「リーダー人材不足に関する企業の意識調査 」株式会社帝国データバンク
約7割の企業が「リーダー人材」の不足を実感。リーダー職への意欲醸成が課題に
2025.04.11

帝国データバンクは、「リーダー人材不足に関する企業の意識調査」の結果を発表した。調査結果によると、企業の将来を担う「リーダー人材」(管理職相当以上)の不足を感じている企業の割合は67.8%だった。
また、リーダー人材の育成課題について聞いたところ、「リーダー職への意欲」をいかに高めるかが59.8%で最も高く、「リーダーシップ」「部下の育成能力」が続いた。以下、。リリースより。
※調査期間は2025年2月14日~2月28日。調査対象は全国2万6,815社、有効回答企業1万835社、回答率40.4%
※同調査では、「リーダー」とは管理職以上に相当する役職者を指す
「リーダー人材」の不足、企業の67.8%が実感
少子高齢化の流れが強まり、国内企業は深刻な人手不足に直面している。2025年2月時点で、正社員の人手不足を感じている企業の割合は53.0%にのぼり、月次統計として遡れる2007年以降において、過去最高水準で推移している。そうしたなか、企業からは「質の高い人材を数多く育成することに難しさを感じている」といった課題が数多くあげられている。
そこで、企業の将来を担う「リーダー人材」(管理職相当以上)の不足感について調査を実施した。その結果、企業の67.8%がリーダー不足を実感していた。正社員全体の人手不足の割合(53.0%)を大きく上回った。
課題の一つは、現リーダー層による次のリーダー人材の育成だ。企業からは、「人員が少ないと優秀な人材はリーダーになる前に実務をこなす能力が高くなってしまい、管理職になっても自分が動かなくてはならず、次のリーダー育成まで行き届かない」(機械工具卸売、三重県)や、「現リーダー層もプレイングマネジャーで、自身の業務と中途採用者や部下の育成・勤怠管理などに追われ、リーダーに必要なノウハウを養う育成時間が取れない」(調味料製造、愛媛県)といった育成に必要な時間確保に関する難しさが数多くあげられた。加えて、「過去の採用抑制によって、育成の前にそもそものリーダー人材不足が最も深刻な課題」(石油化学製品製造、東京都)といった声も聞かれた。
リーダー人材を育成するなかでは、「リーダー職への意欲」不足が課題としてトップに
リーダー人材の不足を「感じている」企業に対して、育成するうえでの課題を尋ねたところ、「リーダー職への意欲」が足りないという回答が59.8%で最も高かった。次いで、「リーダーシップ」(57.5%)や「部下の育成能力」(55.6%)など、個人のパフォーマンスだけでなく組織力の向上に求められる力に関しても、半数以上の企業が課題としてあげる結果となった。
企業からは「30代以下の社員の中には、責任のある立場になりたくないという人も増えており、どのように意欲を持たせたらいいのか」(一般管工事、沖縄県)といった切実な声が聞かれた。
テーマは「リーダー職への意欲」向上のための魅力づくり
本調査では、次世代を担うリーダー人材に関して、不足感があると回答した企業は67.8%だった。リーダーを育成するに当たっての課題は、「リーダー職への意欲」不足がトップだった。労働者のうち約8割が「管理職になりたくない」と回答しているといった調査結果も踏まえると[1]、リーダー職のモチベーションを向上させることが課題といえる。リーダー職のやりがいや存在価値、給与など「魅力」を明確に示すことで、意欲の醸成につなげる必要がある。
「人手不足によって管理職も現場業務を進める必要があり、育成どころではない」のような声があり、業務の遂行を最優先にせざるを得ず、リーダー育成に手が回っていないというケースも多い。未来を見据えた教育体制を整備し、中長期的な視点に立った育成が求められている。
[1] 日本能率協会マネジメントセンター「管理職の実態に関するアンケート調査」2023年4月実施
20250318_リーダー人材不足に関する企業の意識調査(PDF)
【プレスリリース「リーダー人材不足に関する企業の意識調査」より|株式会社帝国データバンク|2025年3月18日 】
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