企画

人事のキャリア【第26回】


急成長するIT企業で人材採用の最前線に立つ (アルサーガパートナーズ・青山哲也さん、高橋歩さん)

2024.09.03

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さまざまな業種の人事担当者に、これまでのキャリアや仕事のやりがいについてインタビューする連載企画「人事のキャリア」。今回伺ったアルサーガパートナーズ(本社:東京・渋谷)は、「日本のDXを世界で誇れる産業へ」をビジョンに掲げ、ワンストップDXソリューション事業を展開する成長企業だ。2024年7月末時点で従業員数469名、人事部門は7名という規模で事業を拡大している。
同社の人事責任者である青山哲也さんと、中途採用を担当する高橋歩さんにインタビューを行った。毎月800件の応募を集め10名ほどを採用する急成長企業ならではの採用戦略や、人事の仕事のやりがいとは。【取材・構成:編集部】

青山 哲也(あおやま てつや)

アルサーガパートナーズ・青山哲也さん|@人事ONLINE不動産会社の起業を経て、人事領域の世界へ入る。人事戦略コンサルとして、IPO/PMI支援、人事制度設計、組織構築、研修体系/講師、採用支援業務に従事。その後、2014年より事業会社の人事部長としてマザーズ上場、1部指定替えを実施。2018年からはベンチャー企業、大手外資(北アジア統括)のCHROや、広告代理店の海外事業責任者として組織強化に貢献。
2023年2月より、アルサーガパートナーズの執行役員CHROに就任。

高橋 歩(たかはし あゆみ)

アルサーガパートナーズ・高橋歩さん|@人事ONLINE新卒で人材紹介会社に入社し、RA(営業)と海外人材採用代行の担当を務める。2社目はメーカーの人事(採用・研修)を、3社目の三菱電機の代理店(専門商社)でも採用を行っていた。「人をつくる」というミッションに感銘を受け、さまざまなことに挑戦できると感じ、2022年5月アルサーガパートナーズへ入社。

青山さん・高橋さんのキャリアアップのポイント

【青山さん】
コンサルタント時代の経験が転機になり、相手が思っていること以上に深く考え、業界や相手の立場を理解した上で解決策を考えるようにしている。

【高橋さん】
人事と現場の間に感じていた壁を壊そうと、執行役員や採用に関わる人たちに積極的に話しかけ関係構築。本音で話せるようになり、その後の採用活動がスムーズになる。 

目次
  1. 急成長企業の採用戦略
  2. 人事の仕事のやりがい
  3. 人事の仕事の難しさと課題
  4. 人事担当者としてのターニングポイント
  5. 今後の目標
  6. おわりに

急成長企業の採用戦略

アルサーガパートナーズ・青山哲也さん、高橋歩さん|@人事ONLINE

──毎月10名ほどの採用を実現されているそうですが、その秘訣を教えてください。
青山哲也さん(以下、青山):800名以上の応募を集められているのは、エージェントや媒体をうまく活用しているからですね。そこから10名採用できているのは、候補者へのアプローチの仕方だと思います。

高橋歩さん(以下、高橋):自社の魅力を事前に伝えられているのが大きいですね。推せるポイントをわかりやすく発信したり、エージェントに細かく情報共有したりしています。例えば、エンジニア向けに最上流から下流まで一貫して開発できる環境があることや、社内コミュニケーションが取りやすいことなど、当社の特徴をしっかり伝えるようにしています。

青山:それに加えて、候補者一人ひとりのモチベーションを見極めて、そこに合わせたアプローチをしています。嘘はつかず、素直に話すことを心がけています。

──なぜそれほど多くの人数を採用する必要があるのでしょうか。
青山
:このビジネスは人材ビジネスです。人がいないと成り立ちません。例えば1億円の売上目標があれば、1人あたり1,000万円の売上として計算すると10人が必要になる。そういった具合に、会社の成長に合わせて人材が必要になるんです。
実際、8期末の156人から9期は247人に増やす計画で、純増で100人近く採用しなければいけない状況でした。弊社では6月末で9期が締まりましたが、結果的に345人の採用に成功し、無事に目標を達成することができました。

──その採用を実現するためのポイントは何でしょうか。
高橋:やはり会社の中のことをよく知ってもらうことですね。候補者やエージェントからすると、どの会社も同じように見えてしまうので、当社でなければならない理由をしっかり伝える必要があります。
また、面接では現場のマネジャーやリーダーにも参加してもらっています。彼らが自分の言葉で会社の良さを伝えてくれるので、候補者の共感を得やすいんです。

青山:会社を自分のこととして考えられる人、会社を大きくしたいと思っている人に面接官をお願いしています。

──採用に現場の方を巻き込むのは難しくないですか。
青山:トップダウンで協力を求めているわけではありません。ただ、会社の大方針として成長したいという思いがあるので、マネジャーたちも良い人材を採用することが自分たちのプロジェクトの成功につながると理解しています。

高橋:私も現場との関係構築を意識しています。最初は執行役員や採用に関わる人たちに「教えてください」と積極的に声をかけて関係を作りました。今では週1回のペースで現場と採用のミーティングをしています。

