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レジリエンスが「折れない」社員をつくる

2015.07.13

  • 教育・研修
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レジリエンスとは何か? その効果に迫る

企業の人材開発で注目を集めるレジリエンス。英語では、もともと「復元力」「弾力性」などと訳される物理用語の一つだった。現在は「外から衝撃を受けても、そこで挫けずに、しなやかに立ち直る強さ」という概念を持ち、ストレスからの回復力、困難な状況への適応力、災害時の復元力という意味で使われるようになっている。未曽有の大地震や金融危機、いじめ問題、エネルギー危機。私たちが直面している様々な壁を乗り越えるには、「しなやかに強く立ち直れる力」が今後いっそう重要になってくるのだ。

レジリエンスは、こうした社会全体の課題解決はもちろん、組織のリーダーシップ開発、営業やプレゼンテーションなど「ここぞ」という場面でプレッシャーに負けない力の醸成、折れない新入社員の育成など、人材開発の分野にも幅広く活用されている。

心理学の分野でレジリエンスが研究されるようになったのは、約40年前にさかのぼる。障害や逆境にもかかわらず、そうした状況をばねにしてさらに成長している人もいるのはなぜなのか?

研究の結果、レジリエンスは、安定した家庭環境や学校環境などの「環境要因」と、自律性や自己コントロール、共感性、問題解決能力、ソーシャルスキルなどの「個人内要因」の両方が重要で、それらが相互に作用することで培うことができると判明された。また、レジリエンスを高めることで、次のような効果を得られることが実証されている。

  • ストレス耐性が高い社員、管理職、リーダーの育成
  • メンタルの問題件数、離職率の低下
  • 仕事への意欲や満足度の向上

世界はすでにレジリエンスに着目している

レジリエンスは、グローバル企業でも導入が進んでいる。

例えば、ロイヤル・ダッチ・シェル、グラクソ・スミスクライン、IBM、ジョンソン・エンド・ジョンソンといった名だたる企業が、レジリエンスを高める法人研修を実施している。様々なストレスやプレッシャーがのしかかる中でも、パフォーマンスを発揮し続けることのできる人材が求められているためだ。失敗を恐れずに新しい事業に果敢に挑戦していく心理的なたくましさは、グローバルに活躍するビジネスエリートの必須事項になってきているといえる。
日本でも、株式会社ヒューマンブリッジなどの企業が「レジリエンストレーニング」の提供を開始しており、今後「レジリエンス」を高める研修が増えていくことが予想されるだろう。

「逆境にこそ力を発揮できるリーダーを育成したい」、「折れない若手社員を育てたい」。そんな課題を抱えた人事担当者の方々は、「レジリエンス」の研修を検討してみてはいかがだろうか。

参考文献
『レジリエンスとは何か』枝廣淳子、東洋経済新報社
『「レジリエンス」の鍛え方』久世浩司、実業之日本社

執筆者紹介

松尾美里(まつお・みさと) 日本インタビュアー協会認定インタビュアー/ライター。教育出版社を経て、2015年より本の要約サイトを運営する株式会社フライヤー(https://www.flierinc.com/)に参画。ライフワークとして、面白い生き方の実践者にインタビューを行い、「人や団体の可能性やビジョンを引き出すプロジェクト」を進行中。ブログは教育×キャリアインタビュー(http://edu-serendipity.seesaa.net/)。

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