成果直結!イノベーション研修の極意─必要性と効果を最大化する設計ポイント
2025.05.26

中期経営計画や企業理念に「イノベーション」というキーワードを掲げる企業は多々あるものの、実現するために具体的なスキル強化や育成の施策を実施しているケースはそれほど多くありません。その理由の一つは「施策をしたところで、成果が測れないのでは?」と思い込んでいる人が多いためです。
しかし、20年以上にわたりイノベーション力強化研修を設計・実施してきた経験から言えるのは、イノベーションは成果が出にくいどころか、むしろビジネスの成果に直結し、貢献できるものです。今回は、成果を生む研修設計のポイントを紹介します。
目次
1.受講者のイノベーション力の現状
2005年頃から発想力開発とイノベーション力強化研修を実施しており、受講者数はのべ1万人以上を数えます。その大半で事前アンケートをとっており、結果から日系企業の社員実態を整理しました。
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
問1:必要性認識
91%の受講者は自分の仕事にイノベーションが「とても必要(++)」または「必要(+)」と回答しました。イノベーション力強化研修に参加する受講者だから割合が高いということもありますが、仕事上でイノベーションが重要だと実感していることは明らかです。
問2:モチベーション
仕事で必要=自分がやりたいこと、というわけではないので「自分のイノベーション能力を向上したいか? 強化したいか?」も聞いています。データのとおり、98%の受講者が「ぜひ強化したい(++)」または「強化したい(+)」と回答しました。ほとんどの受講者にはイノベーションに対して強いモチベーションがあることが、ここから分かります。
問3:自己評価
ここで聞いているのは「職場の周りのメンバーと比較して、自分のイノベーション力はどうか?」ということです。
++ =とても高い
+ =高い
0 =普通
– =低い
– – =とても低い
「とても高い」または「高い」と回答した受講者は19%にとどまりました。自分のイノベーション力に対して自信がない人が多いようです。
問4:学習経験
イノベーションの必要性があって強化へのモチベーションも高い、しかし自信とスキルが伴わない場合は、教育(研修を受講する、本を読むなど)をしたほうが良いでしょう。同じ受講者に「今までイノベーション関連の研修受講や関連書籍の読書などをしたことがあるか?」と聞いたところ、「はい」と答えたのは11%しかいませんでした。
以上の結果から、多くの社員はイノベーション力を必要としており、強化したいというモチベーションもあるが、自分のスキルに対して自信がなく勉強もほとんどしていない、そのためイノベーション力強化研修を実施したほうが良いことが分かります。
⇒ 高い必要性 × 強い意欲 × 低い自己効力感 というギャップを埋める施策が急務。
2.必要なスキル
イノベーションについてはさまざまな理論とモデルがあり、いろいろな人たちがいろいろなことを言っています。ですが、基本的な要素はとてもシンプルです。
【イノベーションに必要な3要素】
ニーズ把握:課題やユーザー洞察
アイディア創出:多角的に解決アイディアを出す
アクション実行:迅速な試行と検証
それぞれの要素の代表的なテクニックをまとめました。
これ以外にもいろいろなツールやテクニックがありますが、まずはこのイノベーションの基本的な3要素(ニーズ、アイディア、アクション)を強化することが重要です。
3.効果的な研修設計
難しいのは効果的な研修設計です。なぜなら、イノベーションのテクニックを学んでも、受講者はすぐに職場で使おうとしないからです。イノベーションというのは新しいことへの挑戦なので、難しい、失敗するリスクがあるなど「怖い」もの。しっかりした研修設計をして、受講者に「怖くない」「職場で使える」と思わせ、職場実践してもらうことがポイントです。
職場で研修内容を使わない代表的な理由と解決ヒントを挙げてみましょう。
受講者に「怖くない」「すぐ試せる」と思わせる環境づくりが鍵です。
この工夫ポイントを意識して研修を設計すると、受講者は職場でイノベーションを試してみたくなるでしょう。
4.期待される研修効果
確かに、受講者の頭の中にある発想力や想像力、クリエイティビティなどを測るのは少々難しそうです。しかし、イノベーション力強化研修は職場での具体的な取り組みがあるため、簡単に成果を測ることができます。そもそも、イノベーションというのは「今までやっていないこと」ですから、研修前のゼロの状態と研修後の出来を比較するだけで研修の成果が分かります。
これまでの数多くの受講者の成果を見てみると、以下のような傾向が見られます(注:データは1日研修、3日間研修、5日間研修です)。
行動の量
受講者が研修後に、職場で自己課題(マイテーマ)に取り組むかどうかを、研修日数別にグラフ化したものです。
1日研修でも一人一人の業務課題を研修中に使うようにすれば、研修後も引き続き取り組む可能性が高くなります。数日間のシリーズ研修なら、ほぼ100%です。
行動の質
受講者の職場での取り組みについて個別ヒアリングしたところ、以下のような傾向が見られました。
さまざまな業界、さまざまな職種や立場の受講者のデータを見比べても、成果はほぼ同じです。求めるアウトプットから逆算して、研修プログラムを決めれば良いです。
5.クロージング
イノベーション力は、的を射た研修設計により短期間で強化できます。必要性・意欲はすでに高い今、企業がすべきは「失敗への恐れ」を乗り越える仕組みづくりです。
今回紹介したポイントを取り入れ、自社のイノベーションを加速させましょう。
===============
企業向け専門 研修会社
アイディア社
IDEA DEVELOPMENT株式会社
https://ide-development.com/
@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。
@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。
今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料
@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。

「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」
「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」
そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。
関連記事
-
コラムニュース・トレンド
HRトピック
福利厚生を利用した「第3の賃上げ」は、中小企業の人材不足解決の鍵となるか
人材不足の問題が年々深刻化している。売り手市場では大企業に人材が流れやすく、とくに中小企業では厳しい状態が続く。企業はこの問題をどのように打破すれば良いのか。その解決策のひとつとし...
2025.02.13
-
コラムニュース・トレンド
イベントレポート
海外人材のリモート雇用をワンストップで提供。グローバルHRソリューション「Remote」が日本向けサービスを開始
グローバルHRソリューション「Remote( https://remote.com/ja-jp )」を展開する、米カリフォルニアに本社を置くRemote社が、日本向けサービスを本格...
2024.12.13
-
コラムニュース・トレンド
企業とシニア求職者のミスマッチをひもとく 第3回
シニア人材の活躍事例――これまでの人生経験を生かす
シニア層の活躍: 未経験業界への挑戦第1回は、シニア層の就業実態および意識をシニア個人と企業双方の視点からお伝えし、第2回では、積み重ねたキャリアで得たスキルや専門性を生かして生き...
2023.08.25
あわせて読みたい
あわせて読みたい

人気の記事

国内・海外ヘッドライン

THE SELECTION
-
THE SELECTION特集
【特集】ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論
-
THE SELECTION企画
人事のキャリア【第25回】
皆がうらやむような会社づくりに取り組む(アイロボットジャパン・太田浩さん)
-
THE SELECTION企画
レポートまとめ
@人事主催セミナー「人事の学び舎」 人事・総務担当者が“今求める”ノウハウやナレッジを提供
-
THE SELECTION特集
「副業」新時代-企業の向き合い方 特集TOP
-
THE SELECTION特集
人事のキーパーソン2人が@人事読者の「組織改革」の疑問に答えます(第2弾)
数値化できない部署を無理に人事評価する方が問題。曽和利光×北野唯我対談
-
THE SELECTION特集
「令和時代に必須! ハラスメント対策最前線」
パワハラと指導の違いは? 6種類のパワハラを佐々木亮弁護士が徹底解説(中)