クアルトリクス合同会社調べ
「従業員はリーダーがAIを効果的に導入できるか疑問視」。従業員とリーダーのAI に対する認識の違いが明らかに
2025.04.30

米国クアルトリクスの日本法人、クアルトリクス合同会社(東京・千代田)は4月22日、「2025年従業員エクスペリエンス トレンドレポート」に基づく調査を公開した。
調査結果から、日本をはじめとする世界各国の従業員は、AIの効果的な導入に関して、上司の対応力に対してあまり信頼を寄せていないことや、AIに対してポジティブな感情を持つ回答者の割合が、経営陣(54%)とマネージャー以下の従業員(32%)との間で22ポイントの差が生じるなど、AIに関する認識の違いことが明らかになった。以下、リリースより。
目次
従業員はリーダーがAIを効果的に導入できるか疑問視している
日本では、管理職や一般社員の半数が「リーダーがAIを効果的に導入できる」と信じていますが、これは経営陣がリーダーに対して抱いている信頼感より17ポイント低くなっています。さらに、マネージャー以下の従業員で「上司が最新テクノロジーに関する意思決定の際に利益よりもウェルビーイングを優先する」とした回答者は半数未満(47%)にとどまり、経営陣の回答より20ポイント低いことがわかりました。特に「AIツールが明確な指針や倫理、ガイドラインと共に導入されている」と回答した経営陣は67%である一方、マネージャー以下の従業員はわずか48%と、認識には大きなギャップが見られました。
AIに関する認識の違いは、テクノロジーが各自の業務に及ぼす影響に対する認識を反映したものとなっており、AIに対してポジティブな感情を持つ回答者の割合は、経営陣(54%)とマネージャー以下の従業員(32%)との間で22ポイントの差が生じています。
クアルトリクス 職場行動サイエンティストのセシリア・ハーバート博士は、次のように説明します。「従業員と上司の関係はただでさえ緊張感があるものです。現在、AI導入は組織にとって大きな課題となっており、この新たな状況に組織が誠実に対応することが求められています。AIの可能性を探る中で、リーダーと従業員に信頼関係が構築されていることが前提となります。他者への思いやりを示すこと、多様な視点を尊重すること、そして情報に基づいた透明性の高い意思決定を行うことが必要です」
AI導入に関する期待:従業員は仕事の量より質を重視している
AIを導入すれば一人ひとりがこなせる業務量が一気に向上すると期待しているリーダーは、その認識を改める必要があるでしょう。AIによって節約した時間を追加的な業務に充てたいと考えている従業員は12%に過ぎません。大半は効率の向上(54%)か仕事の質の向上(49%)を重視しており、世界的に見ても日本の従業員は「AIによって節約した時間を効率と質の改善に使う」と回答する傾向が高くなっています。それでも、従業員の21%はAIを使うことで新しい業務に取り組めるようになると考えており、職場でのAIの導入方針に関するコミュニケーションの必要性が明らかになっています。
従業員エクスペリエンスとAI導入との関連性
職場で有意義な体験(エクスペリエンス)を得ている従業員は、エンゲージメントが高い傾向があります。彼らはAIを導入する上司の決断に信頼を寄せ、導入に期待し、AIをより頻繁に利用しようとします。エンエージメントが低い従業員とは対照的な行動をとります。
良好な従業員エクスペリエンス(期待通り以上の体験)をしている従業員の傾向:
- AIを導入する上司の決定に信頼を置く傾向が3.9倍高い
- AIが自分の仕事に与える影響に対してポジティブなイメージを持つ傾向が2.2倍高い
- AIを週に1回以上利用する傾向が2.7倍高い
会社・組織側が従業員向けサーベイなどを通じて、従業員の声に耳を傾ける頻度もAIの受容度と相関が見られます。従業員が月に1回以上サーベイを通してフィードバックを会社・組織に提供する機会がある場合:
- 2年以上フィードバックを提供していない従業員と比較して、上司への信頼とAIに対する肯定感が1.8倍高い
- AIを毎週利用する傾向が2.3倍高い
「優れた従業員エクスペリエンスとAIに対する従業員の受容度や導入状況には、強い関連性があります」とハーバート博士は述べています。「組織が変化に対応する際に従業員のニーズを優先し、リーダーとそのチームとの緊張関係に対処することが重要です。繰り返し継続的に対話することで組織に対する信頼関係を築くことができ、ビジネスの競争優位性を確立できるのです」
AI導入と活用を成功に導くためのヒント
AIツールの使用目的と目標に関する意思統一
AIの使用目的と期待値について、早い段階から共通理解を持つことが重要です。明確に認識合わせをすることで、後々起こる可能性のある問題を未然に防ぐことができます。たとえば、リソースを減らしてより多くの業務を遂行することを従業員に期待してもうまくいかないでしょう。
人材不足とノウハウの喪失
リーダーがルールや方針を明確化することに先行して従業員がAIを導入するため、運用、セキュリティ、財務の面でリスクが生じます。このギャップを効果的に埋めるには、組織はしっかりとしたガイドライン、指針、倫理、トレーニングを提供する必要があります。
社内AI推進担当者を支援
AI推進担当者を従業員の中から指名して、AIツールを特定の業務に効果的に活用する方法を率先して試してもらい、周囲に共有するように依頼します。これにより、方針を遵守しながら導入の促進が大いに進展します。
仕事に適したAIツールを利用
AIの導入は慎重に行いましょう。利用可能なツールを慎重に評価して、組織特有のニーズに最適なものを選びます。選定プロセスにはそのツールを直接利用する従業員にも必ず参加してもらいましょう。
人事とITを連携
人事とIT部門の連携は成功に不可欠です。IT部門は組織が適切なツールに投資できるようサポートし、人事は従業員の教育、職務定義を行い、ツールを効果的に使用できる環境を整えます。
調査について
「2025年 従業員エクスペリエンス トレンドレポート」( 2024 年7月実施)、日本を含む22カ国・地域のフルタイムまたはパートタイムで働く18歳以上の就業者を対象とし、35,023人(うち日本の回答者2,077人)から回答を得ました。
クアルトリクスについて
クアルトリクスは、エクスペリエンス管理(XM)カテゴリーのリーダーおよびクリエーターです。クラウドネイティブのソフトウェアプラットフォームを通じて、組織が卓越したエクスペリエンスを提供し、顧客や従業員とより深い関係を構築できるよう支援します。クアルトリクスが提供するインサイトを活用することで、組織はビジネスの最大の問題点を特定し、それを解決し、優れた人材を確保してそのエンゲージメントを高め、適切な商品やサービスを市場に投入することが可能になります。全世界で約20,000社ものお客様がクアルトリクスの高度なAIを活用して、人々の声を集め、分析し、それをもとにアクションを起こしています。また、膨大な体験データに基づいた、人間の感情についての世界最大規模のデータベースも構築しています。クアルトリクスの本社は、米国ユタ州プロボとシアトルの2カ所にあります。www.qualtrics.com をご覧ください。
クアルトリクス合同会社について
クアルトリクス合同会社(所在地:東京都千代田区丸の内1丁目5ー1 新丸の内ビルディング 37F、代表者:熊代 悟)は、2018年に国内で事業を開始した、Qualtrics LLC(本社: 米国ユタ州プロボ)が100%出資する日本法人です。日本におけるクアルトリクス 製品の販売・サポート・導入支援を提供しています。
【プレスリリース「クアルトリクス 従業員エクスペリエンス調査から 日本における従業員とリーダーのAIに対する認識の違いが明らかに」|クアルトリクス合同会社・2025年4月22日】
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