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日本の労働者の睡眠不足による経済的損失は「16兆円」―英研究機関

2017.01.11

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米サイエンス・デイリー誌は先ごろ、イギリスの研究機関が睡眠不足の経済的影響を探った研究内容を掲載した。睡眠不足は労働者の生産性を大幅に低下させ、死亡率を増加させることで、国家経済に重大な損失をもたらしているという。(以下、抄訳)

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イギリスの非営利研究機関「ランド・ヨーロッパ」の研究によると、1日の平均睡眠時間が6時間を下回る人は、睡眠時間が7~9 時間の人と比較して死亡率が13%増加する。同機関は、1日の健康的な睡眠時間幅を7~9時間と述べている。

「なぜ睡眠は重要なのか – 睡眠不足の経済的コスト」と題されたこの研究は、5か国(アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、日本)の労働者を対象として、睡眠不足の経済的損失を数量化したもの。それぞれの国の企業社員の睡眠時間に関する多数のデータを利用して、ワークフォース(労働力)の睡眠不足による経済効果を予測した。

研究を主導したランド・ヨーロッパのマルコ・ヘフナーは、「今回の研究により、睡眠不足の影響力はきわめて大きいことがわかった。睡眠不足は個人の心身の健康だけでなく、国家経済にも重大な影響をもたらす。生産性の水準が低下し、労働者の死亡リスクが高まる」

さらに彼は続ける。「睡眠の習慣・時間の改善により得られる効果は非常に大きい。研究が示すところでは、シンプルな変化だけで大きな違いが生まれる。たとえば、1日の睡眠が6時間未満の人が、それを6~7時間に増やすだけで、アメリカの経済には2264億ドル(約27兆円)のプラス効果がある」

5か国のうちで睡眠不足による経済的損失が最も大きかったのはアメリカで、合計損失額はGDPの2.3%にあたる4110億ドル、損失労働時間は120万日とされた。2位は日本で、損失額はGDPの2.9%にあたる1380億ドル、労働時間の損失は60万日だった。

3位のドイツとイギリスの損失は同水準で、それぞれ損失額と損失労働時間は600億ドル(GDPの1.6%)・20万日と、500億ドル(GDPの1.9%)・20万日だった。睡眠習慣が最も良好だったのはカナダだが、それでもGDPの1.4%にあたる214億ドル、80万日分の労働時間を損失していた。

報告書では、個人・雇用主・公共機関向けに睡眠習慣を改善するアドバイスが述べられている。その概要は以下のとおり。

個人:
・毎朝決まった時刻に起きる
・就寝前の電子機器の使用を控える
・日中に運動する

雇用主:
・健康的な睡眠の重要性を認識して、その促進に積極的な役割を担う
・明るい職場設計を行う共に、社内に昼寝用のスペースを確保する
・従業員のメンタルヘルスのリスク対策をする
・労働時間外に電子機器を過度に使用しないよう呼びかける

公共機関:
・医療従事者による睡眠関連の支援体制を整える
・企業の睡眠問題対策を後押しする
・学校の始業時間を遅らせる

Lack of sleep costing US economy up to $411 billion per year (November 30 2016)|Science Daily

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