでもありません。それでもこれだけ多くの方にフォローしていただけるようになったのは、私が受験生の時代、サラリーマンの時代から、その時々の悩みに対して向き合い、もがく中で得た気づきをリアルタイムにつぶやいていたためだと思います。いわゆる成功者の書いた本や自己啓発本とは違い、等身大の目線で書かれた文章が多く、それがまさに今、同じようなことで悩み、苦しんでいる方に共感していただけているのかもしれません。
「上司や先輩に感じるストレス」についてアンケート
今回は、よくご相談をいただく「仕事上の人間関係に対する悩み」にお答えできる記事にするために、事前にTwitter上でこのようなアンケートを実施いたしました。
いつもF太やひらめきメモを読んでくださいまして、ありがとうございます。今度「上司や先輩に対して思うこと」というテーマで記事を書こうと思っておりまして、もしよかったら、アンケートにご協力いただけませんでしょうか? https://t.co/Fb7bV1PdU1
— F太 (@fta7) 2016年12月17日
このアンケートに寄せられた回答を集計、分析したところ、多くの方が悩んでいる点がわかってきました。
回答して下さった方の年齢
計103人の方から熱い回答を頂戴いたしました(集計が困難だったため100人を超えた時点で回答を締切)。私のTwitterをフォローしてくださっている方の比率がほぼそのまま反映されました。
半数以上が20代の方からでした。
性別の比率
80%以上が女性の方からでした。
いくつか質問させていただいた中から、今回は
最近、上司や先輩とのやりとりでストレスを感じたことを教えてください。(自由筆記)
という質問への回答を分析したいと思います。
「上司や先輩とのやりとりで感じるストレス」ランキング ベスト5
自由筆記でお答えいただいたので、すべての内容を私が読み、私なりに分類、集計し、上司に対する不満としてどんなものが多いのかを分析しました。複数の指摘が含まれる場合には、それぞれ1件とカウントしました。
それではさっそく、ランキングの発表です。
1位:指示方法に問題がある(17件)
2位:業務態度に問題がある(15件)
3位:感情的な態度をとられる(14件)
4位:こちらの話を聞いてくれない(13件)
5位:虚勢をはる、自慢が多い、自己保身的態度(10件)
いずれもかなり奥の深いテーマです。
1位「指示方法に問題がある」をさらに分析
1位の指示方法に問題があるに分類された回答の中身をいくつかご紹介します。(敬称略)
指示が曖昧(9件)
・20~24/女性/みーやん
単語のみの指示で意思が伝わらない。指示について詳しく聞くと不機嫌になる。感情の起伏が激しい。
上司間の指示の相違(4件)
・20~24/女性/未雨
直属の上司と、その更に上の上司で言っていることが違い、板挟みになった。
・20~24/女性/カルロス
先輩によって言っていることが違うため、どちらの方法を採っても注意される状況になった。
また、機嫌の善し悪しがわかりやすく気をつかわないといけないときにストレスを感じる。
丸投げ(2件)
・35~39/男性/エビカニ
自分で調べればすぐわかること、自分で判断すべきことを丸投げしてくる。
・30~34/女性/ば。
思い付きの企画をごり押しして実行させるのに、途中から丸投げしてくる。売り上げしか見てないわりに詰めが甘い。
仕事量が多すぎる(2件)
・20~24/女性/いとまる
許容範囲を超えた仕事量を気にせず振ってくる。
立場別対処方法:あなたが上司の場合
それでは、上記のようなストレスを抱えた部下を上司がどのようにケアするべきなのか?また、上記のようなストレスを与えてくる上司がいる場合、部下はどのように対処するべきなのか?それぞれの立場別に見ていきたいと思います。
質問されて不機嫌になる場合、間を置く
「質問」は、仕事に限らず人間が物事を理解・記憶するためにかなり重要です。質問するためには、頭の中の「理解できていない部分」を言語化する必要があります。この言語化作業の過程で、物事に対する理解が飛躍的に進みます。
つまり、質問をしやすい環境をつくるだけで、質問をする部下は勝手にどんどん成長できるのです。
しかし、この「質問しやすい環境」をつくる上で最も問題となるのが、質問されることに対する上司の態度です。余計な質問で自分の時間が奪われていることで、ついイライラしてしまうのもわかります。しかし、感情的な上司に対し、部下は心理的な負担を感じるため、そのような態度を続けていると、部下は質問以前にコミュニケーションを避けるようになります。
部下からの質問に仕事を中断させられることを避けたいのであれば、以下のような対策が取り入れやすい上に効果が高いのでオススメです。
・緊急でないものは極力メールで質問するよう指示する
・1日の中に、「部下の質問に答える時間」を用意する(時間帯は昼休憩明けがオススメ)
昼休憩後をオススメするのは、食後は感情が安定するからです。逆に空腹時は感情的になりやすいため、ストレスのかかるコミュニケーションからは距離をおくようにします。
指示後、手順を相手に説明してもらう
こちらが明確に指示したつもりでも、相手の理解度によっては、「曖昧に指示された」と感じることがあります。
理解度のギャップを埋め、かつ、相手の理解度を深めるのに大変便利な方法があります。それが指示した後に、相手に手順を説明してもらうという方法です。
記憶というのは、「思い出そう」という努力をしているときに、より強固に定着します。そして思い出そうとするプロセスの中で、自分自身があまり理解できていないポイントにも自ら気づくことができます。
つまり、部下に手順の説明を求めるだけで、仕事への理解と記憶強化を促進できます。そして自ら理解の弱い部分に気づき、その点を解消してあげることで、初期の段階で疑問点を解消させることが可能になります。
部下としてもクリアなイメージを持って仕事に取り組むことが可能となりストレスも軽減されます。また、部下と手順のイメージを共有することになるので、指示が間違って伝わることを防止することもできますし、効率の良くない手順を踏もうとしていれば、その点をいち早く指摘できます。