人事の仕事のやりがい

──人事の仕事のやりがいについて教えてください。
青山:会社が健全な形で大きくなること、そして入社した人たちがアルサーガパートナーズにいたからこそ成長できたと感じてもらえることですね。もし退職する人がいても、ここで培ったものを生かして次のステップに進んでもらえれば嬉しいです。
それから、社員の皆さんに常に楽しんで仕事をしてもらいたいと思っています。忙しい時期もありますが、できるだけ笑顔で過ごしてもらえるような環境づくりを心がけています。

高橋:私は採用がメインなので、入社したメンバーの活躍を見られるのがやりがいです。特にポテンシャル採用で入った人が、半年や1年でユニットリーダーになったりするのを見ると嬉しいですね。カジュアル面談から見てきた人が、きちんと活躍して評価されていくのを見られるのは採用に関わる醍醐味です。

アルサーガパートナーズ・青山哲也さん、高橋歩さん|@人事ONLINE

人事の仕事の難しさと課題

──人事の仕事で難しいと感じる点はありますか。
青山:ベンチャー企業であるため、常に変化が激しいことですね。人が増えていくと、全員のモチベーションを満足させるのは難しくなります。会社の方向性とベクトルを合わせつつ、個々人のモチベーションの源泉とどう折り合いをつけていくかが課題です。

高橋:人数が少ない時は変化についてきやすいのですが、増えてくると少しの変化でも不安を感じる人が出てきます。そういった不安をどううまく解消していけるかが今後の課題だと思います。

人事担当者としてのターニングポイント

──人事担当者としてのキャリアの中で、ターニングポイントとなった出来事はありますか。
青山:私はもともとコンサルタント出身なのですが、クライアントの本質的な課題を見抜けず、表面的な対応しかできなかったことがありました。上司から「もっと深く掘り下げろ」と叱責されたのが転機でしたね。
それ以降は、相手が思っていること以上に深く考え、業界や相手の立場を理解した上で解決策を考えるようになりました。相手以上の視点で物事を見る必要があると学びました。

高橋:私の場合は、入社したばかりの頃に現場とのコミュニケーションがうまくいかなかった経験が大きかったです。それまで人事と現場の間に少し壁があったのですが、執行役員や採用に関わる人たちに積極的に話しかけて関係を築いていきました。
同世代の役員も多かったので、気軽に「採用の話って皆さんにどういう風に伝わってますか?」と聞いてみたんです。そこから本音で話せるようになり、採用活動がスムーズになりました。関係構築の大切さを学んだ経験でした。

アルサーガパートナーズ・青山哲也さん、高橋歩さん|@人事ONLINE

今後の目標

──最後に、今後の目標を教えてください。
青山:個人的には高橋さんたちがどんどん成長してくれて、私は話をするだけで済むようになればいいですね(笑)。会社としては予算計画通りに進むこと、そしてみんなが笑顔で働ける環境をつくることです。
採用面では、エージェント経由ではなく直接アルサーガパートナーズに入社したいと思ってもらえる人を増やすことが目標です。そのためには知名度を上げること、そしてキャリアパスの幅広さをアピールすることが必要だと考えています。

高橋:個人的には青山さんを楽にさせることですね(笑)。会社としては、もちろん採用目標の達成は大前提ですが、それに加えていろんな部門や立場の人から意見が上がりやすい環境を作りたいです。
人数が増えていくと難しくなる部分もあると思いますが、常に改善の余地がないか、皆の声に耳を傾けていきたいと思います。

──ありがとうございました。

アルサーガパートナーズ・青山哲也さん、高橋歩さん|@人事ONLINE

おわりに

急成長を続けるアルサーガパートナーズ。その成長を人材面から支える青山さんと高橋さんの話からは、人事の仕事の醍醐味と難しさが垣間見えた。
2人に共通していたのは、「人」への強い関心と、コミュニケーションを大切にする姿勢だ。現場との密な連携、候補者一人ひとりへの丁寧なアプローチ、社員の声に耳を傾ける姿勢。そういった地道な取り組みの積み重ねが、驚異的な採用実績と会社の成長につながっているのだろう。
人事の仕事は、単なる制度設計や採用活動にとどまらない。会社の成長と個人の成長をバランスよく両立させ、全社員が生き生きと働ける環境を作ること。それこそが人事の真髄であり、青山さんと高橋さんが目指す理想の姿なのかもしれない。

編集部注:本記事は2024年3月の取材および7月末時点の追加情報をもとに制作しています。

企業情報

アルサーガパートナーズ株式会社
■事業内容:ワンストップDXソリューション事業
 IT新規事業コンサルティング/エンタープライズシステム新規事業企画(DX)開発/
 ウェブシステム企画・開発/アプリケーションシステム企画・開発/
 ウェブ制作・ウェブマーケティング・コンサルティング/リース業
■本社所在地:東京都渋谷区桜丘町1番1号 渋谷サクラステージSHIBUYAタワー18階
■設立年:2016年
■従業員数:従業員数:469名(SES含む、2024年7月末時点)
■HP:https://www.arsaga.jp/

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