コラム

「ひとり人事」の職場改善計画


提出しない従業員は解雇できる? マイナンバーを出さない社員への対処法

2016.11.25

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年末調整の時期ですが、マイナンバーの収集はスムーズに行われましたでしょうか? マイナンバーの運用は既に開始されていますが、導入から初めての年末調整で、ようやく本格的にマイナンバーを収集しているというケースもあるのではないかと思います。健康保険組合でも収集を開始中です。そんな中、引き続き従業員がマイナンバーを提出してくれなくて困っているという声が聞かれます。ひとり人事としては何をしたらよいのでしょうか?

マイナンバーについては、会社は税務署等に提出する必要があるにも関わらず、従業員が会社にマイナンバーを提出することまでは義務づけていません。このように、非常に中途半端な関係にあることも、人事担当者の悩ましいところなのではないでしょうか。

目次
  1. マイナンバーを提出しない従業員の言い分
  2. マイナンバーを提出しない従業員を解雇できるか?
  3. マイナンバーの提出と信頼関係

マイナンバーを提出しない従業員の言い分

マイナンバーを提出したくないという従業員の話を聴くと、一口に提出しないと言っても、実は3つのパターンがあることがわかります。

1.マイナンバー制度のことをよく分かっていない
2.マイナンバー制度のことは大体分かっているが、会社の取り扱い体制に疑問を持っている。自分の会社の管理体制を信じていない(漏れると疑っている)
3.マイナンバー制度のことを熟知しており、その上で、マイナンバーを提出しないと決めている

人事としては、これらのパターンに応じて対応することが必要になります。

1.マイナンバー制度のことをよく分かっていない従業員への対処法

マイナンバーがどのように利用されるのか、何に使用するのか、あまりよく分かっておらずにイメージで拒否しているケースがあります。このような場合には、きちんと説明するだけで、「じゃあしょうがないね」と納得してもらえる場合があります。会社としては、年末調整が終わった後、税務署や市区町村に提出する法定調書にマイナンバーの記載が必要となることなど、マイナンバーの利用目的を説明しましょう。

2.マイナンバー制度のことは分かっているが、会社を信じていない従業員への対処法

マイナンバーの利用目的は分かった。でもうちの会社の管理はずさんだから、ちゃんと管理してくれないのではないだろうか。という不安を感じていることにより提出を拒んでいるケースがあります。

この場合は、会社として、ガイドラインに基づいた情報漏えい対策を行っていること、さらに、紙で管理するのか、データで管理するのか、紙で管理する場合の保管方法、データで管理する場合のセキュリティをどのように行っているのか、事務取扱者は誰かなど、会社で定めている措置の内容を、従業員が分かるように具体的に説明します。そうすることで安心してもらうことができ、マイナンバーを提出してもらえる場合があります。

3.マイナンバー制度のことを熟知しており、その上で提出しないことを決めている従業員への対処法

利用目的を説明し、安全管理措置が取られていることも説明し、マイナンバー制度のことも熟知した上で、ポリシーとしてマイナンバー制度に反対している場合があります。この場合は、無理に提出してもらおうと思っても対処のしようがありません。提出先の行政機関の指示に従い、対応しましょう。

マイナンバーを提出しない従業員を解雇できるか?

マイナンバーの提出を義務づけるために、就業規則等でマイナンバーの提出について定めているケースがあります。この場合、就業規則での定め方によっては、制度として懲戒の対象とすることも可能になります。しかし「決まりなので出してください」と命令すればそれでよいのでしょうか? マイナンバー提出拒否をもって退職勧奨を受けたといったトラブルも発生していますが、現実にマイナンバー未提出で解雇が認められるかと言えばそうではなく、行き過ぎた処罰とみなされる可能性は高いでしょう

就業規則で提出義務を定め、従業員に周知することそのものは適切な対応ですが、それでもなお提出しない従業員が発生した場合には、「なぜ提出を拒むのか」「どの部分でひっかかっているのか」「会社としてできることは何なのか」、それを見極めて丁寧に対応することが必要です。

マイナンバーの提出と信頼関係

このようにみてくると、マイナンバーの提出をひとつとってみても、その運用には会社の説明責任や人事と従業員の信頼関係の問題が反映されていることがわかります。国の法律にのっとって会社が正しく運営されているということは、従業員に安心と信頼をもたらします。適切な対応を取ることができれば、「うちの人事はちゃんとやってくれているんだな」と、人事への信頼感も向上するのではないでしょうか。

マイナンバー対応、煩雑ではありますが、ピンチをチャンスととらえ、人事と従業員の信頼関係構築につなげてみてはいかがでしょうか。

執筆者紹介

郡司果林(ぐんじ・かりん)(社会保険労務士) office role代表、第1種衛生管理者。日本大学卒業後にIT企業のSEとなるが、過酷な労働環境に疑問を持ち、社会保険労務士の資格を取得して外資系IT企業の人事担当に転職。10年あまり人事担当として、社内の規程整備、衛生委員会の構築運営、メンタルヘルスケア対応等を行ってきた。現在は独立し、労務相談実績1500件を超える。

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