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男女の賃金格差の原因は「昇進の差異」―米報告書

2016.12.27

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全米人材マネジメント協会より「男女の賃金格差は出世できないことが原因」と題した記事を紹介する。著者は人事専門家のスティーヴン・ミラー。男女の賃金格差に関する最新の調査内容をもとに、格差の主要な原因は「男女間の昇進の差異」にあると指摘されている。(以下、抄訳)

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給与調査サイト「ペイスケール(PayScale)」が以前実施した調査では、2016年の米国の男女の平均賃金は男性1ドルに対して女性が約76セントで、23.7%の格差があった(前年は25.6%)。

だがこれは未調整のデータ(男女全般の賃金)を比較した数値。今回の調査では、ペイスケールは調整済みのデータ(職種、学歴、職歴、役職などで類似する男女の賃金)の比較を行った。すると、男女の賃金格差は男性1ドルに対して女性は98セントとなり、その差はわずか2.4%まで縮まった(前年は2.7%)。

なぜ未調整と調整済みのデータで、これほど大きな違いが生じるのか? ペイスケールの研究者らは報告書で、給料の高い仕事や業界は往々にして男性労働者が過度に多いためと指摘。さらに同じ業界内でも、企業の上層に行くほど男女の賃金格差は大きくなるという。

「女性はマネジメント職に就く割合が男性に比べて著しく低い」と同社のコンテンツ戦略担当バイスプレジデントを務めるリディア・フランクは言う。

フランクによれば、キャリアの開始時点では、男女は同程度の職務レベルで働くことが多い。大半の人々はインディヴィジュアル・コントリビュータ(一般社員)として入社し、キャリアが進むにつれて、男女共にマネージャーやスーパーバイザー(ほぼ日本の係長・課長クラスに相当)まで昇進する。さらに一部の人はディレクター(部長)やエグゼクティブ(経営幹部)の職務レベルまで達する。だが男性はこれらの職務に就く割合が女性に比べて格段に多い。

その例証として、フランクは報告書から下記の2つのデータを挙げる。

  • 男性はキャリア中盤までにバイスプレジデント(統括責任者)かCスイート(経営幹部)に昇進する割合が、女性より85%多い。
  • 男性はキャリア終盤でこれらの職務に就いている割合が、女性より171%多い。

これに対して、女性は60歳まで達しても60%の人が依然としてインディヴィジュアル・コントリビュータの職務に就いている。男性の場合、その割合は45%だ。

多くの女性回答者は、偏見が女性の出世を妨げていると考えている。あからさまな偏見と、無意識の偏見の両方である。調査では、女性回答者全体の20%、MBA(経営博士号)取得者に限ると36%が「性別のせいで昇給や昇進を逃している」と答えた。

さらに調査では、男女の従業者に対して、自分の雇用主は賃金格差の解消や出世機会の平等に積極的に取り組んでいると思うか、と訊ねた。男性の17%が「はい」と答えた一方で、女性はわずか10%にとどまった。

自分の雇用主は格差改善に取り組んでいないと思うと答えた人は、男女共に仕事への満足度が低く、転職機会を求める傾向が強いことも判明した。

「公正な賃金や出世のプラクティスは従業員にとって良いだけでなく、男女両方の人材リテンション(定着・離職防止)に非常に大きな影響がある。従業員は自分と価値観を共有する組織のために働きたいのだ」とフランクは述べている。

Gender Pay Gap Pegged to Lack of Promotions (December 12 2016)|SOCIETY FOR HUMAN RESOURCE MANAGEMENT

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