指示した後、相手の口から手順を説明してもらう。たったこれだけで上記のような様々なメリットが得られるので、日頃の指示伝達の中に是非とも意識的に取り入れてみてください。
丸投げは明確に
丸投げは本来、上司にとっても部下にとっても、メリットの方が多いはずです。部下にとっては自分のやりやすい方法で仕事ができ、自己効力感が高まり、仕事のやりがいにもつながります。上司としても、細かい指示を出す労力を省き、マネジメントに集中できます。
ではなぜ、この「丸投げ」が部下にとってストレスになってしまうのでしょうか。
それは、丸投げが中途半端だからです。
仕事を任されたと思ったら、いちいちやり方に小言を挟まれる。そういったことが続けば部下としては「だったら全部指示してくれよ」という思いになります。このような状況で、芳しくない結果が出た時、上司は「私の指示通りにやらなかった部下の責任だ」と思い、部下は「上司の指示通りにやってうまくいかなかったんだから上司の責任だ」と思います。
丸投げするときのポイントはシンプルです。「期間と仕事の量を決め、任せたらその期間は一切介入しない」です。
例えば「今日の午前中で10件の営業」「今日中にプレゼン資料の見出しを作成」といったように、指示する際は、期間と仕事量も併せて具体的に指示します。
そして一旦仕事を依頼したら、約束した期限までは部下を信じて任せます。期限が来て初めて、必要な指摘をします。
期限が来ても約束した進捗が終わっていないということが続くならば、次回の報告までの期限と仕事量を短めに設定します。
期限内に約束した仕事量をこなせているようであれば、さらに大きい範囲で区切って作業を任せます。
「任せる期間」と「細かい指摘をするタイミング」を明確に分けることで、部下は丸投げされた仕事を気持ち良くこなすことができます。上司としても最初はやきもきするかもしれませんが、このスタイルが定着していけば、部下を逐一監視する必要がなくなるため、より多くの仕事を部下に任せることができるようになります。
リーダー間の問題はリーダー間で解決する
上司によって言っていること指示が違う、というのは、アンケートの結果にもあるように、多くの人がストレスを感じているようです。
部下に対する指示が異なっていることに気づいたら、更に上の上司に間に入ってもらいつつ、異なった指示を出した当事者間で問題を解決するべきですが、それがスムーズにできる組織ならば、そもそも部下がそんなことで悩むこともないのでしょう。
そこで、そんな環境の中にありながらも、上司としてうまく立ち回るために最低限、死守すべきルールをご提案します。
別の上司の批判を、部下の前では絶対にしない
この鉄則だけは守るようにします。これをしてしまうと、部下の信頼を大きく損ないます。
そういった批判や愚痴は、あくまで同僚や、自分の上司に対してだけ言うようにする。そのような姿勢が、部下に信頼されるための下地づくりとなっていきます。
立場別対処方法:あなたが部下の場合
これまで上司の視点からの対処法を見てきましたが、今度は、自分自身が部下として、問題のある指示をしてくる上司に悩まされている時、どのように対処すべきかを見ていきましょう。
感情的になりやすい上司とコミュニケーションする際は、食後を選ぶ
食後の、気分が安定しているタイミングを狙って質問をします。早く済ませるために、あらかじめ質問リストを作っておきましょう。
質問を簡単にでも文章化しておくと、無意識下で自動検索が始まります。するとある瞬間、勝手に疑問が解消するという現象が起こることがあります。
疑問点を明確にして一旦寝かせることで、勝手に解決するということは、実は結構あるのです。寝かせても解決しなかったものだけ上司に相談するようにすれば、余計な質問をするストレスをぐっと減らすことができます。
相手の指示を自分なりに文章にまとめておく。
曖昧な指示を受けた場合、その指示の内容を簡単な文章にまとめ、上司に対し「この解釈で問題ないか?」と確認し、承認をもらうようにします。
文章にすることで、指示の「どの部分が曖昧なのか」ということに自分自身で気付くことができます。また、文章化は責任の所在を明らかにしておくことにも役に立ちます。何かトラブルがあっても、「上司が確認し、承認したこの文章の指示通りに作業しました」という主張ができます。
指示を文章にまとめる際のポイントとしては、「いつまでに」「何をどこまで終わらせればいいのか」を具体的にすることです。
上司によって意見が違う場合、自分の信念に近い方を通す
最後に、上司によって指示が異なる場合の行動基準について。これもとてもシンプルです。常に自分が正しいと思う方を選びます。
その選択によって叱責を受けたとしても、それを意に介す必要は全くありません。自分が正しいと思った方を、自分で選んだということを、心の中で誇って欲しいのです。
上司の指示に対して違和感を感じたときは、自分の信念について深く知るチャンスでもあります。少しずつ自分の信念を明確にしていきながら、その信念を貫ける環境を探し続けていきましょう。
私も引き続き、Twitterでの情報発信を通して、そのお手伝いをしていきたいと思っています。
【編集部より】
職場の人間関係を改善するヒントを得るための記事はこちら。
職場の上司やリーダーのための記事はこちら。
この記事を読んだ方におすすめ!
執筆者紹介
F太 宮城県出身。公認会計士の勉強中に始めたTwitterで、心をふぅっと楽にする言葉や情報を発信し続け、なぜか「フォローしとくと運が良くなる」と話題に。現在メインアカウント「F太」のフォロワーが約10万人。厳選したツイートのみ発信するbotアカウント「ひらめきメモ」のフォロワーが約24万人。2015年5月に初の単行本『明日ちょっと運が良くなる、思考のメモ』を出版。
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