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「食事補助上限枠緩和を促進する会」が衆議院議員へ要望書を提出。食事補助非課税枠の拡大が、今求められるワケとは?

2024.09.03

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6月19日、食事補助の福利厚生を提供する事業者、外食事業者など534者/社で構成する「食事補助上限枠緩和を促進する会」が、食事補助上限額引き上げの実現を目指し、衆議院議員の古川康議員(自民党農林部会長代理)、和田義明議員(自民党食育調査会事務局長)を含む国会議員へ、現行の食事補助非課税枠の上限枠額緩和を求める要望書を提出した【写真:会を代表しエデンレッドジャパン代表取締役社長の天野総太郎氏(右から2人目)が古川康議員(中央)へ要望書を提出】。

関連記事:非正規雇用にも広がりを見せる「第3の賃上げ」のメリットとは?

目次
  1. 物価上昇も約40年にわたり不変の食事補助上限額
  2. 家計が苦しいと真っ先に節約対象になる「食費」
  3. 福利厚生サービス事業者、利用企業、外食事業者の計534社が賛同

物価上昇も約40年にわたり不変の食事補助上限額

今回の要望書提出の背景にあるのは、2022年以降、世界的に加速しつつある物価高騰だ。
日本でも特に食品類の値上がりは著しく、2023年の食料品の消費者物価は、2021年比で約13%増加し、一般外食においても約10%増加。そんな中、世界各国では食事補助の上限額を引き上げるなど、国民の生活を守るための対応策が取られており、フランスやイタリアでは、日本の食事補助の約4倍となる月額約13,500円まで増額されている。

一方、日本の食事補助非課税枠といえば、1984年の竹下登大蔵大臣(当時)のもとで改定されて以来、約40年間見直しが行われておらず、この間、消費税導入や増税、社会保険料の増加などがあったにも関わらず、月額3,500円のままだ。

家計が苦しいと真っ先に節約対象になる「食費」

厚生労働省が8月に発表した「毎月勤労統計調査」によると、実質賃金は前年同月比1.1%増となり、27か月ぶりのプラスに転じたが、連日の猛暑で冷房代などの電気代の高騰も重くのしかかる中、プラス基調が今後も続くのか、見極めが必要である。

家計が苦しいと真っ先に節約の対象となるのが「食費」であることは想像に難くない。エデンレッドジャパンの調査によれば、約73%の従業員が、「物価高の影響により食費の節約を意識する」と回答。従業員の平均ランチ代は2022年から33円減少し、2023年は「400円」まで下がっている。それを反映し、経済的理由によるランチの欠食頻度が高まっており、週に1日以上ランチを欠食する従業員は4人に1人にのぼるという。

「食事補助上限枠緩和を促進する会」が衆議院議員へ要望書を提出。食事補助非課税枠の拡大が、今求められるワケとは?|@人事ONLINE

「食事補助上限枠緩和を促進する会」が衆議院議員へ要望書を提出。食事補助非課税枠の拡大が、今求められるワケとは?|@人事ONLINE

消費者物価を考慮した食事補助非課税枠の拡大は、食育や健康経営、経済合理性の観点からも妥当と考えられることから、現状を踏まえた食事補助非課税枠の上限額を、月額3,500円から6,000円まで約70%の拡大を求めるべく、要望書の提出に至ったわけだ。

参考:
毎月勤労統計調査 令和6年6月分結果確報(厚生労働省)
6月の値上げで9割が節約を意識 「ビジネスパーソンのランチ実態調査2023」(エデンレッドジャパン)

福利厚生サービス事業者、利用企業、外食事業者の計534社が賛同

食事補助上限枠緩和を促進する会代表の天野氏は、賛同企業534社の有志一同を代表し古川康議員に要望書を提出。今回の提出にいたった背景を次のように訴えた。
「食事補助非課税枠の拡大は、日本政府の進める賃上げ施策を補足し、物価上昇を上回る手取り賃金の増加に確実に寄与すると確信しております。加えて、食育の推進、中小企業の健康経営、人材課題の解消、労働生産性改善、外食産業のさらなる活性化に必ず貢献できるものと考えており、食事補助非課税枠の上限枠額緩和を求めます」

同行したアイシーティーリンク代表取締役社長の田辺泰三氏(写真左)は、「経営側としては、物価高の中でも社員の健康と幸福を望んでいる。福利厚生として食事補助サービスを活用しているが、社員も加盟店も提供企業も『三方よし』のサービスだと思う。ぜひ上限枠緩和の検討を」と嘆願し、衆議院議員・古川康議員(右)も、「賛同企業534社からの要望とのこと。関係各所と連携しつつ検討したい」と話した。

同行したアイシーティーリンク株式会社代表取締役社長の田辺泰三氏(左)|@人事ONLINE

その後、和田義明議員(写真左)にも、同様の要望書を提出した。

「食事補助上限枠緩和を促進する会」の代表を務める株式会社エデンレッドジャパン代表取締役社長の天野総太郎氏

これまで議論されてこなかった食事補助の非課税枠だが、その拡大は長期的には医療費の抑制や労働生産性の向上にもつながり、企業だけでなく社会全体にとってもプラスの効果をもたらすとされる。物価高を契機に、時代の変化に応じた柔軟な見直しや改善が必要なのかもしれない。

要望の主な内容

食事補助非課税枠月額3,500円を6,000円まで約70%拡大すること

<食事補助非課税枠拡大のメリット>

  1. 手取り賃金の増加による、政府が目指す「賃上げと物価の好循環」への寄与
  2. 消費者物価(一般外食)と実質賃金の差の是正
  3. ランチの欠食の解消、より健康的な食事の選択、共食の促進など、大人の食育の推進
  4. 平均ランチ代が引き上がることによる、飲食産業に対する消費拡大
  5. プレゼンティズム(健康問題による出勤時の生産性低下)、
  6. アブセンティズム(健康問題による欠勤)の解消による、企業の健康経営への貢献
  7. 年収の壁を超える実質的手取りの増加など非正規雇用労働者の待遇改善と、
  8. それによる中小企業の人材課題解消への貢献
  9. 食事補助に対する2.8倍の経済波及効果と、それによる税収増

要望書の詳細 https://edenred.jp/hubfs/documentDL/meal_support_request_20240619.pdf

参考情報

飲食店・福利厚生企業 534社賛同のもと、食事補助の上限枠緩和に向け、要望書を自民党議員へ提出
【緊急提言】 パート・アルバイト・契約社員 にも「第3の賃上げ」を!ラウンドテーブルを開催
「#第3の賃上げアクション」プロジェクトサイト
・「チケットレストラン」 https://edenred.jp/ticketrestaurant/

※編集部注:本記事はエデンレッドジャパン社による提供情報を一部編集して制作したものです。画像の著作権は同社に帰属します。

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